ヨーロッパ便の機上から(本文と直接の関係はありません)
「お客様の中に、お医者様はいらっしゃいませんか」
こんな飛行機内のアナウンスで始まる2月28日付け日本経済新聞のコラム「春秋」を読んで、僕も数年前のヨーロッパツアー旅行でのひとコマが蘇りました。
帰国便の機内で、このアナウンスが流れたのです。客室にはちょっとした緊張が走りましたが、僕は「大丈夫。具合が悪くなった人はついているな」と思ったものです。
実はツアー仲間の中に、公立病院長を退職した記念旅行だという医師夫妻がいて、旅行中に何度か会話を交わしていたからです。
ご夫妻が客室乗務員に案内されて病人のいる席に向かいます。もう一人、別の通路から向かう姿も見えました。
「医者が3人もいる」。客室内は安堵感に包まれました。
コラムには日本航空の取り組みについても書かれていますが、後日このエピソードを日本航空の客室乗務員と話した機会に披露すると、彼女は言いました。
「搭乗前に、お客様の中にお医者様がいらっしゃることが分かると、私たちもホッとします」
飛行機の中ではありませんが、身内の結婚披露宴会場でのこと。幼児の1人が急に具合が悪くなりました。でも、参列者の中に超ベテランの小児科医がいたのです。
しばらくして小児科医と席に戻ってきた幼児は、何事もなかったかのように、はしゃぎ回っていました。