万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

侮れない”白物”の威力―日本企業にもチャンス

2011年12月28日 16時13分24秒 | 日本政治
 新興国の急激な発展を受けて、家電市場では、日本企業のシェアは、低下傾向が続いているようです。激しい追い上げを受けてはいるものの、安易な”白物”市場からの撤退は、考えものと思うのです。

 近年、日本の製造業の多くは、”白物市場”に見切りをつけてか、インフラをベースとしたシステムの売り込みに力を入れるようになりました。もちろん、こうした分野での市場開拓は、今後とも進めてゆくべきですが、”白物”には”白物”のメリットがあります。それは、生活を便利かつ快適にする製品には、必ず需要があり、普及後も、買い替えという消費行動を通して永久に需要が生み出されてゆくということです。また、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、テレビ…など、家電製品が多種多様にわたることも、その特徴の一つです。この点、日本企業には、省エネ技術、エコ技術、小型化技術、新素材…といった強みがあります。新興国のエネルギー事情が、未だに不安定、かつ、供給が不十分であることを考えますと、電力消費量が低く、かつ、壊れ難い家電は、先進国のみならず、新興国市場においても競争力を持つはずです。太陽光発電技術や蓄電技術なども、家電製品に組み込むことで、新たなコンセプトの家電として、消費者にアピールすることができるかもしれないのです。

 分散型の発電技術は、メガーソーラーといった電力供給よりも、案外、消費者向けに製品化されることで、そのメリットを発揮する可能性もあります。”白物”は、労働集約型の国に移動するという考えは、固定観念であるかもしれないのですから、全世界で渇望され、人々から歓迎される未来型の家電の開発に取り組むことも、一つの道ではないかと思うのです。

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コメント (2)
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