




11月 は東風と霧の陰気な月であった。 時には砂州の向こうの灰色の海を よぎったり、又は漂って来る冷たい霧の外 何もない日もあった。 身を震わせているポプラは 最後の葉を散らしてしまった。 庭は枯れ、色や個性は 一切なくなっていたが、 アスパラガスの床だけは今なお 美しい金のジャングルのようだった。 【「炉辺荘のアン」 第29章】 |

雲一つない空で明けた割には、午前中の空は11月らしいものに。
11月・・すかさず私の脳裏には勿論、『アンの世界』 の11月が。
とは言え、日本の11月は 『アンの世界』 の厳しさとは
比べようもありません。曇天の空も、いつの間にか青空に。
こうなりますと・・。すぐさま日溜りの暖かさの復活です。



そんな中ですが先日、
こんな手漉(すき)和紙の
レターセットを見つけました。
便箋(一筆箋含む)や
封筒には秋色の木の葉が
模(かたど)ってあります。
光に照らして見ると、
無数に折り重なった繊維が
見え隠れし、それは呼吸を
しているかのようにのびやか。
それでいて、これから
綴られる言葉をそっと待って
いるかのような奥床しさも。
和紙って日本の文化
そのものですものね。
ただ、需要は随分、
少なくなっているでしょうね。
和紙が大好きな私だって
こんなレターセットを
たまに求める程度ですもの。
そう言えば、昨年9月に訪れた 【津和野】 でも手漉き和紙店、
閉店の貼り紙を見ましたっけ。なぜか妙に心に残っています。
尤も、メール全盛とは言え、お店の売り場には
沢山の便箋や封筒が並び、活況を呈しています。
とても衰退しているようには見えません。
新たに手紙の魅力に目覚めた人、回帰した人も多いようですね。
手紙派の私にとっては嬉しい限りです。
兎にも角にも心と季節を届けるには手紙が一番。
それも日本人ならではの縦書きで、せいぜい書く事に致しましょう。
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