

雨は降っていません。
それどころか、薄日が射しています。
ただ、ここ2、3日、蒸し暑く、
まるで梅雨のような天気です。
そうそう、今日は、この夏初めて
「蛁蟟(ツクツクボウシ)」 の声を
聞きました。
そのように思い込んで聞くからか、
本当に 「つくつくぼうし・・」 と
鳴くのですね。
この蝉には、様々な伝説があると言います。その一つに・・。
旅の途中、病気で亡くなった筑紫の人の魂が、蝉になって、
「筑紫恋し、筑紫恋し・・」 と鳴いたとか。
蝉の声を言葉として捉えた、日本人ならではの発想ですね。

「ヘブンリー・ブルー」 です。
目の覚めるような青色と違って、
ほっとする優しい青。
さて先般、終わったオリンピックでは
久し振りにテレビに熱中しましたが、
最近では、ほとんどと言っていい程、
テレビを見なくなった私です。
昨日の夜の事、何気なく
テレビ欄を見ていましたら・・。
ふと、NHK 教育テレビ欄、
『京都大原・英国人ベニシアの
庭物語』 に、目が留まりました。
副題には、「生活にハーブを・コテージガーデンの魅力・貴族を捨て日本へ」
などの文字が並んでいます。思わず、興味をそそられました。
早速、この番組を見たのは、言うまでもありません。概要を述べますと・・。
彼女は、57歳。日本人の山岳カメラマンと1992年に結婚して、
京都大原で、築100年の古民家に暮らすようになったと言います。
勿論、庭は荒れ放題。家は、昔ながらのしっかりした造りの家。
梁と柱を生かして、自分達で、少しずつ、少しずつ・・手を加えて行ったと言います。
荒れた庭には、土を入れ替え、沢山のハーブや季節の花を植えました。
それは、かつて自分が住んだ、スペインやインド・・などにも、こだわり、
花壇に名前を付け、色別にするほどの熱の入れようです。
そんな彼女ですから、ハーブでお茶や料理は勿論の事、石鹸、シャンプー、
腐葉土、防虫剤なども全て手作り。それは徹底しています。
その合間には、野の花のスケッチに散歩に出掛け・・。
何だか、ターシャ・テューダを連想させますね。
注目は、その家。日本家屋なのに、実に英国的なのです。
これまで英国の家やその暮らしは、憧れを持って眺めて来ました。
数々の雑誌や、写真などから、“あんな風にしたい、こんな風にしたい・・”
~なんて。でも、どこかで諦めがありました。
ここは、英国ではない、石造りの家でもなければ、洋風でもないと・・。
でも、それはある種、逃げでもあったのでしょうね。
あの古い日本家屋が、見事に英国風なのですから。憧れの東屋も、あります。
庭にテーブルを置き、ハーブティーを飲んだり、食事をしたり・・。
友人達との団欒の場所にもなっています。
彼女は言います。ハーブを摘む時は、ハーブに向かって話しかけるのだと。
そこにいる妖精達が他所に移動出来るように・・。
「今からお茶を飲みたいのですが、切ってもいいですか?」
~そして、こうも言います。
“庭は、季節と一緒に生きている。
毎日の花や虫との出会いに感謝し、
それだけで胸が一杯で、満たされている。
花が咲き、虫が飛んでいるだけで、ハッピー。
生きているのが、いい気分。” と。
そして、やはり彼女もこんな風に・・。
「幸せは、自分の心の中に見つけるもの」 だとも。
素敵な1時間でした。