熊本熊的日常

日常生活についての雑記

倉敷でみつけたもの

2011年09月05日 | Weblog
知らない街を歩いてみると、思いもよらぬものに出くわすことがある。民藝学校の最終日に市街散策の時間があった。案内役がついて回るのだが、自由に回っても差し支えないとのことだったので、勝手にうろうろとしてみた。美観保存地区を一回りして、閉校式が行われる会場へ戻る途中、住宅街のなんでもない通りに、軒先に銅像のある家を発見した。倉敷とどのような縁があるのか知らないが、蒋介石の像だ。その家には「昭和大戦博物館 準備展示室」という看板が掲げてある。ショーウィンドウがあり、そこには終戦時に蒋介石が中国人民に対してラジオを通じて訴えたとされる講演を紙に大きく書いたものが貼ってある。「暴をもって暴に報ゆ勿れ」という題だ。その下には戦中戦後に使われたとおぼしき、砲弾の空薬莢を利用して作られたアイロン、ヘルメットを転用した鍋、軍刀を転用した包丁、陶製砲弾などが並んでいる。家は空き家というのではなく、普通に生活が営まれているかのような雰囲気だ。その並びには軒先に緑色に塗られた旧郵便ポストが立っている家。一見すると何の変哲もない住宅街なのに、突然深い世界の入り口があるかのような、というのは大袈裟かもしれない。そこでカメラを構えていたら、車で通りかかった人が私のほうを見て笑っていた。