風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き水彩画・東山動物園の仲間たち「脱走なんかじゃないよ。遊びたかっただけさ、とマレーグマ君」

2015-05-10 07:35:37 | 日記・エッセイ・コラム

                        
        「下りてみたいなあ」。身を乗り出すマレーグマ君
        
      
  「何か楽しいことはないかなあ」。 園庭のあちらこちらを動き回っています

ニュースでご存じの方も多いと思いますが、先の子どもの日の5日、名古屋の東山動物園であった「マレーグマ脱走未遂事件」。騒ぎを起こした主役かどうかははっきりしませんが、マレーグマ3頭のうちの1頭を描いてみました。

マレーグマはマレー半島など東南アジアに生息。マレーではマレー語で「高いところに座るのが大好きな者」という意味の名前で呼ばれているとか。

おとなでも体長が100~150センチほどでクマ科の中では一番小さなクマですが、手の爪が鎌のように曲がっているのが特徴。この手と足を使った得意の木登りなど、動き回るのが好きなようです。

僕が東山動物園を訪れた時も、夜行性とは思えぬほど園庭をあちこち動き回っていました。
時には深い堀の底を淵の上から身を乗り出して「下りてみたいな。どう下りればいいのかなあ」と覗き込む様子も。
絵はその場面を描いたものです。大きな手で堀の縁を掴み、一見不自然に見える足の位置や向きでバランスをとっているようですが、見ていてハラハラしたほどです。

今回の脱走騒ぎは3歳のオスの「マーチン」君(体長約80センチ)が、高さ5メートルほどの飼育施設の壁をよじ登ったことから起きたようですが、壁には出っ張りがあちこちに。遊園地などで子どもたちの人気が高いクライミングウオールみたいです。

子どもの日で来訪者の大半が子どもたちとあって、マーチン君も格好のいいところを見せたかったのかもしれません。

動物園では壁面の出っ張りをなくすそうですが、マーチン君は「せっかく面白い遊びを見つけたのに」とがっかりするでしょうね。