万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

児童虐待の連鎖は遺伝子も原因しているかもしれない

2011年12月13日 15時50分26秒 | 社会
虐待防止へ親権の停止可能に 改正民法、12年4月施行(朝日新聞) - goo ニュース
 ここ数年、家庭内暴力や児童虐待について、世代間連鎖が指摘されています。虐待を受けて育った子供が成人して親となると、自らの子供をも虐待してしまうというのです。この問題、実は、遺伝子も関連しているかもしれないと思うのです。

 何カ月か前に、卵生産用に開発された鶏について解説する科学番組を見る機会がありました。鶏卵生産用の鶏が、毎日卵を生み続ける理由は、卵を抱いて温める遺伝子が欠損するように、品種改良されているからなそうです。あらゆる生物は、本能的に子育てをするものですが、この事例は、ある遺伝子が欠如しますと、子育てを自然に行うことができなくなることを示しています。人間も生物ですので、”子育て遺伝子”が、偶然に欠けてしまうこともあるかもしれません。そうなりますと、後天的に虐待や育児放棄を止めさせようとしても、無理があります。もちろん、この憶測が外れていることもありましょうし、遺伝子を調査してみなければ、証明できないことなのですが、遺伝子が原因である場合には、虐待対策も、これまでのような”親の再教育”では、難しいことになります。

 遺伝子のお話はデリケートなテーマなのですが、”子育て遺伝子”が欠けている場合には、本人が意識して虐待や子育てを放棄してるわけではなくなりますし、周囲もフォローはし易くなります。人間の心理は複雑ですので、遺伝子は、原因の一部に過ぎないかもしれませんが、この問題の解決には、遺伝学的なアプローチも必要なのかもしれないと思うのです。

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