【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

映画 「ラフマニノフ<ある愛の調べ>」~白いライラックの伝説

2008-08-21 16:41:01 | 映画の香り

【ピアノ上の花は、「ライラック(リラ)」。ラフマニノフの大好きな花】


   明け方、思わぬ寒さに目覚めました。
  こんな感覚は、本当に久し振り。

   いつもの習慣で、思い切りカーテンを開け、
  空に目を遣ると一面の真珠色の空・・。

   朝のうちは、小雨もパラパラ。
  それでも、すぐに上がったのですが、
  今日は、あの暑さではありません。

   当然蝉も鳴かず、庭を賑わせてくれた
  小さな来客達も、今日はありません。
  こんなに爽やかな、お天気になりましたのに。

   こうなって来ますと・・。人間とは勝手なものですね。
  通り過ぎようとしている夏に、妙に懐かしさ・・郷愁さえ覚えてしまうのですから。
  例年以上に、「酷暑」 「猛暑」 「炎暑」 だった、この夏に・・。

   さて、昨日は以前、中央でやっていて、
  見逃してしまったロシア映画、
  「ラフマニノフ ある愛の調べ」 を観て来ました。

   遅れる事4ヶ月。
  どんなに、この日を待ち望んだ事でしょう。

   前回、観ようと決めていた、「レッドライン」 などは、
  散々迷った挙句、(面白くないという理由で)
   結局、観ませんでしたのに。

   ところが、こんな映画になりますと、
  さっさと観に行くのですから何をか言わんと、
  言った所でしょうね。

   映画は、当然の如く、
  ラフマニノフの生涯を描いたものです。

   ラフマニノフの名前は知っていても、
  モーツァルトやベートーベンのように、
  馴染みのある名前ではないでしょう。

   ラフマニノフと言って・・すぐ頭に思い浮かぶのは、
  「ピアノ協奏曲第2番」ではないでしょうか。

   この曲は、これまでも、映画、『逢いびき』(’45) を初めとして
  数々の映画音楽に取り入れられて来ました。

   例えば、『旅愁』(’50)。
  そして、エリザベス・テーラー主演の 『ラプソディー』(’54) や、
  ビリー・ワイルダー監督の 『七年目の浮気』(’55) 等など・・。
  枚挙にいとまがありません。

   ラフマニノフ(エフゲニー・ツィガノフ) は、ロシア革命を逃れて、アメリカに亡命。
  映画は、ロシア時代の回想を織り交ぜながら、作曲をしたいのに、
  生活のためにやむなく演奏活動を続ける・・。彼の心の葛藤を描きながら進みます。



   ところで、彼に絡む3人の女性の存在を忘れる事は出来ません。
  最初は、従妹で幼馴染のナターシャ(ヴィクトリア・トルストガノヴァ)。その後、結婚。
  ラフマニノフの複雑な心を知り尽くし、献身的なその姿には、胸を打たれます。

   次に、「交響曲第1番」 を捧げたとされる、運命の人、アンナ。
  年上のエキゾチックな美人です。(冒頭の写真の女性)
  (ラフマニノフが、最初にライラックの花束を贈ったのは、彼女です)

   3人目は、ピアノ教師を務めた女子校の生徒、マリアンナ(ミリアム・セホン)。
  革命を夢見ていた少女の魂と肉体の輝きは、彼の旋律を作り出す
  原動力となるのですが・・。無事、国外に逃亡出来たのは、彼女のお陰でした・・。

   そしてここでは、「ライラック」 が、重要な愛のモチーフとして、
  描かれています。

   夢にまで見る彼の故郷、田舎に咲くライラック。
  運命の女性に初めて捧げたのもライラックなら、いつの頃からか、
  演奏会には必ず白いライラックが、甘い香りと共に届けられ・・。

   その贈り主は、記憶の中の “あの人” か・・それとも・・一体誰なのか・・?
  最後に、その贈り主が分かると・・愛の美しい旋律が鳴り響く・・。

   それにしても、どうしても女性側から観てしまうせいか、
  切なくてたまらない映画でした。
  芸術に生きる人を愛する女性の苦悩・・。

     冒頭の写真と、すぐ上の写真。
  この2枚の写真は、見事に正反対の女性の心理を表わしているような気がします。
  全く対照的な二人の女性の姿。

   ピアノを弾いているラフマニノフに対し、
  絶対的に自分に自信のある女性と控え目で献身的な女性。
  冒頭の写真に比べ、下の写真は背中合わせにしか、心を伝えられない・・。

   写真でも分かりますように、1900年代初頭は、『アンの世界』 をも彷彿させ、
  ファッションやインテリアなど、とても興味を持って眺める事が出来ました。

   ミス・コーネリア や、リンド夫人 が、盛んにけなした、アメリカ。
  今より余程、華麗で豪華に見えます。
  それにしても、スーツ姿に、帽子の男性って、素敵です。



【全編に流れていた曲目】

※ラフマニノフ  「ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18」 「前奏曲嬰ハ短調Op.3-2」
          「前奏曲嬰ト短調Op.32=12」 「交響曲第1番ニ短調Op.13」
          「幻想小品集Op.3-1」 「ヴォカリーズOp.34-14」
          「パガニーニの主題による狂詩曲Op.43」
※スクリャービン 「練習曲Op.8-12」
※ショパン    「練習曲Op.25-9」

珠玉の日々~2周年を迎えて

2008-08-20 16:16:32 | リラのお気楽ユメ日記


   今朝は、“白い秋” という、
  何とも日本的で、情緒のある
  素敵な言葉が、ぴったりする・・
  爽やかな朝を迎える事が出来ました。

   昨夜も相変わらず、お月様は
  優しく美しい顔を覗かせていましたし、
  「リーン、リーン・・」 と鈴虫の奏でる演奏会も・・。

   それにしても鈴虫の別名が 、
  月鈴子げつれいし だなんて、驚きです。

   道理で、月から降りて来た
  鈴のように美しい声で鳴くのですね。
  そして小さな庭では・・。

   真っ赤な薔薇が月光に照らされて、
  高貴な微笑みを浮かべています。

   まさしく “月光に濡れた薔薇” なのです。
  こんな風に自分で記しながら、
  “何と素敵な言葉・・” ~なんて感心もし・・。

   「月夜の薔薇」 とは、私が持っているお香(薔薇の香り)
  の銘柄でもあるのですが、こんなロマンティックな名前を持つ、
  お香のファンである事は、言うまでもありません。

   「月から降りて来た鈴」 と 「月夜の薔薇」。
  奇しくも、この二つのロマンティックな二重奏(デュエット)に、
  昨夜は酔いしいれてしまいました。







 
   



   さて、前置きが長くなりました。
  冒頭の手紙に記しましたように、
  今日20日は、ブログを始めて丁度2周年になります。

   余程の事がない限り、毎日更新して来たつもりです。
  ただ、私は一般的に言う処の三日坊主が3年は続きます。

   「石の上にも3年」 と言いますが、
  普通は物事が3年も続きましたら、もう一生続く筈ですね。

   それが私の場合は、3年経過した頃から・・いとも簡単に、
  アッサリやめてしまうという傾向にあります。
  どんなに熱心にしていたとしても・・。

   それ故に何事も浅く広くなってしまい、
  身動き出来なくなっている私がいます。
  ともあれ、今日を境にその3年目に突入します。

   それもこれも、皆様の応援があっての事です。
  どうか、やめないように見守っていて下さいね。

   今後もやはり、アンのように
  感動と感謝の日々を持って暮したいと思うのです。

   “・・・年という首飾りにはめ込んだ宝石のように輝く日々を
  歓び迎え・・・再び人生という多彩な野外劇の一役を
  務めるようになるのだ。”
           【「炉辺荘のアン」 第28章】

   そして、この2年間は皆様に支えられ、
  素敵な2年間でした。本当にどうも有り難うございます。
  これからも、どうぞよろしくお願い致します。

キラッと輝く日・・

2008-08-19 16:00:02 | 趣味の器(壺)~その他


   今朝は、ほんのり桜色の
  空で明けました。

   何と優しい空なのでしょう。
  思わず見惚れてしまっていました。
  そう言えば昨夜のお月様。

   僅か一夜にして頭上高くなって
  しまい、お月様を眺めながら
  眠りに就くという、これ以上ない
  優雅なひと時は、あっけなく
  幕を閉じる羽目に。

   それでも、銀色の月明かりに包まれて、
  眠りに就く事が出来、ロマンティック気分は健在。
  ほっとしている私が? います。

   “・・・月は上り、既に辺りの景色に魔法を織り成していた。・・・
  窓の右手には、樺の若木が爪先立って、
  丘の上に顔を出そうとしていた。
  柔らかいビロードのような影が羊歯しだの間で動いていた。”

                                【「丘の上のジェーン」 第16章】






   


   “周りを見回せば、楽しい事が一杯あります。・・・・・
  生きているだけでも、何と幸せな事でしょう。”


   これはつい先頃、お亡くなりになった、ターシャ・テューダ の言葉です。
  彼女の憧れた生活様式は、19世紀。(1830年代)
  どうしても、『アンの世界』 と重なります。

   “人生は短いのだから、思う存分、楽しまなければ”
  ~と、これも彼女の言葉。

   それが信条ですから、祖父母の代から受け継いだ
  アンティークの食器を、しまい込まずに日常使いし、
  1830年代の貴重な古いドレスを普段着にしたと言います。

   こんな事なら真似出来る・・
  と取り出して来たのが、上の写真のお皿。

   アンティークでも何でもないけれど、
  叔母から貰った土物の大切な物です。かなりの厚みも。
  (残念ながら作家の名前は、聞いたのですが忘れてしまいました。)

   こんな物でも私にとっては、かなりの勇気が必要なのです。
  でも、しまい込んでいても、仕方ありませんものね。
  先ずは軽食から使ってみます。

涼を呼ぶ笑顔

2008-08-18 16:13:10 | 香る庭の花綴り


   今朝は、この夏、
  8月に入って初めてと言えるような、
  涼しい朝を迎えました。

   こうなると、良くしたもので、小さな
  庭には、蝶が、小鳥が・・千客万来。

   空も心なしか、
  高くなったような気がします。

   ところで、昨夜は空気も澄み、
  満月のお月様が、殊の外、
  美しく輝いていました。
  わざと少しだけカーテンを開け・・。

   その隙間から、ひょっこり笑顔のお月様が見え、一筋の銀色の光・・。
  そんなお月様を眺め、月の光を浴びながら眠りに就く事が出来るなんて・・。
  ちょっとした、お姫様気分? です。

  “アンは、自分の部屋にただ一人・・・・・窓辺に座り、
  夜の安らぎと月光に照らされた部屋の奇怪な美しさに、
  心を通わせて、しばし楽しんでいた。”
        
                                 【「炉辺荘のアン」 第35章」 第16章】

 


   さて、ここに来て、
  次から次へと咲いてくれる朝顔。

   やはり朝顔も、知らん振りでは
  咲きようがありませんものね。

   毎日、毎朝、気に留め、
  手をかければ花は、
  こぞって咲いてくれるようです。

   そうそう、夕方にしか咲かない、
   「白粉花」 が、
  今朝は咲いていました。
  
   涼しくなると、朝でも咲くのですよね。
  こうなると、暑かった夏も、もうそろそろ・・という気がします。

   「今年の夏は、終わる事なんてあるのかしら・・って、
  思った時もあったけれど・・季節は、巡るのね。」

  こんな アン の声が、どこからか聞こえて来そうです。

藍のある暮らし

2008-08-17 17:36:49 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編


   起床時は真珠色の空で明けました。その後、青空に戻ったのは、いつもの通りです。
  今日も、蝉の声が全く聞こえない、静かな朝になりました。
  先程、「スウィ~ッ、スウィ~ッ」 と、一声・・。

   昨夜と言っても、もう今日になりますが、眠る前、南の空に満月のお月様が、
  ひょっこり顔を覗かせていました。少しだけ開けたカーテンの隙間から丁度・・。

   「・・・月夜に眠るなんて、時間が勿体ないと、
  いつも考えているのですけれどね。・・・」
               
                                   【「炉辺荘のアン」 第1章】

   こんな風に言っているのは、勿論アンですが、私にはそこまでの気持ちはありません。
  お月様を眺めながら眠りに着く・・。
  一年に何度か、こんなロマンティックな瞬間に遭遇するだけで、私には十分です。

 


   さて、お盆休みも今日で終わりという方も、
  多い事と思います。

   今日は、約1ヵ月振りに、『カフェ「薔薇の詩
  (ポエム)」』 の開店? となりました。
  (前回は、【こちら】

   暑いので、少しでも涼しくと、
  大好きな「藍」 に、こだわってみました。

   「藍」 と言えば、「和」 ですね。
  カップも青い色を探しました。信楽焼です。

   そして、ティーベル代わりの土鈴は同じく、
  信楽の狸で。

   ちょっと趣味ではないのですが、
  縁起ものですので、お許しを。

   この夫婦の狸、チリン、チリンと、
  結構澄んだ音色を響かせています。
  
   手作りの藍の袋も添えて・・。
  「薫り高い珈琲をどうぞ!」





     お遊びで、【「ブログ通信簿」】 なるものを
    やってみました。

     年齢が若いのは、いいとしても、
    それにしても、12歳とは・・。

     でも、12歳に戻ってもう一度、
    人生をやり直すのもいいかも知れませんね。

     12歳は、戻り過ぎですので (受験は嫌)
    せめて大学時代位からならいいかも・・。

夏の顔の競演

2008-08-16 17:18:09 | 香る庭の花綴り


   今日の空は、起床時からカ~ッと太陽が・・。
  おまけに南の空には、入道雲が見えます。
  この夏の風物詩、今年ほど多く見た事は、ありません。

   そろそろ天気も下り坂・・との事ですが、今の所、その気配はありません。
  そうそう、今日は久し振り、蝉の声も耳にしました。とは言っても僅かな時間です。
  入道雲に比べると、この蝉、今年は随分少なくなったように思います。

   まだまだ夏の盛りの日本。
  いつも思うのですが、『アンの世界』 の夏は、随分、穏やかな夏のようです。

   “暖かい煙るような夏の午後だった。
  世界は咲き競う花で輝いていた。
  長閑のどかな谷間には、もやが一面に立ち込めていた。
  森の小径は影が射し、野は夏菊の花の紫で飾られていた。”

                                         【「アンの愛情」 第14章】

 


   今朝も、朝の挨拶は “朝の美人” こと、朝顔への 「おはよう!」 から。
  冒頭の写真は、花びらをバッタに食べられてしまった、
  (カマキリではありませんでした)「暁の海」 です。

   昨日、他所(よそ) に放したのですが、又やって来たようです。
  今日は、この通り、無残な姿になりました。

   その一方で、バッタと同様に花びらに入り込んだ蟻は、朝顔の花びらに、
  しっかり閉じ込められて、出るに出られず、もがいていましたっけ。

    朝顔の天敵がバッタなら、【蟻の天敵】 は朝顔や、ハイビスカスなのですね。
  蟻は、朝顔やハイビスカスのように、花びらを散らして終わる花ではなく、
  しっかり花びらを閉じてしまう花に、お手上げなのです。

   そんな中で、真っ白な朝顔が今朝は、涼やかに開花しました。
  そして黄色のハイビスカスは、又々、真っ直ぐ上を向きました。

   横を向いたハイビスカスもいいけれど、
  上を向いたそれは、清々しくて希望を貰えます。

   そして、こちらは昨夕の空です。
  こんな雲なら乗ってみたいですね。

   “すみれ色と灰色の
  混ざった夕闇が丘の上に
  訪れて来た。
 
   夏の夜のとばりが下りた・・
  びろうどと囁きの夜である。”

          【「炉辺荘のアン」 第37章】

幸せの1ページ

2008-08-15 15:13:40 | 香る庭の花綴り


   今日も昨日同様、
  真珠色の空で明けました。

   それでも、ゴミ出しの頃には、
  写真のように、
  青空も戻って来ていました。

   ただ天気予報によれば、大気の
  状態は相変わらず不安定とか。

   その為、いつ雨が降り出しても
  おかしくないとの事。

   その雨も、最近ではスコールの
  ような激しい雨なのですから、何をか言わん・・と言った所です。そう言えば・・。

   昨夜、休む前に見た、ほぼ真ん丸のお月様は、南西の空に笑っていました。
  それなのに、その銀色の光に照らされた雲は、やけに気味悪く思ったものです。

   そんな風に最近、妙に雲が気になる私。でも、次の文章でちょっぴり安心もし・・。
  100年前から気味の悪い雲・・って、あったのですものね。

   “外ではもみかえで越しに月光が銀の雨のように降り注いでいた。
  しかし北西の方には、気味の悪い雲の峰 が現れ出し、
  暑い夏の夜の静寂しじまを破って雷鳴が聞こえた。――
  ほとんど無風状態でありながら、時折そよ風と言うよりは、
  むしろ溜息に近いような風が不意に樹木を渡り、
  その影に怪奇な踊りを踊らせていた。・・・”
        
                                       【「エミリーはのぼる」 第2章】

 
【「暁の海」・「薩摩の紫(ゆかり)」】


   さて、こちらは、いかにも涼しそうな顔をしている
  朝顔です。今日は、バッチリ目を開けてくれました。

   ただ、ここにもカマキリが・・。
  花びらの真中に、緑色のカマキリがいるのが、
  ご覧、頂けるでしょうか。  

   このカマキリは、インウォールクラークの
  葉っぱを穴だらけにしたものです。
  この朝顔の葉っぱにも、
  どうやら穴を空けつつあるようです。

   植物の世界にも、色々あるものですね。
  でも、やっとこの朝顔に朝の挨拶をして、
  一日が始まる・・という、去年の習慣が、
  戻って来たような気がします。

   朝顔と共に一日が始まる・・。
  私の中の 「幸せの1ページ」 という訳です。

   ところで、テレビでは連日、オリンピックの熱戦が伝えられています。
  水泳、北島の二冠連覇も凄かったし、体操、内村選手の逆転銀メダルにも感動しました。

   様々な思いを乗せたオリンピックも、いよいよ佳境に入って来ましたね。
  更なる日本選手の活躍を、お祈りしています。

オレンジに染まった黄昏

2008-08-14 15:13:36 | 四季のスケッチ


   久し振りに
  真珠色の空で明けました。

   ここの所連日、朝からカッと太陽が
  照り付けていたのに比べれば、
  ちょっと一息といった所でしょうか。

   そうこうしているうちに、
  遠くでゴロゴロと雷が鳴り出し、
  雨も降り出して来ました。

   こうなると、この雨は
  神様の贈り物のようにも思え・・。

   とは言え、今ではすっかり
  これまで通りの空に戻ってしまいましたけれど。



   さて、写真は昨夕のものです。
  ふと見上げた南の空が、オレンジに染まっていて、思わず二階のベランダへ・・。
  そこには絵具を溶かしたような空が、広がっていました。

   そして、昼間の白い入道雲が、まるで炎のように燃えています。
  かと思うと、この17日が満月のお月様も、優しい顔を出し・・。

   つい2日前(11日)に見た、キノコ雲のような入道雲の、
  気味悪さこそありませんでしたが、なぜかドキドキ感。外に出てみました。

   偶々、私と同じアン好きの友達に出会い、「どこに行くの?」 と。
  「夕焼けを見に・・」 と私。彼女も一緒に着いて来ました。

   「何だか怖いような雲ね・・。」
  「ほんのり薔薇色の、ふわふわした雲だったら、いいけれど、
  こんなオレンジの入道雲には、乗りたいなんて思わないわね。」

   いい年をした女二人が、声高に喋っているものですから、
  通りがかった犬の散歩途中の男性は、不思議そうな顔をしています。

   合間には、「ウォルターが、ジェムが・・」 なんて、まるで自分の友達のように、
  名前が出て来るのですから、何事かと? 目を丸くするのも当然ですね。

   “その晩の虹の谷には、
  いつになく見事な夕焼けが、屋根のように覆っていた。
  気持ちの良い灰色の薄暮に微かに星が光り、
  やがて月が出るかと思えば、隠れたりしながら姿を現わし、
  こちらの小さな谷間や窪地を照らし出すかと思えば、
  彼方かなたの谷や窪地は、
  暗いビロードのような影が立ち込めるがままになっていた。”
    
                                       【「アンの娘リラ」 第14章】

   入道雲の炎は、ごめんですが、刹那の瞬間の空は、素敵なものでした。
  『アンの世界』 の 「すみれの谷」 にも負けていませんものね。

フリルになった“朝の美人”

2008-08-13 17:41:42 | 香る庭の花綴り


   今日も、
  カンカン照りの空で明けました。

   ただ昨夜半には、かなり強い雨が
  降り、庭の木々や草花は、
  雨露に濡れ、光っていました。

   そんな日の朝の庭は、
  キラキラ~ッと光って
  気持ちいいですね・・
 
   ~なんて、言いたい所ですが、
  朝から30℃に、到達しそうな気温では、
  そんな訳には行きません。

   どちらかと言えば、湯気が立ちそう? 
  そんな気配なんですものね。

   そう言えば・・蝉、朝から一度も鳴きません。
  この暑さに、すっかり気後れ? しているのかも知れませんね。

   それでも、午前中は、ひょっとしたら夕立ち? なんて思わせる雲も、
  写真のように出ていたのですが、今は、入道雲に変わっています。そう言えば・・。

   “鯖雲は 晴天 のしるしであり、
  馬の尾雲は が出るというしるしであった。
   朝焼けは の前兆であり、小ドナルドの丘の鬱蒼とした
  樅の木が、くっきり真近に見える時も雨の前触れであった。”
      
                                        【「丘の上のジェーン」 第21章】

 
【「暁の海」・「ヘブンリーブルー」】


   さて、この白の朝顔、
  咲いている事に全く、気付きませんでした。

   気付いたのが、とっくに日が高くなってから
  ですので、花びらがフリルになっているのは、
  仕方ありません。

   私とした事が、迂闊(うかつ)でした。
  他にも枯れて茶色になっているのが、2、3輪。
  
   ゼラニウムに隠れるように咲いていたのですね。
  早速、表に出したのは、言うまでもありません。

   それにしても、こんな大輪のものが、
  人知れず咲いていたなんて・・。

   そして、一休みしていた、
  「ヘブンリーブルー」 も、再び咲き始めました。
  
   でも、もう少し早起きしなければ、いけませんね。
  これだけ灼熱の太陽に、照らされれば、すぐに萎れてしまいます。反省です。

   “ジェーンは花に水をやるのが好きだった。
  大地が少し乾き、
  花が懇願するように項垂うなだれている時は、ことにそうだった。
  庭はジェーンに報いた。
  その人が触れば、ものが生長するというたぐいの人々がいるが、
  ジェーンもその一人であった。
  雑草は1本も顔を出す事を許されなかった。
   ジェーンは毎朝早く起きて草取りをした。
  日が海の上に射し出る時に目を覚ますのは素晴らしかった。・・・”
               
                                   【「丘の上のジェーン」 第17章】

   今日も、『赤毛のアン』 と同じ作者、モンゴメリーの作品から。
  この ジェーン も、アンと同様の性格。
  ジェーンをそのままアンに置き換えても、全然違和感はありません。
  私の中では、既に、アンもジェーンも一緒になっています。       

心の地平線

2008-08-12 16:43:49 | リラのお気楽ユメ日記


   昨日から又、猛暑に逆戻りです。
  (ずっと猛暑に違いないのですが、
  スコールのような夕立ちすら、
  ないという意味で)

   こんな灼熱の太陽の下(もと)では、
  何もする気がせず、
  朝からぐったり状態です。

   そう言えば、蝉も・・。
  今日はまだその声を聞いていません。

   今の時期一番暑さの似合う? 
  蝉が鳴かないと言うのも、
  ちょっぴり拍子抜け? なんて。

   そのせいか外は、昨日以上に暑そうです。
  空には、夏の風物詩、入道雲がもくもくと・・。

   それでも二、三日前から夜になると、
  「リーッ、リーッ・・」 と鳴く、虫の声を耳にするようになりました。

   まだまだ、こんなに暑いけれど、涼しげなその声を聞くと、
  秋も近いのだと思われ、ほっと心和みます。

   さて昨日は、顔も知らない遠縁の人が、
  アメリカから帰国したという事で、呼び出しがかかりました。

   この猛暑の中、2時間もかけて(電車と地下鉄を乗り継ぎ)出掛ける羽目に。
  おまけに、その遠縁の老夫婦は、イギリス人の女性まで連れて来ているのです。

   老夫婦も、日本を長い事離れているので、片言? の日本語ですし、疲れる事、
  この上ありません。アレッ!? 少々、愚痴っぽくなってしまいましたね。

【八かく庵「豆腐料理」】


   “砂丘、砂浜の銀の静寂しじまを吹き過ぎる風の音楽、
  青く晴れ渡った日の夕暮時、遥かに霞む岸辺の家々の日は、
  宝石を散りばめたように輝いていた。”

                                 【「丘の家のジェーン」 第22章】

   今日も、『赤毛のアン』 以外の著作から。
  これも、やはり P・エドワード島を描いています。

   そして冒頭の写真は、夕方、彼らと食事に出掛けた所で、撮ったもの。
  こうして見ると、都会の空も満更捨てたものではありませんね。

   そろそろ、お盆休みに入っている事もあるせいか、
  空気も澄んでいるような気がします。

   こんな淡い? すみれ色の空を見る事が出来ました。
  暮れようとしているのに、なかなか暮れない夏の空・・。

   ゆっくり降りて来る、そんな空を眺めながらの食事も、いいですね。
  ただちょっと料理は、私には物足りないものでしたが・・。
  そうそう、夜景が綺麗だった事も、付け加えて置きます。