東京モノレールは2014年度で開通50周年を迎えるにあたり、記念事業の一環として過去に活躍した車両の塗装と、1000形登場時塗装を復元し運用を開始しました。登場時塗装は1085Fが選ばれ2013年6月12日に、500形イメージの紅白塗装は1049Fで2014年1月19日にそれぞれ施工となり、その後記念行事の終了後も元の塗装に戻ることはなく定期運用が続き、登場時塗装は復活から今年で10周年、500形塗装も廃車予定が無ければ来年で10周年を迎えることになりました。10000形の増備が非常にスローペースなこともあり、今日に於いても懐かしい姿を目にすることが出来ます。
500形塗装の1049F。紅白の塗り分けで、どことなく沿線の東京タワーを思わせる配色です。なおイメージの元になった500形はモノレール車両では世界初のボギー構造の台車を備え、その後の跨座式モノレールの基礎にもなった画期的な車両でした。1969年に登場し、1991年までに1000形により置き換えられ引退しています。
1989〜2000年に見られた初代塗装。在来車が採用していた紅白の色使いは踏襲しつつ、窓周りを黒で仕上げ新型車らしいスマートな印象に仕上がりました。新ロゴマークが入ったので多少イメージは変わりましたが、東京モノレールといえばこの塗装のイメージが強い方も多いのではないでしょうか。
台車が収まる部分が室内側に出ている為、独特な雰囲気が漂う車内。座席の背もたれのカバーには以前は広告が入れられており旅行会社などが広告主でしたが、現在は東京モノレールの公式キャラクターであるモノルンのイラストが入っています。一部編成は混雑するドア付近のロング化やシートモケット交換も行われましたが、結局全編成には及びませんでした。
路線図式の車内案内表示器は、2019年からリニューアル編成以外も全て液晶式に交換され提供される情報量が大幅に増加し現代の水準になりました。写真は始発駅停車中に見られるロゴマークを表示している状態です。
現在も数を減らしつつリニューアルを受けた編成も在籍する1000形ですが、令和の今日では片開き式ドア、扉の無いキノコ型貫通路、加えて直角カルダン駆動方式など中々に珍しい機構を備えるなど、趣味的には非常に興味深い要素が満載です。いずれは置き換えが再開されると思われますが、もうしばらくは主力として活躍して欲しいですね。