風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き風景水彩画「多度大社の神馬」

2013-07-03 17:02:55 | アート・文化

 

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上げ馬神事や流鏑馬で知られる愛知県桑名市・多度大社の神馬です。上げ馬が駆け上がる急坂の脇の石段をのぼったところにある厩舎で迎えてくれます。

名前は「錦山=きんざん」。サラブレッドの雄、17歳。北海道浦河の牧場生まれの競走馬でしたが、5歳の時に足のけがで引退、多度大社にやってきて12年になります。人間なら還暦ぐらいの年齢になりました。

今でこそ白い馬ですが、もともとは芦毛(灰色がかった色)の馬。大社にきた時はたて髪も黒かったのですが、年をとるにつれて人間と同じように毛が白くなり、神馬らしくなってきたそうです。1日中厩舎にいるのも体に良くないので毎朝、境内を散歩しています。

多度大社には1500年前から白馬が棲み、農耕や安産、家族の幸せなど人々の祈りを神に届けてくれる、という白馬伝説があります。
錦山も街並みを見下ろす高台の厩舎で、地域住民の暮らしを見守り、訪れる人たちの願いをこの優しいまなざしで受け止めてくれているのでしょう。
参拝客の「まわれ」の声に、錦山は厩舎の中をひと回り。参拝客たちに笑みがこぼれました。<o:p></o:p>