先日、突然、
2階なのにパソコンを操る手元に
蟻が這っていたので
「ヘッ!?」
と驚いた。
よく見ると、机の上をゾロゾロと
行列が行進しているではないか。
最初のうちこそ
元生物教師でもあり、
一々摘んでは窓から
外に逃がしてやっていた。
ところが、次第にキリがなくなって
プリンターやキーボードの周りを
うろつき始めたので、
これでは電子機器に
故障が来たすやも
という恐れが出てきたので
「害虫」と認定して
駆除に方針を変更した。
まずは、じっくり蟻の出所を
追跡してみたら、なんと、
床が沈んだようで、壁との間に
数ミリの隙間が生じていた。
そこから、壁の内部を
蟻が外から上ってきて
ワンサカと大挙して
やってくるようだった。
そこで、楽器製作用の
木工ボンドで5メートルほどの
隙間を埋めた。
それでも、翌日、まだ
蟻がやってくるので、
ほんのわずかな隙間も
一々全部埋めた。
そして、侵入してきた蟻は
掃除機で吸い取ったり
アルコールの入っている
リセッシュで撃退した。
およそ、四日の攻防で
やっと姿が見えなくなって
一安心しているところだが、
この夏、いつまた
わずかの隙間から
やってくるやもしれない。
しかし、よくよく考えてみたら
ヒマな夏休みをずいぶんと
蟻と戯れていたとも
思えなくもなかった。
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魂理学随談
『あまちゃん』を語る
じぇじぇじぇ
奈保子 今、人気の連ドラ『あまちゃん』をサブカルのテキストとして、その魅力、現代性など、いろいろと分析してみたいと思うんですが、如何でしょうか。
先生 なるほど。今、視聴率のトップのようだから、現代人の心性の一端が解るかもしれませんな。
奈保子 まず、なんと言っても、人気のいちばんの要因は「じぇじぇじぇ」ですよね(笑)。
先生 せやね。今年の流行語大賞は、間違いないでしょう。
奈保子 語感が新鮮だったんでしょうか。
先生 いや。あの手の言葉はサカナ君の「ギョギョギョ」だって近いじゃないですか。
奈保子 あ、そうでしたね。「ゲゲゲ」っていうのもありましたね。
先生 『ゲゲゲの女房』も人気があったものね。
奈保子 ああいうオノマトペ的な表現というのは日本人は好きだし、わりとスラングのように広まることがありますね。
先生 こないだ、『クローズアップ現代』でも特集していましたが、日本人は言語表現よりも直裁的に理解可能なのでオノマトペ優位になるようですね。
奈保子 「すごく驚いた」というのを「じぇ」の回数で現すのと、言葉で一々説明するのでは、絶対に「じぇ」の方が心情的にピッタリきますよね。
先生 かつてなら「めっちゃビックリした~」とか言ってたんでしょうね。
奈保子 今なら、『じぇじぇじぇ』で事足りますものね(笑)。
先生 でも、若い子は連ドラなんて見いひんから、定着はしないんとちゃうかなぁ。
奈保子 そうですね。一過性の流行語で終るかもしれませんね。
先生 ただ、ドラマのなかでは、地方から集まってきた地元アイドルの卵たちも「じぇじぇじぇ」を使うでしょ。
奈保子 はい。
先生 ドラマの演出だけど、あれは面白い現象じゃないですか。それぞれが多様なお国言葉を語る少女たちが、驚きの表現だけは一人の方言に収斂されるでしょ。
奈保子 なるほど。そうですね。国柄の違う少女たちの心に納まるインパクトがあったということですね。
先生 それと、大人世代の鈴鹿ひろ美にも一時的に感染するでしょ。
奈保子 最初は「じょじょじょ」でしたけどね(笑)。
先生 そうそう。でも、スカウトだった水口には最初から感染しないよね。
奈保子 そういえば、そうですね。地元に潜入していたのに、なぜなんでしょう。
先生 きっと、彼のペルソナ(外的人格)が硬いからじゃないのかな。
奈保子 都会人として、スカウトマンとしてのですね。
先生 そう。その点、アキのペルソナは柔軟だからすぐに方言に染まったでしょ。
奈保子 あれは、愛する人たちと同化したいということなんでしょうね。それと、元々、東京人だったアキが、東京に戻っても方言に徹しているのは、やはり三陸を誇りに思い、そのアイデンティティを失いたくないからなんでしょうか。
先生 それもあるけど、それと、GMTの戦略方針と合致しているからでしょ。
奈保子 あ、そうですね。