風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「京都で堂本印象・竹内浩一の作品とホイッスラー展を鑑賞」

2014-09-22 21:36:33 | アート・文化

京都方面へ所用で出かけた合間を縫って、京都府立堂本印象美術館で堂本画伯の企画展を鑑賞。さらに、京都国立近代美術館で、日本美術の影響を受けた「ジャポニスム」の巨匠・ホイッスラーの作品展を見てきました。

《堂本印象と竹内浩一画伯》
日本画壇の巨匠・堂本印象(1891~1975)は、西陣織の図案描きから日本画家を志して京都市立絵画専門学校に進み、初出品作が第1回帝展に入選。寺院の襖絵を抽象画で描いたり、多くの後進を育て、文化勲章を受章するなど日本画界を率いてきました。
1966年、自作を展示する美術館を金閣寺や龍安寺に程近い現在地に、自らのユニークなデザインで設立。これが1991年に所蔵作品とともに京都府に寄贈されました。

        
   
        
            
現在開催中の企画展(10月5日まで)は「いのちのかがやき」。花や鳥、動物の日本画だけでなく水彩画や鉛筆画など、襖絵を含めて計51点が展示されており、さまざまな技法とテーマに挑んだ堂本印象の世界に浸ることができます。

館内では日本画家・竹内浩一さんの「私の写生」が同時開催中。竹内さんの作品は、今年2月に名古屋の松坂屋美術館で開催された「日本画の未来を追求していこう」という作家4人の「星星会」展(2月のブログで掲載)でも拝見しています。
「人に見せようとする気持ちもなく絵心のままに何でも描いてしまう」(竹内さん=展覧会のパンフから)というゾウやサル、ウサギ、ナマズ、カメなどを描いた優しさ、哀感、ペーソスを感じる「竹内ワールド」と再び出会えました。

《ホイッスラー展 》
京都国立近代美術館で開催しているホイッスラー展(11月16日まで)のジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834~1903)は、アメリカ出身でロンドン、パリを拠点に活動した画家。当時のヨーロッパの画家の多くが、浮世絵など日本美術の影響を受けたことはよく知られていますが、とりわけホイッスラーは日本の絵画だけでなく工芸品などにも興味を持ち、創作に取り組んだといわれています。

         

当時のヨーロッパ画壇の主流だった歴史や伝統を語る絵画を否定し、絵画そのものの表現力を大切にして色や形の調和を追求。他の画家たちにも、多大な影響を与えたとされ、題名にシンフォニーとかノクターンといった音楽用語を使ったことでも知られています。
会場には油彩画を中心に水彩画やエッチングの人物画や風景画、それに浮世絵などの参考作品が展示されています。