だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

蜷川さんのギリシャ悲劇

2005-04-29 21:03:46 | 演劇
1999年に、渋谷のシアターコクーンの芸術監督に就任した蜷川幸雄さん。私の大好きな演出家です。いつの頃から作品を見てきたかは思い出せないのですが、たぶん1982年の「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」の頃かなと思います。

私が「シェークスピア劇」を好きになったのは、蜷川さんのおかげ。シェークスピア作品は難しいものと思い込んでいた私でしたが、蜷川さんの舞台と見て「それは違う!」と思ったのでした。蜷川さんの舞台は、見るものに直接訴えてくる強いメッセージがあります。

「マクベス」を日本の安土桃山時代に置き換え、舞台は仏壇となり死を暗示。役者は着物を着、桜吹雪の中で闘うという美しさ。
「ハムレット」は雛壇の舞台上で展開し、壇の木の節から漏れる光は下界(暗殺された父王=死)からの誘惑。王や王妃はまさに雛人形の装いなのです。

また、「テンペスト」は離れ小島の能舞台上で見せ、嵐(テンペスト)にのまれる日本の帆船、魔法を使うプロスペローや妖精たちの幻想的な美しさを見せていきます。

「真夏の夜の夢」に至っては、一面の砂を引きつめた舞台。オーベロンやタイテーニアは着物を着、花に包まれての別世界。パックはなんと京劇の役者さん! などなど…語りきれないほどの、魅力的な舞台を見せていただきました!

蜷川さんの舞台の、こうした演出を嫌う人もいます。でも私は大好き!誰がなんと言おうと面白いから!蜷川さんは当初、演劇関係者から酷評を受けていました。でも、1983年のギリシャ・ローマ公演などの海外公演で高い評価を受け、日本での評価も変って来たいきさつがあります。その作品が「王女メディア」でした。

何度か再演されてきたこの作品。最新作「メディア」は、キャストが大幅に変りました。メディアは大竹しのぶさん。イアソンは生瀬勝久さん。魅了的♪ 初演時は、平幹二郎さんのメディア、その他の出演者全員男性という画期的な作品でしたっけ~。大竹さんの演技は迫力あるし、ぜひ見たい!行かねば。
コメント
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