印象派はここから

カロリーヌ・シャンプティエ監督、マリーヌ・デルテルメがヒロインを演じた「画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密」（１２）は、１９世紀のフランスが舞台。

当時、上流階級の女性は働くなんてとんでもない。女性は結婚して家庭に入るもの…とされていた時代。ベルト・モリゾは、絵を描くことで自分を表現したいと願っていたのです。

まだ自分の作品が認められる以前、彼女は『オランピア』（１８６３年）を発表したエドゥアール・マネと出会います。やがてサロン（公募展）の規範に従わない、若い画家たちが登場。

カミーユ・ピサロ、エドガー・ドガ、アルフレッド・シスレー、ポール・セザンヌ、クロード・モネ、ピエール＝オーギュスト・ルノワール、アルマン・ギヨマン、そしてモリゾ。

第１回印象派展（１８７４年４月１５日～５月１５日）に出品した画家たちです。“印象派”の名前の由来は、クロード・モネの作品『印象、日の出』（１８７２年）なのは有名。

この作品を見た批評家が、作品の題名から軽蔑の念と悪意を込めて『印象主義の展覧会』と書いたのです。「画家モリゾ」にも、このエピソードが出てきます。

上野の東京都美術館に、この『印象、日の出』が展示されます。「モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで」は、１０代から晩年までの究極のモネを紹介する展覧会です。

なにしろ「モネ展」ですから、展示される作品はほとんどすべてモネ。７章からなる展覧会の主な作品には…『トゥルーヴィルの海辺にて』（１８７０年）、『エトルタの断庄、馬の脚』（１８３８年）

『雪の効果、日没』（１８７５年）、『オランだのチューリップ畑』（１８８６年）、『小舟』（１８８７年）、『睡蓮』（１９０３年、１９０７年、１９１７年他）『キスゲの花』（１９１４～１７年）

特別出展として、ド・ベリオ・コレクションから『印象、日の出』と、『ヨーロッパ橋、サン＝ラザール駅』（１８７７年）が展示されます。展示期間が違うので、よ～く調べてからぜひ！