[11月1日14:15.天候:雨 東京都豊島区某所 日蓮正宗正証寺]
稲生:「こんにちはー!稲生でーす!」
稲生は玄関から本堂に向かった。
藤谷:「おーっ!稲生君、来てくれたか」
稲生:「班長、お疲れさまです」
藤谷:「うむうむ」
稲生:「今日は登山費用納めに来ました」
藤谷:「了解了解。それじゃ、登山部長の所に行こう。イリーナ先生はいないのかい?」
稲生:「外で待ってもらってます」
藤谷:「おいおい、それじゃ悪いよ。いいから、中に入ってもらって。しかも、こんな雨なのに……」
稲生:「謗法の人が入ったらマズいんじゃないですか?」
藤谷:「魔法は別に宗教じゃないんだから、謗法じゃないだろ」
稲生:「御住職は?」
藤谷:「法道院さんにお出かけ中」
稲生:「そうですか。じゃあ、ちょっと呼んで来ます」
藤谷:「部屋1つ空けておく。俺も新人を呼んで来るよ」
稲生は一旦外に出てイリーナとマリアを、藤谷は休憩室に鈴木を呼びに言った。
イリーナ:「ユウタ君が仏教徒で良かったよ。ここがキリスト教会だったら、飛んで火にいる夏の虫だからね」
稲生:「仏教では魔女狩りは致しませんよ」
稲生はキッパリ断言したが、日蓮正宗の場合、魔女狩りはしていないが、狸祭りは行っていた。
狸祭りって何かって?まあ、“顕正会『試練と忍従の歴史』”でも読んでくれ。
読めるものならな。
因みに、作者はしっかりそれを持っていたりする。
簡単に言えば、創価学会が折伏大行進とほぼ同時期に行っていた日蓮正宗僧侶吊るし上げのことだ。
この資料は昭和30年代の創価学会と宗門の関係を、妙信講という法華講の視点から見た貴重な資料である。
どうしても宗門僧侶や創価学会の立場だと、それぞれが主観的に自分達の正しさばかりを主張する為、公平性に欠けるが、この時はまだ顕正会が一法華講だった時の立場から見ているので、ある程度公平的な視点であると言える。
えっ?それでも宗門僧侶側寄りの意見じゃないのかって?ところが、狸祭り事件の部分の記事を読んでみるとそうでもない。
『御遺命守護の戦い』では一貫して創価学会に批判的な記事になり、宗門側に寄る内容となっているのとは大きく違う。
イリーナ:「でも折伏はするんでしょう?」
稲生:「無理にはしませんよ。うちの支部はね」
マリア:「私がどんなに祈っても助けてくれなかったイエスと比べれば、まだマシだ」
マリアが魔女になったきっかけが悪魔ベルフェゴールとの契約。
人間時代に受けていた壮絶な迫害に対し、当時信仰していたキリストに救いを求めたが、実際に救いの手を差し伸べて来たのは悪魔だった。
藤谷:「おっ、これはこれは先生方、おいでやす」
イリーナ:「Здравствуйте!」
マリア:「Hello.」
稲生:「お2人とも、『翻訳』切れてます」
イリーナ:「……何だか調子が悪いわね。マリアの水晶球が『3時の魔道師』に壊されてからずっとだね」
マリア:「急ごしらえの水晶球ですから」
藤谷:「先日は屋敷に泊めて頂き、ありがとうございました」
イリーナ:「ワイン、美味しかったよ。ありがとう」
藤谷:「へっへっ。あんなのでよろしければ、また御用意しますよ。じゃちょっと私、稲生君と話がありますんで、応接間にご案内致しやす」
鈴木:「班長。ゲームが得意な先輩って……ああっ!」
鈴木が奥から出て来た。
藤谷:「おっ、ちょうどいいや。稲生君、紹介するよ。彼が顕正会男子部から御受誡してきた元組長の……」
鈴木:「うああああああああああああっ!!」
突然、鈴木が奇声を上げた。
当然、びっくりする一同。
藤谷:「なっ、何だ!?どうした、鈴木君!?」
鈴木:「リア充が!お金でリア充の班長とは別に、女でリア充が本当にイターーーーーーーッ!!」
稲生:「女でリア充って、なに?ぼ、僕のこと!?」
鈴木:「しっ、しかも超美人の白人女性!両手に花キターーーーーーーーーーーッ!!」
マリア:「何だコイツ?少なくともこっちのロシア人はお年寄り……いでででっ!!」
イリーナはマリアの頬をつねった。
鈴木:「顕正会にはこんなの無かった!新しい功徳の幕開けですね!」
藤谷:「そ、そうだな……。あ、鈴木君ね」
稲生:「顕正会男子部第6隊元班長で、今は青年部藤谷班の稲生です。よろしく。……あ、でもこの外人さん達、法華講とは関係の無い人達ですよ」
鈴木:「……何ですと?」
稲生:「僕、魔法……あ、いや、その……とある特殊な技術を身に付ける為に住み込みの弟子をやっていまして、その先輩と先生です。もちろん住み込みの弟子といっても、別に謗法じゃないですよ」
藤谷:「まあ、相撲や噺家みたいに、親方や師匠に師事する為に、そこに住み込み弟子をやるみたいなもんだ」
稲生:「それに、御山や法道院さんみたいな大きなお寺に行けば、外国人信徒なんて珍しくもないよ。(アジア系ばっかりだけど)」
鈴木:「……よく分かりました」
キラーンと眼鏡を光らせる鈴木。
マリア:(何だか横田理事みたいにキモくていけ好かない男だ……)
鈴木:「稲生先輩、俺、ゲーム作りが趣味なんです」
稲生:「そうなの!?」
鈴木:「ちょうど今、試作品ができた所なので、良かったらテストプレイしてもらえませんか?」
稲生:「いいよいいよ」
藤谷:「良かったな、スーちゃん。仲間が見つかって」
イリーナ:「まあ、ヲタクっぽい所はユウタ君と似てるかねぇ……」
藤谷:「おっと、先生!いくら先生でも、スー……いや、鈴木君をそちらの弟子においそれと渡すわけにはいきませんぜ?」
イリーナ:「うん。悪いけど、素質無さそうだからいらなーい」
藤谷:「あっさりですな。……ま、とにかくお部屋にご案内致します。日本茶と日本菓子しか御用意できませんが……」
イリーナ:「グリーンティー(緑茶)とライスクラッカー(煎餅またはおかき)?久しぶりに食べるねぇ……」
藤谷はイリーナとマリアを応接間に案内した。
そして、稲生と鈴木は……。
鈴木:「そうそう、ここでバックステップ。……そうそう。……そう!……よし!よく倒した!」
稲生:「このボスの……ここの動きなんだけど、攻撃方法が単調過ぎる。これではただの作業になりがちだと思う。この辺は、もっと工夫できないの?」
鈴木:「あー、やっぱそこだよねぇ……。どうしたもんか……」
稲生:「例えば攻撃モーションのパターンを、あと1つくらい増やすというのはどう?そのモーションの時に近づくと、ボス側が実質的な無敵状態になるので、プレイヤー側としては即死または大ダメージのトラップになるという風な……」
鈴木:「それはいいね!あと容量がどれくらい残っているかにもよるけど、検討の価値ありだな!」
稲生:「じゃ、次のステージやらせてもらうよ」
鈴木:「どうぞどうぞ」
唱題そっちのけでゲームやってる不良信徒が2人。
でもまあ、御本尊も微笑ましく見てくれてるんじゃないの?
「おっ、何だか面白いことやってんなぁ……」
って。
稲生:「こんにちはー!稲生でーす!」
稲生は玄関から本堂に向かった。
藤谷:「おーっ!稲生君、来てくれたか」
稲生:「班長、お疲れさまです」
藤谷:「うむうむ」
稲生:「今日は登山費用納めに来ました」
藤谷:「了解了解。それじゃ、登山部長の所に行こう。イリーナ先生はいないのかい?」
稲生:「外で待ってもらってます」
藤谷:「おいおい、それじゃ悪いよ。いいから、中に入ってもらって。しかも、こんな雨なのに……」
稲生:「謗法の人が入ったらマズいんじゃないですか?」
藤谷:「魔法は別に宗教じゃないんだから、謗法じゃないだろ」
稲生:「御住職は?」
藤谷:「法道院さんにお出かけ中」
稲生:「そうですか。じゃあ、ちょっと呼んで来ます」
藤谷:「部屋1つ空けておく。俺も新人を呼んで来るよ」
稲生は一旦外に出てイリーナとマリアを、藤谷は休憩室に鈴木を呼びに言った。
イリーナ:「ユウタ君が仏教徒で良かったよ。ここがキリスト教会だったら、飛んで火にいる夏の虫だからね」
稲生:「仏教では魔女狩りは致しませんよ」
稲生はキッパリ断言したが、日蓮正宗の場合、魔女狩りはしていないが、狸祭りは行っていた。
狸祭りって何かって?まあ、“顕正会『試練と忍従の歴史』”でも読んでくれ。
読めるものならな。
因みに、作者はしっかりそれを持っていたりする。
簡単に言えば、創価学会が折伏大行進とほぼ同時期に行っていた日蓮正宗僧侶吊るし上げのことだ。
この資料は昭和30年代の創価学会と宗門の関係を、妙信講という法華講の視点から見た貴重な資料である。
どうしても宗門僧侶や創価学会の立場だと、それぞれが主観的に自分達の正しさばかりを主張する為、公平性に欠けるが、この時はまだ顕正会が一法華講だった時の立場から見ているので、ある程度公平的な視点であると言える。
えっ?それでも宗門僧侶側寄りの意見じゃないのかって?ところが、狸祭り事件の部分の記事を読んでみるとそうでもない。
『御遺命守護の戦い』では一貫して創価学会に批判的な記事になり、宗門側に寄る内容となっているのとは大きく違う。
イリーナ:「でも折伏はするんでしょう?」
稲生:「無理にはしませんよ。うちの支部はね」
マリア:「私がどんなに祈っても助けてくれなかったイエスと比べれば、まだマシだ」
マリアが魔女になったきっかけが悪魔ベルフェゴールとの契約。
人間時代に受けていた壮絶な迫害に対し、当時信仰していたキリストに救いを求めたが、実際に救いの手を差し伸べて来たのは悪魔だった。
藤谷:「おっ、これはこれは先生方、おいでやす」
イリーナ:「Здравствуйте!」
マリア:「Hello.」
稲生:「お2人とも、『翻訳』切れてます」
イリーナ:「……何だか調子が悪いわね。マリアの水晶球が『3時の魔道師』に壊されてからずっとだね」
マリア:「急ごしらえの水晶球ですから」
藤谷:「先日は屋敷に泊めて頂き、ありがとうございました」
イリーナ:「ワイン、美味しかったよ。ありがとう」
藤谷:「へっへっ。あんなのでよろしければ、また御用意しますよ。じゃちょっと私、稲生君と話がありますんで、応接間にご案内致しやす」
鈴木:「班長。ゲームが得意な先輩って……ああっ!」
鈴木が奥から出て来た。
藤谷:「おっ、ちょうどいいや。稲生君、紹介するよ。彼が顕正会男子部から御受誡してきた元組長の……」
鈴木:「うああああああああああああっ!!」
突然、鈴木が奇声を上げた。
当然、びっくりする一同。
藤谷:「なっ、何だ!?どうした、鈴木君!?」
鈴木:「リア充が!お金でリア充の班長とは別に、女でリア充が本当にイターーーーーーーッ!!」
稲生:「女でリア充って、なに?ぼ、僕のこと!?」
鈴木:「しっ、しかも超美人の白人女性!両手に花キターーーーーーーーーーーッ!!」
マリア:「何だコイツ?少なくともこっちのロシア人はお年寄り……いでででっ!!」
イリーナはマリアの頬をつねった。
鈴木:「顕正会にはこんなの無かった!新しい功徳の幕開けですね!」
藤谷:「そ、そうだな……。あ、鈴木君ね」
稲生:「顕正会男子部第6隊元班長で、今は青年部藤谷班の稲生です。よろしく。……あ、でもこの外人さん達、法華講とは関係の無い人達ですよ」
鈴木:「……何ですと?」
稲生:「僕、魔法……あ、いや、その……とある特殊な技術を身に付ける為に住み込みの弟子をやっていまして、その先輩と先生です。もちろん住み込みの弟子といっても、別に謗法じゃないですよ」
藤谷:「まあ、相撲や噺家みたいに、親方や師匠に師事する為に、そこに住み込み弟子をやるみたいなもんだ」
稲生:「それに、御山や法道院さんみたいな大きなお寺に行けば、外国人信徒なんて珍しくもないよ。(アジア系ばっかりだけど)」
鈴木:「……よく分かりました」
キラーンと眼鏡を光らせる鈴木。
マリア:(何だか横田理事みたいにキモくていけ好かない男だ……)
鈴木:「稲生先輩、俺、ゲーム作りが趣味なんです」
稲生:「そうなの!?」
鈴木:「ちょうど今、試作品ができた所なので、良かったらテストプレイしてもらえませんか?」
稲生:「いいよいいよ」
藤谷:「良かったな、スーちゃん。仲間が見つかって」
イリーナ:「まあ、ヲタクっぽい所はユウタ君と似てるかねぇ……」
藤谷:「おっと、先生!いくら先生でも、スー……いや、鈴木君をそちらの弟子においそれと渡すわけにはいきませんぜ?」
イリーナ:「うん。悪いけど、素質無さそうだからいらなーい」
藤谷:「あっさりですな。……ま、とにかくお部屋にご案内致します。日本茶と日本菓子しか御用意できませんが……」
イリーナ:「グリーンティー(緑茶)とライスクラッカー(煎餅またはおかき)?久しぶりに食べるねぇ……」
藤谷はイリーナとマリアを応接間に案内した。
そして、稲生と鈴木は……。
鈴木:「そうそう、ここでバックステップ。……そうそう。……そう!……よし!よく倒した!」
稲生:「このボスの……ここの動きなんだけど、攻撃方法が単調過ぎる。これではただの作業になりがちだと思う。この辺は、もっと工夫できないの?」
鈴木:「あー、やっぱそこだよねぇ……。どうしたもんか……」
稲生:「例えば攻撃モーションのパターンを、あと1つくらい増やすというのはどう?そのモーションの時に近づくと、ボス側が実質的な無敵状態になるので、プレイヤー側としては即死または大ダメージのトラップになるという風な……」
鈴木:「それはいいね!あと容量がどれくらい残っているかにもよるけど、検討の価値ありだな!」
稲生:「じゃ、次のステージやらせてもらうよ」
鈴木:「どうぞどうぞ」
唱題そっちのけでゲームやってる不良信徒が2人。
でもまあ、御本尊も微笑ましく見てくれてるんじゃないの?
「おっ、何だか面白いことやってんなぁ……」
って。