万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

大阪市の区長全国公募―橋下独裁体制への布石?

2011年12月03日 15時55分43秒 | 日本政治
大阪市の全24区長、全国公募へ…橋下氏が方針(読売新聞) - goo ニュース
 大阪ダブル選挙で勝利を手にした橋下市長。独裁容認論者で知られてもいますが、大阪市の24区全ての市長を全国からの公募で選ぶ方針を公表したそうです。市長に、行政組織の人事を一変させる権限があることに驚くばかりなのですが、この試み、独裁体制への布石なのかもしれません。

 橋下氏の構想とは、区長を格上げして、市の施政や予算配分などに関する権限を持たせ、ゆくゆくは、区長を公選制にしたいそうです。つまり、民主化への第一歩と説明しているのですが、この説明には、どこか疑問が残るのです。何故ならば、民主化を目指すならば、全国からの公募ではなく、地元に密着している人物から選んだほうが相応しいからです。おそらく、全国から集まる応募者たちは、維新の会の賛同者なのでしょう。その中から市長が、市長権限?で区長を任命するとしますと、大阪24区は、すべて維新の会のカラーで染まることになります。選任された区長達が、橋下市長のイエスマンばかりとなるならば、まさに、橋下独裁体制の出現となります。

 橋下氏を指示した大阪市民の方々は、こうした展開を予想していたのでしょうか。見も知らない落下傘候補達が全国から集まり、全24区に区長として降下することを…。市の行政組織の腐敗は排除すべきことですが、こうした方法が適切であるとは思えないのです。

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コメント (2)
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