爽やかに晴れ渡った空となりました。まるで秋のようにカラッとして・・。
朝などは、ちょっと肌寒いくらい。
小鳥が啼き、鶯(ウグイス)は、より高らかに歌い・・。
まるで高原にでもいるようです。
“・・・空気は黄金の酒のように透明で、木の葉は若緑で、
地面は震える日光で出来た寄木細工のようであった。・・・”
【「アンの青春」 第13章】
さて、昨日はズラリと毒草を並べて、『アンの世界』 ならぬ、
『アガサ・クリスティーの世界』 に入り込んだ気分。
アガサ・クリスティーと聞けば、「イチイの樹⇒セージとオニオン⇒
ジキタリス(キツネの手袋)」 と、なぜか連動して浮かんで来ます。
ちょっと物騒な話ですが、殺人にハーブ(毒草)を使った事で有名です。
実は私も最近は、クリスティーは、とんとご無沙汰ですので、
それこそ、あっちの本棚、こっちの本棚と探しました。
前述の “水松の樹”。
この “水松(イチイ)の樹” には、“タキシン” という毒物が含まれているようです。
しかも実と葉の両方に。そして非常に劇毒なのだとか。
~彼女の著作、『ポケットにライ麦を』 より。
そして、“セージとオニオン”には、一瞬驚きますね。
“セージに毒草があったの・・? ” ~なんて。結局は、ジキタリスの葉なのですが・・。
その “ジキタリス”、別名は “狐の手袋(フォックス・グローブ)” とも。
パントリー夫人は、深呼吸をし、両手を握りしめた。 その顔は苦悩そのものだった。それから早口でぺらぺらと始めた。~・・・~ 「【死のハーブ】 で思い出したんですけど、私としては、 “セージ と オニオン” と呼びたいですね」 「セージ と オニオン?」 と、ロイド医師が聞いた。 パントリー夫人は頷いて、「それで事が起こったんです」 と説明した。 「アーサーと、クロッダーラム・コートのアンブローズ・バーシー卿の所に 滞在していた時の事なんです。 ある日セージと一緒に、“ジキタリスの葉” が、一杯間違って--- どうして、そんな間違いが起こったのか、と前から思っていたんですけれど・・ 摘まれて、その日の夕食の鴨の丸焼きの詰め物に使われて、 皆ひどく具合が悪くなって、アンブローズ卿が後見をなさっていた 娘さんが、可哀想に、そのせいで命を落としてしまったのです」 パントリー夫人はそこで話をやめた。 「まあ、まあ、なんて悲惨なの」 とミス・マープルが言った。 ~アガサ・クリスティー 『火曜クラブ「毒草」』 より |
ところで、昨日の幸田露伴が、
間違えて口にしそうになった野の花、
「タムシ草」(草の王)は、どうやら
こちらの花のようです。
カタバミに似た、こんなに可愛い
花が、毒草なのですね。
ただ、カタバミよりは大きいです。
露伴が口にしそうなのも、
分かる気がします。
しかしながら毒であっても、
疥癬(ひぜん)の虫を殺すのですから
水虫の薬などになりますね。
ここでも、毒と薬を思います。
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