町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

都電6086号車が久々に公開

2019年06月10日 | 東京都電

今年もまた東京都交通局の荒川電車営業所にて路面電車の日記念イベントが開催されました。今年は久しぶりに保存車両である6086号車が展示されるとのことで、短い時間ではありますが、出向いて来ました。

見ると幸せになる黄色い電車として、他事業者とのイベントなどにも起用された8810号車と並んで展示される6086号車。今年の開催日(69日)は生憎の不安定な空模様で、残念ながら車庫内での展示&撮影会になってしまいましたが、古巣へ奇跡の里帰りを果たした6086号車を間近で見れるだけでも至福のひとときです。

元々この6086号車は1976年の廃車後は個人の邸宅で保管されていたものですが、荒廃や維持に掛かる手間からあわや解体寸前になっていたところを鉄道博物館の学芸員であった岸由一郎氏の尽力により、2008年に荒川電車営業所への奇跡的な里帰りが実現したものでした。交通局は今後も末長く保存し活用して行くとの指針を示しています。

尚、里帰りに尽力した岸氏は同年614日に発生した岩手・宮城内陸地震で被災し、復元された6086号車を見ることなく35歳の若さでこの世を去ってしまいました。岸氏は車両研究の他、消滅した中小私鉄の資料・車両保存に精力的に取り組まれており、鉄道界に於いて余りにも大きな損失でした・・・。

会場の外の都電おもいで広場のPCCカー5500形は、車体の補修と再塗装を行なったのか色合いが変化していました。以前よりクリーム色の黄色味が強くなりましたが、現役時代もこんな色になっていた時期があるんでしょうか?

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板橋区交通公園の保存車(1)都電7508号車

2019年02月04日 | 東京都電

都電荒川線で比較的近年まで活躍が見られ、荒川車庫に隣接する都電おもいで広場に保存車が存在することで少数派の割に馴染み深い向きも多いと思われる都電の7500形ですが、今回紹介する板橋区交通公園にも都営バスのBU04と共に、7508号車が静態保存されています。

東武東上線の大山駅から歩いて約12分、団地と住宅に囲まれた公園の一角に同車は鎮座しています。1962年、都電の廃止に向けて計画が進む中登場した7500形は20両が製造され、この後の新型車は荒川線単独に移行してから1990年に登場する8500形まで途絶えることになり、かつて都内各地に路線を展開していた都電時代の最後の新型車両になりました。7508号車は1986年まで活躍しており、ワンマン化改造を受けている為ドア部分のステップを埋め込み、バックミラー設置を行っています。

行先方向幕は前後で異なっており、保存場所への入口側は荒川車庫行きで反対側は早稲田行きの表示でした。幕の手入れなどは一応されているようです。なお、板橋区内の都電の路線は、巣鴨車庫から志村橋に至る41系統志村線が存在しましたが、この7500形は新造時は渋谷区の青山車庫に配置され、同車庫が廃止されると7501〜7510号車は荒川車庫へ、7511〜7520号車は江東区の柳島車庫へそれぞれ転出しており、板橋区内を走行した実績はありませんでした。

木製の床と青モケットの座席が懐かしい車内。当然ですが冷房など無く首振り扇風機のみの設置です。よく見たら、一台は持ち去りにでも遭ったのか欠損していました・・・。片方の運転席仕切り部には本棚が設置され、図書室のようにも扱われています。

改造された運転席周り。中央付近にワンマン⇔ツーマンの切り替えや放送装置の設定を行うためのスイッチがあります。鍵付きで管理している為か、公園の保存車にしては幾分か部分が残されていますね。

定期的な手入れは行なわれていますが、車体には錆びが目立ち一部窓が破損した様子も見受けられたので、そろそろ再整備を期待したいですね・・・。

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都電おもいで広場に佇む保存車

2017年05月15日 | 東京都電

かつては都内を駆け巡った都電の仲間達も、路線の廃止・縮小に従って続々と廃車~解体の道を辿って行きました。そんな中でも処分を免れ現在でも各地に保存車両が数多くありますが、場所によっては余り状態のよくない車両も多数存在します。そんな中で荒川車庫の隣に開設された都電おもいで広場に据えられている強運な2両、5501号車と7504号車を久々に見て来ました。

現役時代は三田車庫に所属し、都電のスター的存在だったPCCカー5500形。東京都交通局の車両では初の全金属製車体でした。廃車後は上野公園で保存されながらも雨曝し状態で傷みが悪化し、1989年に荒川車庫内で修繕を行うもまた倉庫代わりにされ、吊り手なども売却されてしまうなど散々な扱いでしたが、都電おもいで広場にて保存されることが決定しました。車内は座席・吊り手は撤去され展示スペースになっています。

地味な存在の割に保存車両が多く残る7500形ですが、この7504号車は動態保存車のごとく原型に近いスタイルで大塚駅前~町屋駅前を通学時間帯のみ運転することから「学園号」の愛称が付いていました。朝7時に出庫し、9時半には入庫してしまう運用で尚且つ夏休みと沿線の学校の授業がある日のみ運行されるスタイルで、黄色に青帯・懐かしのビューゲル姿で都電全盛期を平成に伝える存在でもありました。

ドアステップこそ無くなりましたが、冷房の無い天井や板張りの床が何ともクラシックです。これが東京都区部を営業運転していたのですから驚きますね。同車は1998年より定期運用から離脱し、2001年で正式に廃車されています。

おまけに、展示車両よろしく2台並んでいた8900形。左の8908は1両のみの黄色い電車ですが、側面にラッピングが施されてしまい何色の車両なんだかよく分らなくなってしまっています。

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さよなら都電7000形7001号車

2017年04月30日 | 東京都電

本日30日で、1956年から活躍して来た都電7000形の7001号車が引退することとなりました。登場以来都電の主力車両として都内各所を駆け巡り荒川線1路線になった後も43年間に渡り活躍、実に61年もの間君臨しました。

大塚駅のガードを抜ける7001号車、前頭部にはローレル賞のプレートをモチーフにしたヘッドマークが掲げられています。この車両は元々7055号車で、1次車・2次車・3次車の内1955年末~1956年に製造された3次車に分類されます。登場から1972年11月まで柳島車庫に所属し、墨田・江東地区で活躍しましたが路線廃止に伴い経年の新しさから荒川車庫に転属の上運用を開始します。

荒川線に路線が改められた後の1978年より合理化のためワンマン運転を実施することが決定したため、前年の1977年からアルナ工機の新型車体へ更新を行い車両番号も7001-7031に揃えられ2代目7001号車として再スタートを切りました。

ホームの嵩上げ工事も行われ、路面電車には必ずあったドアステップが廃止されたことが評価され、1978年には更新改造車ながらローレル賞を受賞しています。1986年からは冷房化改造と集電装置をビューゲルからパンタグラフに換装する工事が行われ、現在の姿になります。ツーマン時代のカラーに復元されるのは2013年11月9日からで、この手のリバイバルカラーでは長期間の運用になりました。

新しい主役になった8800形と共に。7001号車の引退で、いよいよ残るは7022号車のみとなりました。

 

 

 

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荒川線に新風を吹き込んだ8800形

2017年04月15日 | 東京都電

直近に就役から10周年を迎えたレトロ調電車の9000形の事を記事にしましたが、今日は9000形が来るまでに練習がてら撮影した8800形を載せたいと思います。老朽化の進行していた7500形の置き換え目的に2009年4月26日より運用を開始した同形式、沿線に咲く薔薇をイメージしたローズレッドの装いで、それまで緑と白系統のカラーでほぼ統一されていた都電に新しいイメージを浸透させました。その後にバイオレット・オレンジ・イエローの3色が加わり、沿線に華を添えています。

ローズレッドの8805号車、8801-8805の5両がこの色で登場しました。写真は城北信用金庫の広告電車として運用されている姿ですが、花柄模様の広告が白を広く取った側面に非常によく似合っています。9000形同様、VVVFインバーター制御装置は東洋電機製のものを搭載しています。

バイオレットの8807号車、8806-8807の2両が在籍。ちなみにオレンジは8808-8809、イエローが8810号車ですが、この日はオレンジとイエローはお休み中でした。

2009年の荒川電車営業所公開時に撮影しました。8800形によって置き換えられた7500形です。写真の7511号車は、東京都交通局と南海グループとの共同キャンペーンで、阪堺電気軌道の昭和40年代当時のカラーになり2011年3月13日まで運用されました。現在荒川線には7510号車を改造した花電車の花100形のみが在籍します。

解体処分された車両から外されたパンタグラフが車庫内で展示されていたので撮影。小振りな路面電車のパンタとはいえ、屋根から外されると半端ではなく大きいのに圧倒されました。

 

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