『吟行』 吟詠しつゝ歩行、または旅行すること ―― 辞苑 ―― 雅子は、東京駅の横須賀線の歩廊で、 二等車の位置前の列の かなり後の方に立っていた。 電車は遅れていて、 まだ横須賀行きは姿も見せない。 雅子のすぐ前に立つ、お揃いに毛皮を 襟に付けた外套の姉妹連れらしいのの、 妹が姉に言ったりしている。 「お兄様がもうじき海軍少尉だなんて 嘘みたいで、おかしいわね」 (中略) 「そうよ。 でもどうせ海軍にお入りになるんだったら、 一高より初めから江田島へ入ってらしった 方が、良かったと思うわ」 【吉屋信子著 「花鳥」】 |
こちらは雲、一つない空となりました。快晴。
今日も冷たい朝ではありましたが、こんな空は陶器の青みにも似て。
又々、吉屋信子の言葉から。
これ以上の言葉を知らないものですから、仕方ありません。
ただ日中は随分、暖かくなりました。
さて、連日のように、
お伝えしている吉屋信子。
昨日の今日ですのに・・
再び穴蔵生活? に逆戻りです。
あれから 「花鳥」 を読み、
昨夜は・・いいえ、もう今朝ですね。
午前3時頃まで今度は、
「空の彼方へ」 を読んでいました。
一気に読了。
「花鳥」 は昭和22年、
「空の彼方へ」 に至っては、
ぐぐっと遡って昭和3年の作品です。
もう口癖になってしまいましたが、
女史の作品は文章が流れるように
美しいものですから、嫌味がなく、
す~~っと心の中に入って来ます。
魂まで・・と言っても
過言ではありません。決して大袈裟ではなく。
先ずは 「花鳥」 から。
作品が書かれたのは前述のように戦後すぐですが、
時代背景は戦時中になります。
そんな中でも俳句を詠み、疎開先なども元々別荘のある、
軽井沢や鎌倉など、経済的には恵まれた家庭が描かれています。
今日の引用文は、その小説の巻頭部分。
即座に時代背景が分かりますね。
それにしても主人公の雅子。
この名前は、「安宅家の人々」 に続いて2人目。
女史は、この名前がお好きだったのかも知れませんね。
現妃殿下のお名前もそうですが、優雅で素敵な名前ですものね。
本題に入ります。
「花鳥」というタイトルからも想像出来ますように、
花や鳥を謳った俳句小説です。
従って戦時中ながら日本の美しい四季が、
あちこちに散りばめられていて、それだけでも郷愁を誘われます。
いいえ、戦時中だからこそ、
変わらぬ四季に人々は心を揺すぶられるのかも知れません。
私達は丁度1年前に戦争ではないけれど、地震、津波という
未曽有の大災害で自然の怖さを嫌と言うほど思い知らされましたものね。
同時にその自然に感謝した事も多々あります。
この小説は、非日常的な戦争に美しい四季を織り交ぜながら、
これ又、美しい恋愛が描かれています。
それも片想い(純愛)の連鎖・・と言ったような。
どんな過酷な状況でも志と言いますか・・
精神性を高く持てば、こんなにも凛々しく生きられるのだというそんな作品。
そう言えば、「空の彼方へ」 は関東大震災が登場しています。
それにしても、これら本の凄さ。
およそ80年経った今でも古さを全く感じません。
長くなりました。次回に続きます。
☆きたあかり様
ご丁寧にメール、有り難うございました。
あれから返信させて頂いたのですが、
どういう訳か戻って参りました。
ご要望通り、ブックマーク、削除させて頂きました。
毎日のように更新されていた、北の国の美しい写真が
これから拝見出来ないのは残念ですが、仕方ありません。
こちらこそ、有り難うございました。どうぞ、お元気で!!
こちらこそ、ご無沙汰していました。
コメント、有り難うございます。
でも、空見さんのブログは、いつも拝見させて頂いております。
頑張っていらっしゃるのだな・・と大層、励みにも。
>昨日も一昨日もウロウロしておりました。
同じですね~!(笑)
きたあかりさんのブログは、毎日のように更新されていましたから、
私のPCがおかしいのかと思い、同じようにリンクされている方を周って。
>本当に残念ですが、感謝とこれまでの有り難さ、そればかりを思っています。
本当にそうですね~! 出会いと別れ・・
3月は別れの季節と言いますが・・辛いですね~!
でも、ブログからは卒業されたのだと思う事に致します~。
相変わらず美しい写真をいつもありがとうございます。
きたあかりさんのことを伺おうかどうしようかと、昨日も一昨日もウロウロしておりました。
今「お知らせ」を拝見して↑やっと少し安堵し、またきたあかりさんというブログ友の存在の大きかったことを感じております。本当に残念ですが、感謝とこれまでの有り難さ、そればかりを思っています。
なんですか取り乱したコメント、申し訳ございません(涙)