『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

おにいちゃんのハナビ

2013-07-26 06:14:00 | 映画


BS録画を観た。

「妹が白血病で・・・」
という番組解説を見て、
いつものお涙頂戴パターンかと
高を括って観たが、
高良健吾の好演もあって
ボロ泣きしてしまった。

実話を元にした映画化という。

谷村美月という女優を
初めて覚えた。

剛力彩芽、岡本玲が
仲良し友達で登場したが、
最初、誰か判別できなかった。


*********


『あまちゃん』を語る

3.11以後…

奈保子。雑誌のインタヴューによりますと、作家のクドカンさんは、最終回までに3.11の惨事を描くそうです。被災者の立場としては、なんだか、見たいような見たくないような複雑な気分です。
先生。でも、「故郷編」「東京編」だけで終わったら、単なる面白かった人気ドラマのような気がしないでもないけど、3.11を入れ込んでドラマが成立したら、連ドラ史に残るエポック・メイキングなものになるかもしれませんよ。
奈保子。そうですね。アキが三陸の「希望の星」になる…というのも、ありですよね。
先生。ありだと思うな。
例えば、夏バッパとか愛する者の何人かが津波で亡くなって、アキは絶望の淵に立たされるんだけど、成功して頂点を極めたアイドル業を惜しげもなく捨てて、北三陸に戻り、海女カフェの若い子たちと一緒に「北の海女」の精神と伝統を引き継ぐところで「おわり」というのも感動的じゃないですか。
奈保子。それはいいですね。勝手に作っちゃいましたけど…(笑)。
先生。「これは、3.11以前の、平和な三陸の人情物語です」では、3.11被災者としては、なんだかウソくさくて物足りないですものね。毎朝、元気と明るさを提供してくれたのは評価できるけど。
奈保子。やはり、あのアキの目から見た3.11を見てみたいですね。
先生。そう。それから、K3NSPの「絆」が本物かどうかもね。
奈保子。そのとき、ユイはどうするか、ユイ・ママはどうするのか…興味あります。
先生。春子や大吉っつぁんもね。
奈保子。ついでに、勉さんの振る舞いも見たいです(笑)。
先生。北鉄最大のピンチを迎えるわけでしょ。死活問題のね…。
奈保子。アキは、東京で歌ったり踊ったりしている場合じゃないですよね。
先生。そうだね。種市君や安部ちゃんだって、「いざ鎌倉」でしょ。
奈保子。いつやるの? 「今でしょ!」ですよね。
先生。うまい!(笑)
奈保子。ユングが言ったように、「我われの元型に触れないものは、今日もてはやされても未来には残らない」ですよね。
先生。そうそう。アキやユイや春子の個人的な「死と再生」のドラマで終わったら、これまでの連ドラと変わりないですもんね。今も困難な仮設生活を強いられている人々や三陸や東北の「死と再生」をも描けたら、それは一級のドラマですよ。
奈保子。はたして、朝の国民的ドラマでそこまで描けるでしょうかね。
先生。う~ん。どうしても重たくなるでしょうから、そういう影の部分は見たくない人も出てくるかもしれませんね。
奈保子。でも、小説やドラマというフィクションだからこそ出来ると思うんですが…。アキの愛する母や祖母や仲間たちが死んだり行方不明者になったら、それこそ、どちらにも感情移入が出来ているわけですから、国民の紅涙を絞る伝説的ドラマになるんじゃないでしょうか。
先生。また、自分たちだけで、勝手に話を作ってるね(笑)。
奈保子。アハハハ。私たちも3.11の被災者ですから、許されるんじゃないですか。
先生。『純と愛』は、個人的な病気による悲劇的エンディングでしたけどね。
奈保子。3.11は東日本的な悲劇ですものね。


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風立ちぬ

2013-07-25 06:22:00 | 映画


久しぶりに映画館へ
足を運んできた。

フォーラムが
会員制じゃなくなったので、
これまで1.000円で観れていたのが、
通常料金の1.700円になってしまった。

宮崎アニメとして
初めて実在の人物を描いたものだが、
夢を多彩に描いて従来の
ファンタジー的な部分を描いていた。

宮崎監督お得意の
多彩な空想飛行機群は
一見の価値があったが、
ストーリー展開は退屈なものだった。


**************


『あまちゃん』を語る

運命の糸

奈保子。東京編では、荒巻と鈴鹿と春子の不思議な縁が語られるますね。
先生。はいはい。ちょっと出来過ぎ的な感はありますが…(笑)。
奈保子。まあ、ドラマですから。ドラマチックじゃないと…(笑)。
先生。鈴鹿ひろ美は超音痴で、抜群に歌唱力のあった春子が影武者をやるんでしょ。
奈保子。荒巻がそれを仲介したんですが、なんで、アキが天野春子の娘だ、と言ったときにあんなに動揺したんでしょうかね。
先生。推理してみると面白いかもよ。
奈保子。荒巻は無頼鮨で鈴鹿と会っていましたね。だから、今でもつながりがあると思うんですが…。
先生。鈴鹿は、アキが「岩手の天野」と分っていても、春子と同姓だとはピンときていな風いでしょ。
奈保子。とすると、鈴鹿と春子の間にはトラブルはなかったのかもしれませんね。
先生。だとしたら、荒巻が春子に酷い仕打ちをしたのかなぁ。
奈保子。何らかの裏切りがあったのかもしれませんね。
先生。あるいは、春子のデヴューの契約金を詐取したとか…(笑)。
奈保子。そうなると犯罪ですよね。
先生。だから、バレたかと思ってブルブル震えてた(笑)。
奈保子。今の地位がすべてパーになりますものね。
先生。春子が、わざわざアキに手紙で過去のことを知らせた、という形式ばったことには何か含みがあるようでしょ。
奈保子。はい。でも、事前に荒巻の事務所に世話になることは水口を通して知っていたわけですから、悪人だと思っていたらアキのことを預けたりはしませんでしたよね。
先生。ああ、そうだね。それとも、昔の貸しがあるから、アキのことをなんとかするだろう、と読んだのかしら。
奈保子。んー…。一応、喫茶「アイドル」に出入りしてて、春子のタレント志望のことを知っていて、尚且つ、鈴鹿の影武者として抜擢してくれたわけですから…。なぜ、あんなに震えたんでしょうね。
先生。けちょんけちょんに罵倒されたとか(笑)。
奈保子。あるいは、アキが荒巻との不倫の子だった…とか。
先生。それは、すごいね。たしかに震えるわ(笑)。突飛で面白いけど、でも、そこは朝ドラ的には避けたいんじゃないですか。
奈保子。そうですね(笑)。女性週刊誌になっちゃいますものね。
先生。鈴鹿と春子が荒巻をめぐって三角関係というのは、もっとないでしょ(笑)。
奈保子。それはありえないでしょうね(笑)。
先生。はたして、どんな謎解きになるか、楽しみですね。


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クールランニング

2013-07-24 05:52:00 | 映画


93年の古い映画で、
ジャマイカのボブスレーチームの話
ということだけは知っていたが、
観たことがなかった。

BSの録画をして観たが、
けっこう面白かった。

88年、カナダの
カルガリー・オリンピックでの
実話らしい。


*********


『あまちゃん』を語る

北三陸というトポス

先生。アキは、東京での学校不適応と両親の離婚、田舎への引越しという惨憺たるストレスを抱えていたけれど、北三陸の自然や海女たちに癒されるでしょ。
奈保子。なんといっても、北三陸の海の存在は大きいですよね。
先生。そうそう。フランス語のラ・メール(海)は母という意味もあるし、日本語の「海」という字にも「母」という字が入っているでしょ。
奈保子。なるほど。いわゆる地母神のような「大いなる母なるもの」というか、ユングの言ったポジティヴ・グレイトマザー(肯定的太母)のようなものが海にはあるんですね。
先生。すべての生物は海から進化してきましたからね。我われの体液がしょっぱいのも元は塩水だったからです。
奈保子。でも、このドラマが描かれているのは3.11以前の北三陸ですよね。その後に、未曾有の大災害がこの地を襲うわけですが、そんなことを考えていると、なんだか複雑な気分になります。
先生。原作者やテレビ局は、十分にそれを意識しているんじゃないかなぁ。
 北鉄は、今、部分的に復興しつつあるんでしょ。このドラマは現地の人を勇気付けることになるとは思いますよ。
奈保子。そうですよね。それと、全国の人に対しては、「リメンバー3.11」という隠れメッセージが秘められているかもしれませんね。
先生。そうだね。ドラマのリアルタイムに、果たして、3.11が描かれるのかどうかは分らないけど、それと、ドラマがクロスして、被災者への建設的な方向性が示されると重厚な物語になるでしょうね。
奈保子。さしずめ、アキとユイが苦難の末に東京で成功して全国的アイドルになって、3.11以後の故郷に錦を飾って勇気を与える、っていうパターンでしょうか。
先生。それだと、かなりステレオ・タイプだけど、水戸黄門的には納得いきますね(笑)。
奈保子。三陸地方は、これまでにも度重なる津波災害に遭って、そのたびに復興してきましたよね。このドラマを三陸に設定したのは、3.11を意識してのことは勿論ですが、今現在、沈滞している日本に、「復興」「復活」のシンボルとして描こうとしているのではないかと感じるんです。
先生。なるほど。そうかもしれないね。
 ただ、我われは、せっかく3.11を体験したのだから、バブル時代のような夢よもう一度、というのは間違った方向なので、行ってはいけないんですよ。
奈保子。人生に「量的な喜び」よりも、「質的な喜び」を尊びたいですね。
先生。そのとおり。それと、やはり「絆」ですね。我われは、独りでは生きていけないんです。共に世話になり、助け合ってこその社会的生物としての人の姿があるんです。
奈保子。『あまちゃん』にも実に大勢の人たちがアキを取り巻いていますものね。
先生。そうそう。それぞれ、一癖あるけど、魅力的ですよね。
奈保子。都会で問題になっている「孤独死」とか、「キレている」人間関係などへの問題提起でもありますね。
先生。ユイちゃんは、三陸の田舎的な「ツナがった」人間関係がウザくて都会を目指したわけだけど、アキは、都会の人間関係で「キラれ」て傷ついて田舎にやってくる。その対置が面白いですよね。
奈保子。ユイは、ユングの言ったネガティヴ・グレイトマザー(否定的太母)…つまり、鬼婆や魔女的な「捕まえて離さない」「取って喰う」「呑み込む」母的性質を持つ故郷を忌避して、「母殺し」をして脱出を図るわけですが、思うようになりませんね。
先生。アキとふたりで夜行バスで密かに家出をしようとしたら、そのバスが市内巡回バスで戻ってくる、という場面があったでしょ。
奈保子。はいはい。笑えるお約束のシーンでしたが…。
先生。でも、あれこそ、今言った、故郷が「呑み込む」母親であることを暗示していましたよね。
奈保子。なるほど。それは気がつきませんでした。



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火灯窓

2013-07-23 07:51:00 | 風景
一昨日の晩から
腹風邪になって
腹痛と悪心とだるさで
昨日は一日伏せっていた。

幸い、夏休みなので
一日中、大っぴらに
寝放題ができて、
今朝はどうにか快方した
感じである。




先日、常光寺の
紫陽花を撮ってきたが、
テレビを見ていたら
お寺の鐘楼型の窓のことを
「火灯窓」というのを知った。

ウィキで調べてみたら、
外枠が火炎形(火灯曲線)、
花形(花頭曲線)に造ったもの、
とのことだった。





『あまちゃん』を語る

アキとユイ

先生。ユイが、東京から正月帰省したアキにむかって、「アイドルなんかに憧れていた過去の自分はダサかった」と嘯くでしょ。
奈保子。でも、アキが「ダサいくらい我慢しろ!」って怒鳴りますね。
先生。うん。あれは名言でした(笑)。
奈保子。田舎者のユイが都会に憧れ、アイドル願望を持っていたことを、アキはダサいと思っていたんですものね。
先生。そう。都会生まれのアキは、自分が傷ついてきた所だから、都会なんてナンボのものだ、と思っていたしね。
奈保子。アキが、ユイと一緒に地元アイドル活動したことを「ダサくても、楽しかったんだから、それを否定しないでくれ」というのは、意味深だなと思いました。
先生。アキの基本的な人生観が出ていましたね。「今、ここで」全人的に生きることに、ダサいも何もないわけですよ。
それと、アキは、ことあるごとに「カッケー!」と言っていたでしょ。
奈保子。はい。あれは、ダサさの反対ですよね。
先生。それは、夏バッパや、ユイや、種市先輩の凛とした姿、男性性を感じた姿に感動したんで…。それと、「今、ここで」全人的に生きている姿ですね。それは、暗くて、ダサくて、自己表現できなかった自分にはなかった姿だからこそカッコよく映ったわけで、自分もそうありたい、と彼女は健気にガンバりはじめたわけでしょ。
奈保子。なるほど。

先生。アキはユイが現れなければ、悠々自適に田舎の少女として、海女として、そのアイデンティティに満足していたかもしれないでしょ。
奈保子。そうですね。それが、ユイの出現で、また、嫌だった東京にリベンジ的リターンするわけですから…。ある意味、ユイに命運を変えられたと言ってもいいですね。
先生。そうなんです。
奈保子。アキは三陸で自分らしさを見出して、再度、東京へ乗り込んでチャレンジするのは、彼女の言葉で言えば「カッケー!」ですよね。
先生。そう。訛ってはいるけどね…(笑)。カワイイ方のユイちゃんが、田舎で燻ぶってグダグダになっている方が、ダサいかもしれない。
奈保子。アキとユイが、それぞれに受けたトラウマは比較できないし、同質のものではないにせよ、アキは立ち向かっているでしょ。だからこそ、憧れの鈴鹿ひろ美に邂逅したり、選挙に残ったりと、着々と自らの道を切り開いていますよね。
先生。種市先輩をも恫喝して、目を覚まさせていますしね(笑)。「オラの初恋の人は、そんなに情けない人だったのか!」って(笑)。
奈保子。彼女の内的男性性を発揮していますよね。
先生。うん。きっと、三陸の海や海女クラブや故郷の人々に受け容れられ、愛されたからこそ、サイキック・エナジー(心的活力)が充填できたんですよ。
奈保子。そういえば、河合隼雄先生が
「十分に愛された者は自立できるが、十分に愛されなかった者は孤立する」
って、おっしゃってましたね。
先生。そうそう。だから、アキは自立すべく都会で闘えるようになったんだと思いますよ。


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からっぺた

2013-07-22 05:44:00 | 落語


図書館から
歌丸の『牡丹灯篭』を
借りて聴いてみたが、
これが、からっぺたで
ひどかった。

かつて、談志家元が
「歌丸と俺の独演会が同じ
3.000円というのは嫌だ」
と言っていたのを思い出した。

方や天才で名人である。

歌丸の落語は
登場人物に感情移入ができていなくて、
存在感もまったくない。

ちょうど、同業者にも
下手呼ばわりされていた彦六と
同じような素人芝居みたいな
話ぶりである。

これならば、俳優による
朗読のほうが遥かに
人物描写が巧い。

米丸門下で、口調の本寸法でない
新作から入ったが人間が、
古典や人情噺には不向きであることを
本人は気づかないのであろうか。

『笑点』での
解答者や司会者としては
面白みがあるのだが、
こと古典落語に関しては
からっぺたで嫌になる。


********

魂理学随談

プチぐれユイ

奈保子。ユイちゃんが、父親の介護、母親の失踪などのストレスで「プチぐれ」になっちゃいますね。
 自分を護ってくれていた父性性と母性性が突然崩壊してしまった混乱と心細さで押しつぶされそうになったんでしょうね。
 それと、自分の夢を叶えようとした直前に、度重なる不幸に見回れたわけですから、十代の子にはキツイことですよね。
先生。うん。いわゆる対象喪失の連続ですね。自我防衛機制としての反社会的なアクティング・アウト(行動化)なわけですよ。
奈保子。家出して半グレ風の男と同伴して現れたのは、ちょっとショックでした。なんだか、彼女のピュアなヴァージニティ(処女性)が穢れてしまったようで…。
先生。そうだね。アイドルというのは、崇拝対象の偶像という意味もあるからね。AKBでも、男性問題で頭を坊主にしちゃった子がいたでしょ。
奈保子。原家庭が崩壊すると、擬似家庭に救いを求めるようなことはよくありますよね。
先生。はいはい。その道を極めると「極道」になっちゃいます。たがら、あの社会では、親父とか、兄貴とか、叔父貴とか、舎弟…というように「家族用語」を使うでしょ(笑)。
奈保子。暴走族や半グレ集団なんかも、一種の擬似家族なのかもしれませんね。
先生。そうかもね。
奈保子。ユイの心情としては、自分を壊してしまいたい、という自傷感情に近いものがあったんでしょうね。
先生。そうだね。無意識下では「死と再生」のイニシェーション(通過儀礼)をやっているようだものね。
奈保子。そこで、元ツッパリでアイドルになり損ねたアキ・ママ(春子)の存在は大きいですね。
先生。大先輩だものね。彼女の言うことだけにユイが耳を貸したのは、さもありなんです。
それと、スナック「りあす」という再生のトポス(場)が重要な役割をしめているんですね。
奈保子。どのようにですか。
先生。都落ちしてきた失意の春子が、そこを通じて故郷に同化したり、母親と和解したり…と、いわゆる変容の器としての「母胎」であるわけなんです。
奈保子。なるほど。ですから、ユイも春子に促されて、本能的にそれを察知して、カウンター内に立つわけですね。
先生。そうそう。カウンター内で常連客たちと接することが、彼女の社会性を取り戻すためのリハビリなんですよ。


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