[11月4日?時刻不明 天候:不明 地獄界閻魔庁]
マリア:(何故……?どうして?こんなことになってしまったのか……?)
獄卒A:「フツーは秦広庁から来るはずの亡者が、どうしていきなり閻魔庁へ来るんだ!?」
獄卒B:「おい、どうする?物凄いイレギュラーだぞ?」
マリア:「だから私は亡者じゃない!ロッカーのドアを開けたら、いきなり吸い込まれたんだ!そっちこそ、どういう管理してるんだ!!」
人は臨終したらいきなり閻魔大王の裁きを受けるわけではない。
それにはまず、そもそも何で一周忌とか三回忌があるのかから理解しなければならないのだが、面倒臭いので諸事情により割愛する。
てか、日蓮正宗は、そもそも死後の裁きは10回ほどあって、閻魔大王は5回目の裁判官であるというトリビアを何故教えてくれないのか!
獄卒A:「しかも俺達、獄卒を見ても何にも驚いてないぞ?」
獄卒B:「こいつ、人間じゃないんじゃ……?」
マリア:「だから魔道師だって言ってんだろ!責任者出せ、責任者!」
獄卒A:「最近の亡者は獄卒にクレーム付けるヤツとかいるからなぁ……」
獄卒B:「くわばらくわばら」
マリア:「私をここに引きずり込んだヤツがいる!そいつを出せ!」
獄卒A:「はいはい。取りあえず、上役に聞いてくるからおとなしくしてろよ」
獄卒B:「どうだろう?衆合地獄の女獄卒の人手が不足しているから、そこに就いてもらうというのは?」
獄卒A:「そうだな。中途採用も10人募集して1人しか来ない有り様だからな」
マリア:「何で有効求人倍率が作者の警備会社並みなんだ、ここは?」
獄卒達が出て行ってしまった。
和風の取調室といった感じだ。
マリア:(ってか、獄卒ってどうやってなるんだよ?)
マリアは腕組みをして足を組んでいた。
尚、獄卒と聞くと各地獄においてパン一で亡者を痛めつける鬼達のことをイメージすると思うが、ここの獄卒達はちゃんと着物を着ている。
武器もベタな金棒だったり、一振りの刀だったりと様々だ。
マリア:(師匠もビックリしていたから、後で助けには来てくれるだろう……)
と、再び部屋のドアが開けられた。
獄卒A:「この女です、ハイ」
幹部獄卒:「……あ?」
マリア:「……あ?」
その幹部獄卒とは……。
マリア:「蓬莱山鬼之助!」
鬼之助:「……ユタんとこの魔女!」
マリア:「ヒトの名前忘れるとはいい度胸してるな?あぁ?」
鬼之助:「うるせぇ!もう1度名乗りやがれ!」
マリア:「ダンテ門流魔道師、イリーナ組ローマスターのマリアンナ・ベルフェゴール・スカーレットだ!」
鬼之助:「思い出した。ケンショーレンジャーに下剤飲まされてウ◯コちびらされたヤツ」
マリア:「何でオマエがそんなこと知ってるんだ!?」
獄卒A:「ほお。あのかわいい顔でス◯トロマニアですか〜……」
獄卒B:「人は見かけによらんものですなぁ……。これは是非とも等活地獄の屎泥処担当の獄卒に……」
マリア:「コロスぞ……!」
鬼之助:「ほお〜?ヒヨッ子魔女のテメェに何ができるのか聞かせてもらおうか?」
マリア、ローブの中から水晶球を出した。
マリア:「……あ、もしもし、江蓮ちゃん?マリアだけど、あなたの彼氏が凄く意地悪してきて大変なことになってるんだけど、私はどうしたらいいだろう?」
江蓮:「キノ、そこにいる?」
鬼之助:Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
江蓮:「キノ!出ろや、コラ!」
鬼之助:「は、はい!」
江蓮:「恩人のマリアンナ先生に無礼なことしたら、しばらく口聞かねー」
鬼之助:「…………」(←無言でムンクの叫びを上げている)
江蓮:「分かったら、マリアンナ先生に親切にしてやれよ?じゃな」
獄卒A:「なあ?ぶっちゃけ、栗原さんの方が獄卒に向いてるよな?」
獄卒B:「死んだら衆合地獄の獄卒になって、鬼之助様と一緒に働きたいなんて……健気じゃねーか、チクショーッ!鬼の目にも涙だぜ!」
鬼之助:「テメーラ、うるせぇっ!!」
獄卒A:「はぅっ!?」
獄卒B:「さ、サーセン!」
マリア:「どうする?別の意味で鬼の目に涙したくなかったら、私の話を聞け」
鬼之助:「ううっ……!」
と、そこへ……。
???:「何ですか?騒がしい」
また別の獄卒が入って来た。
獄卒A&B:「補佐官殿!」
獄卒達、ビシッと背筋を伸ばして『気をつけ』の姿勢になった。
補佐官:「声が法廷にまで聞こえてきますよ?」
鬼之助:「も、申し訳ありません……」
あの鬼之助も小さくなるほどだった。
鬼之助:「実はこの魔女が亡者になったくせに、いきなり閻魔庁にやってきやがったんです」
マリア:「だから私は死んでないって!」
補佐官:「あー、確かにあなたは魔道師さんですね。この日本の地獄界に来るべき方ではありません」
マリア:「でしょ?でしょ?早いとこ私を人間界に帰してくれ」
補佐官:「待ってください。問題は来るべきではないはずの方が、どうしてここに来てしまったのかです。鬼之助さん、その経緯は調査しましたか?」
鬼之助:「い、いえ、まだです……」
補佐官:「この地獄界は、ただでさえ亡者が大勢押し寄せて来ているので忙しいんです。何事もスピーディにやらなければなりません」
鬼之助:「へ、へぇ……」
補佐官:「身元引受人は?魔道師は縦横に繋がりがありますから、この閻魔庁まで直接来て頂ける方もいらっしゃるでしょう?」
マリア:「それならうちの師匠が来れるはずです!」
補佐官:「ならば、すぐに連絡を取ってください」
マリア:「はい。師匠!師匠!応答願います!」
鬼之助「相変わらず、無線通信みてーなやり方だなぁ……」
イリーナ:「あいよ。閻魔庁ね。今、向かってるよ」
マリア:「よろしくお願いします!」
稲生:「マリアさん、どうか御無事で!」
鬼之助「あぁ!?ユタも来んのかよ!?」
マリア:「ユウタは私の後輩だ。当たり前だろう?」
補佐官:「まあ、身元引受人は1人より2人、2人より3人の方がいいのですが……。とにかく、身元引受人が来られ次第、直ちに退去なさってください。尚、あなたを引きずり込んだ者につきましては、こちらで調査致します」
マリア:「私を亡者と間違えたのか!?」
補佐官:「可能性は高いです。問題は、どうして間違えたのかですが……。いずれにせよ、こちらの過失と判明次第、何らかのお詫びはさせて頂きますので、どうか穏便に……」
獄卒にしてはやたら冷静で知恵者といった感じの補佐官だ。
但し、こういう者ほど怒らせると怖いということはマリアも知っていた。
補佐官:「お迎えが来るまで、もう少し良い部屋を御用意させましょう。鬼之助さん、頼みます」
鬼之助:「へ、へいっ!……お前ら、行くぞ!」
鬼之助は部下の獄卒達を連れて、取調室を出て行った。
補佐官:「こんな感じでよろしいですかね?」
マリア:「ど、どうも……」
補佐官:「あれでも、生まれは叫喚地獄を総べる獄長の息子なのです。……が、この閻魔庁内における修行はまだまだ足りない所があるのは認めます。もしそれでも御不満と仰るのでしたら、後で叩き聞かせておきますので」
マリア:「いや……言い聞かせて頂ければいいです……」
マリアはやはりこの補佐官、侮りがたしと思った。
マリア:(何故……?どうして?こんなことになってしまったのか……?)
獄卒A:「フツーは秦広庁から来るはずの亡者が、どうしていきなり閻魔庁へ来るんだ!?」
獄卒B:「おい、どうする?物凄いイレギュラーだぞ?」
マリア:「だから私は亡者じゃない!ロッカーのドアを開けたら、いきなり吸い込まれたんだ!そっちこそ、どういう管理してるんだ!!」
人は臨終したらいきなり閻魔大王の裁きを受けるわけではない。
それにはまず、そもそも何で一周忌とか三回忌があるのかから理解しなければならないのだが、
てか、日蓮正宗は、そもそも死後の裁きは10回ほどあって、閻魔大王は5回目の裁判官であるというトリビアを何故教えてくれないのか!
獄卒A:「しかも俺達、獄卒を見ても何にも驚いてないぞ?」
獄卒B:「こいつ、人間じゃないんじゃ……?」
マリア:「だから魔道師だって言ってんだろ!責任者出せ、責任者!」
獄卒A:「最近の亡者は獄卒にクレーム付けるヤツとかいるからなぁ……」
獄卒B:「くわばらくわばら」
マリア:「私をここに引きずり込んだヤツがいる!そいつを出せ!」
獄卒A:「はいはい。取りあえず、上役に聞いてくるからおとなしくしてろよ」
獄卒B:「どうだろう?衆合地獄の女獄卒の人手が不足しているから、そこに就いてもらうというのは?」
獄卒A:「そうだな。中途採用も10人募集して1人しか来ない有り様だからな」
マリア:「何で有効求人倍率が作者の警備会社並みなんだ、ここは?」
獄卒達が出て行ってしまった。
和風の取調室といった感じだ。
マリア:(ってか、獄卒ってどうやってなるんだよ?)
マリアは腕組みをして足を組んでいた。
尚、獄卒と聞くと各地獄においてパン一で亡者を痛めつける鬼達のことをイメージすると思うが、ここの獄卒達はちゃんと着物を着ている。
武器もベタな金棒だったり、一振りの刀だったりと様々だ。
マリア:(師匠もビックリしていたから、後で助けには来てくれるだろう……)
と、再び部屋のドアが開けられた。
獄卒A:「この女です、ハイ」
幹部獄卒:「……あ?」
マリア:「……あ?」
その幹部獄卒とは……。
マリア:「蓬莱山鬼之助!」
鬼之助:「……ユタんとこの魔女!」
マリア:「ヒトの名前忘れるとはいい度胸してるな?あぁ?」
鬼之助:「うるせぇ!もう1度名乗りやがれ!」
マリア:「ダンテ門流魔道師、イリーナ組ローマスターのマリアンナ・ベルフェゴール・スカーレットだ!」
鬼之助:「思い出した。ケンショーレンジャーに下剤飲まされてウ◯コちびらされたヤツ」
マリア:「何でオマエがそんなこと知ってるんだ!?」
獄卒A:「ほお。あのかわいい顔でス◯トロマニアですか〜……」
獄卒B:「人は見かけによらんものですなぁ……。これは是非とも等活地獄の屎泥処担当の獄卒に……」
マリア:「コロスぞ……!」
鬼之助:「ほお〜?ヒヨッ子魔女のテメェに何ができるのか聞かせてもらおうか?」
マリア、ローブの中から水晶球を出した。
マリア:「……あ、もしもし、江蓮ちゃん?マリアだけど、あなたの彼氏が凄く意地悪してきて大変なことになってるんだけど、私はどうしたらいいだろう?」
江蓮:「キノ、そこにいる?」
鬼之助:Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
江蓮:「キノ!出ろや、コラ!」
鬼之助:「は、はい!」
江蓮:「恩人のマリアンナ先生に無礼なことしたら、しばらく口聞かねー」
鬼之助:「…………」(←無言でムンクの叫びを上げている)
江蓮:「分かったら、マリアンナ先生に親切にしてやれよ?じゃな」
獄卒A:「なあ?ぶっちゃけ、栗原さんの方が獄卒に向いてるよな?」
獄卒B:「死んだら衆合地獄の獄卒になって、鬼之助様と一緒に働きたいなんて……健気じゃねーか、チクショーッ!鬼の目にも涙だぜ!」
鬼之助:「テメーラ、うるせぇっ!!」
獄卒A:「はぅっ!?」
獄卒B:「さ、サーセン!」
マリア:「どうする?別の意味で鬼の目に涙したくなかったら、私の話を聞け」
鬼之助:「ううっ……!」
と、そこへ……。
???:「何ですか?騒がしい」
また別の獄卒が入って来た。
獄卒A&B:「補佐官殿!」
獄卒達、ビシッと背筋を伸ばして『気をつけ』の姿勢になった。
補佐官:「声が法廷にまで聞こえてきますよ?」
鬼之助:「も、申し訳ありません……」
あの鬼之助も小さくなるほどだった。
鬼之助:「実はこの魔女が亡者になったくせに、いきなり閻魔庁にやってきやがったんです」
マリア:「だから私は死んでないって!」
補佐官:「あー、確かにあなたは魔道師さんですね。この日本の地獄界に来るべき方ではありません」
マリア:「でしょ?でしょ?早いとこ私を人間界に帰してくれ」
補佐官:「待ってください。問題は来るべきではないはずの方が、どうしてここに来てしまったのかです。鬼之助さん、その経緯は調査しましたか?」
鬼之助:「い、いえ、まだです……」
補佐官:「この地獄界は、ただでさえ亡者が大勢押し寄せて来ているので忙しいんです。何事もスピーディにやらなければなりません」
鬼之助:「へ、へぇ……」
補佐官:「身元引受人は?魔道師は縦横に繋がりがありますから、この閻魔庁まで直接来て頂ける方もいらっしゃるでしょう?」
マリア:「それならうちの師匠が来れるはずです!」
補佐官:「ならば、すぐに連絡を取ってください」
マリア:「はい。師匠!師匠!応答願います!」
鬼之助「相変わらず、無線通信みてーなやり方だなぁ……」
イリーナ:「あいよ。閻魔庁ね。今、向かってるよ」
マリア:「よろしくお願いします!」
稲生:「マリアさん、どうか御無事で!」
鬼之助「あぁ!?ユタも来んのかよ!?」
マリア:「ユウタは私の後輩だ。当たり前だろう?」
補佐官:「まあ、身元引受人は1人より2人、2人より3人の方がいいのですが……。とにかく、身元引受人が来られ次第、直ちに退去なさってください。尚、あなたを引きずり込んだ者につきましては、こちらで調査致します」
マリア:「私を亡者と間違えたのか!?」
補佐官:「可能性は高いです。問題は、どうして間違えたのかですが……。いずれにせよ、こちらの過失と判明次第、何らかのお詫びはさせて頂きますので、どうか穏便に……」
獄卒にしてはやたら冷静で知恵者といった感じの補佐官だ。
但し、こういう者ほど怒らせると怖いということはマリアも知っていた。
補佐官:「お迎えが来るまで、もう少し良い部屋を御用意させましょう。鬼之助さん、頼みます」
鬼之助:「へ、へいっ!……お前ら、行くぞ!」
鬼之助は部下の獄卒達を連れて、取調室を出て行った。
補佐官:「こんな感じでよろしいですかね?」
マリア:「ど、どうも……」
補佐官:「あれでも、生まれは叫喚地獄を総べる獄長の息子なのです。……が、この閻魔庁内における修行はまだまだ足りない所があるのは認めます。もしそれでも御不満と仰るのでしたら、後で叩き聞かせておきますので」
マリア:「いや……言い聞かせて頂ければいいです……」
マリアはやはりこの補佐官、侮りがたしと思った。