万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

金正日総書記死去―”北朝鮮の春”はくるのか

2011年12月19日 14時53分01秒 | アジア
金正日総書記が死去…北朝鮮メディアが報道(読売新聞) - goo ニュース
 本日、予期せぬ重大ニュースが、突然に、北朝鮮から飛び込んできました。世界一過酷とも評される北朝鮮の独裁体制を率いてきた人物であり、その突然の死は、東アジアの独裁体制の一角が崩れる可能性を秘めています。

 秘密主義を国是としてきた北朝鮮が、このニュースを隠さずに報じたことは、異例なことです。これまでの北朝鮮の行動パターンから推測しますと、一定の期間、その死を国民や海外には伏せ、後継者の体制固めが完了した時点で公表しそうなものです。それ故に、”暗殺説”も囁かれているのですが(病死ということにしたい…)、現地では、ひとまずは、平静を保っているそうです。その一方で、周辺諸国は警戒態勢を強化し、自暴自棄となった北朝鮮が軍事的冒険主義に走しらなぬよう牽制の構えを見せており、先行きは不透明です。しかしながら、独裁体制が最も動揺する時とは、当の独裁者が不在となったり、代替わりとなる時ですので、今が、北朝鮮の体制が崩壊しやすい時期であることは確かなことです。つまり、今が、体制移行の千載一遇のチャンスかもしれないのです。

 北朝鮮の新体制については、幾つものシナリオが想定されるのですが、最も望ましい体制は、自由で民主化された北朝鮮の誕生です。2011年には、相次いで”アラブの春”が訪れましたが、”北朝鮮の春”によって、今年は、締めくくられるのでしょうか。それとも、来年の2012年は、”北朝鮮の春”とともに始まるのでしょうか。それは、”北朝鮮人民”の行動にかかっていると思うのです。

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