リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

ケルト人のはぐれ遺伝子があるかも

2015年03月17日 | 日々の風の吹くまま
セントパトリックスデイ。聖パトリックはアイルランドの守護聖人だけど、今日は肌や目の色、
宗教に関係なく1日だけ誰でもアイリッシュになって、ギネスで乾杯。もう何年も前だけど、イ
ギリスに行ったときにパブで「きりっと冷えた」ギネスを売っていたのでびっくりしたな。ギネ
スのようなスタウトは(エールもそうだけど)冷やしすぎると味がなくなってしまう(とワタシは
思う)んだけどな。霜が付きそうなくらい冷えたギネスなんかよせよぉ~と言いたいけど、舌
の好みは人それぞれだし、冷たい清涼飲料で育った世代には冷えているのがあたりまえな
のかもしれないな。

アイルランドには2度行った。ワタシが生まれ育った北海道に漠然と通じる雰囲気を感じて、
アイルランドは大好きなところ。アイルランド人には苦難の歴史に耐えて培って来た粘り強
さがある。それは原野開拓の厳しい労働の中で道産子が培ってきた粘り強さと共通すると
ころがあるし、だからアイルランドはまるで故郷に帰ったような気持になったんだと思う。特
に南西部ケリー州にあるディングル半島の霧に包まれた海岸線は道東、道北の霧深い風
景に良く似ていて、荒涼とした能取岬の断崖の際の光景がそっくりで、ああディングル半島
だ!と懐かしくなったくらいの親和感がある。

そのディングル半島でいちばん感動したのがガララス礼拝堂。日本では飛鳥時代から奈良
時代。石を積んだかまぼこ型の小さな礼拝堂の中に入ると、正面に一条の光が差す窓穴
があって、外には風化したケルト十字架。風の音、鳥のさえずり、耳を澄ますと遠くの絶壁
に打ち寄せる大西洋の荒波の音。自然の音だけの世界は息をするのが憚られるくらいだっ
たな。あそこに立ったら、キリスト教徒でなくても敬虔な気持になるんじゃないかと思う。もし
かしたら、ワタシにはかってケルト人が中央アジアからヨーロッパへ移動し始めたときに逆
の方向(東)に行った天の邪鬼なケルト人の「はぐれ遺伝子」のかけらが混じっているのか
もしれない。

引っ越し大作戦がすっかり終わって新しい生活が落ち着いたら、真っ先にニューヨークに遊
びに行く話をしていたけど、そのまま大西洋をひとっ飛びしてアイルランドにも行きたいね。
ガララス礼拝堂に行って、空と大地の間にひとり立ち尽くしているような、畏敬の念とでも言
うのか、あの魂を洗われるような雰囲気にまた浸りたいなあ。ま、今日は誰でも1日アイリッ
シュ。セントパトリックスデイにスロンチャ!