町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

往年の京王線ハイキング特急 "陣馬"と"高尾"

2022年06月30日 | 京王電鉄(電車・バス)

かつての京王帝都電鉄では、休日のシーズンダイヤで「陣馬」「高尾」のヘッドマークを掲げた特急を運転していました。京王沿線の代表的な行楽地として知られる陣馬高原と高尾山へのハイキング登山客を運ぶことを目的としており、主に初代5000系が充当されていましたが、1980年代に入ると6000系もこの運用に就く姿が見られました。1992年以降は8000系の6両+4両により高幡不動で分割併合を行う京王八王子・高尾山口行きの特急が運転されるようになりますが、休日のヘッドマーク掲出はされなくなってしまいました。しかし、2007年の高尾線開通40周年を記念し80009000系に掲出し久方ぶりに復活、京王電鉄100周年を迎えた201342729日・536日に実施の高尾・陣馬スタンプハイクには700080009000の各形式に掲出され鉄道マニアを歓喜させました。本年2022年は80002編成に掲出される事になり、「陣馬」を8006Fに、「高尾」を8010Fにそれぞれ掲出し、429日〜630日の約2ヶ月に渡り運用され注目を集めました。

「高尾」マークの8010F。高尾線開通後の1967年から1992年まで運転され、当時は午前中の高尾山口行き下り特急に掲出していました。なお今回は陣馬・高尾共に運用上の区別は無く各停や相模原線運用にも入ります。東京都心からのアクセスが良好な為、人気を集めている高尾山ですが、20093月発行のミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三ツ星評価とされた影響もあり、近年は更に観光地としての地位が高まっています。

「陣馬」の8006F。こちらは京王八王子行きで、終点の京王八王子では陣馬高原下行きの西東京バスに接続(現在の陣馬高原下行きバスは霊園32系統として高尾駅発着)していました。なお、陣馬山は東京都八王子市・神奈川県相模原市との都県境に位置する山で、広々とした頂上から陣馬高原とも呼ばれており、1969年には観光地として売り出す為に京王自身により白馬の像が立てられています。

本来なら京王5000系による特急を掲載したいところですが、筆者の生まれる前のことなので富士急行の撮影会で元5000系改め1000系リバイバルカラーに取り付けられた姿を。車体塗装が京王時代のカラーなので当時の雰囲気は伝わるかと思います。

陣馬はヘッドマークの形状が異なりますが、8000系に掲出しているものは前面形状に合わせて新調したことによります。陣馬のヘッドマークはサイズ以外にもイラストの違いで、写真のものと合わせて少なくとも3種類のデザインが存在したようです。

久方ぶりに復活した往年の陣馬・高尾ですが、やはり大きなイラスト入りヘッドマークが掲出されると撮影するのも面白く、行楽地へ向かう非日常的な感覚がより強まります。本日30日で最終日ですが、今後もまた行楽シーズンの実施に期待したいですね。

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伊豆箱根鉄道カラーで活躍する西武鉄道新101系

2022年06月27日 | 西武鉄道

支線区で最後の活躍が続く新101系グループですが、2017年度で伊豆箱根鉄道創立100周年・西武多摩川線開業100周年の節目を迎えるに当たりコラボレーション企画を実施することになり、多摩川線所属車に新101系を譲り受けて改造した伊豆箱根鉄道1300系のカラーリングを施されました。現在でも車体のカラーは変更されておらず、短距離ながら赤電塗装やツートン旧塗装と合わせたカラフルな3種類の装いで運用が続いています。

ホワイトをベースにライオンズブルーと呼ばれるカラーリングに改められた1241編成。この塗装は12491261編成も纏っていたことがありますが、1249編成はツートンカラー(旧塗装)に変更、1261編成は廃車になり(クハ1262のみがL-train101として西武球場前の広場に保存)唯一の伊豆箱根鉄道カラーの編成となりました。

登場したばかりの頃は、幕板部に入る帯が側面行先表示を避けるように上部に施されていましたが、後になってから帯の位置が若干下げられ、1300系の塗り分けをより忠実に再現した格好に改められています。

こちらが伊豆箱根鉄道1300形。先述の通り新101系の譲渡車で、駿豆線では3両編成を組む必要がある事から4両編成と2両編成をベースにクモハ1300+モハ1400+クハ2200とし、32編成の計6両が伊豆箱根鉄道入りしました。なお1301編成は西武旧塗装に改められ、イエローパラダイストレインとされています。

車内設備は他の新101系ワンマン対応車と全く変わらず、白の化粧板に青系のバケットシートを組み合わせています。西武通勤車ではお馴染みだった3扉車ならではの長いシート配置もサステナ(西武鉄道に於ける他社からの譲受車)車両導入による置き換え発表で見納めになってしまいますね。

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夢を乗せて、ドラえもんが駆け抜ける! 〜西武鉄道30000系・DORAEMON-GO!〜

2022年06月21日 | 西武鉄道

今やすっかり日本を代表する漫画作品として浸透し幅広い世代から親しまれているドラえもんは2020年で連載開始から50周年という節目を迎えました。その記念企画の一環で西武鉄道では新宿線で運用されている3000038101編成をフルラッピングを施し車内もドラえもんの特別仕様とした「DORAEMONGO!」とすることを発表、同年108日から新宿線・拝島線系統で運用を開始しています。202110月〜12月には期間限定で池袋線系統でも運転され111314日には西武秩父まで入線しました。

丸味の強い先頭部をドラえもんの顔に見立て、車体は青でフルラッピングされた38101編成。側面ドアの内2箇所も顔を模したデザインになっています。運用初日となった2020108日には上石神井車両基地で報道陣向け公開セレモニーも実施されました。

西武鉄道の沿線にはアニメーション製作会社が点在していることから何かとアニメ・漫画とは縁が深いですが、この「DORAEMONGO!」もドラえもんのTVアニメを製作しているシンエイ動画が西東京市田無町に所在することから実現する運びとなりました。

車内設備。座席は四次元ポケットを背凭れにデザインしたブルーの座席と、どこでもドアをイメージした貫通扉、青系で統一された吊り手やキャラクターが描かれた注意喚起のドアステッカーなど賑やかで楽しい雰囲気を演出しています。

ドア上に設置されている車内案内表示は登場以来の15インチ液晶画面で変わりありませんが、ドラえもん仕様のマナー喚起ステッカーが貼られました。

現段階では終了時期などの発表は無く今後も継続されるようですが、少しでも長い期間の運転を続けて貰いたいですね。

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10両編成化推進の増備車両、都営新宿線10-300形5・6次車

2022年06月19日 | 首都圏の地下鉄

東京都交通局では、都営新宿線の混雑緩和の為に2010年度から列車の10両編成化を進めており、8両編成で製造された10-3001次車への中間車増結と、10-000形の置き換えも兼ねた3次車以降の10両固定編成の新造を実施して来ました。10-000(10-300R)形の置き換え完了後も依然として1次車による8両編成8本の64両が残存していましたが、2021年より全列車の10両編成化に際して、6次車10両編成を増備し1次車は順次廃車とする方針になりました。これにより主要機器は別物になっているものの、同一形式内での代替が発生する珍しい事例になっています。

20221月に落成した6次車の10-670F。基本的には5次車に準拠していますが、戸閉装置がスクリュー軸駆動方式からJR東日本E235系と同様のラック式に変更されており、開閉動作音が異なっている他、バリアフリー対策強化として開扉時の盲動鈴鳴動機能が追加され全車両にフリースペースが設置されました。

5次車の10-610F20162017年に掛けて増備されたグループですが、車両製造メーカーとの契約の関係で4次車と並行導入されました。この5次車からイメージチェンジの一環で車内の配色が変更されています。

5次車以降の車内設備。14次車の座席モケットは秋の紅葉や銀杏をイメージした黄色と緑の組み合わせでしたが、5次車からは新緑の季節を思わせる鮮やかな緑に変更され、手摺りも青色で滑り止め加工を施したものになりました。

車内案内表示は三菱電機セサミクロによる17インチワイド液晶画面で、10-520Fから採用された動画広告用画面「チカッ都ビジョン」を併設した2台構成が引き継がれています。

今後も6次車の増備は続き、残存している8両編成の廃車を順次進め2022年度中には全列車が10両編成化される見込みです。

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愛と夢とで、できた国への誘い~京王9000系30番台・サンリオキャラクターズラッピングトレイン~

2022年06月09日 | 京王電鉄(電車・バス)

京王電鉄では、2018104日に900030番台1編成をサンリオキャラクターズのフルラッピングトレインとして運転することを発表し、多摩市市制記念日並びにハローキティの誕生日でもある111日より京王線〜都営新宿線で運転を開始しました。この取り組みは、国内外の観光客にサンリオピューロランドがある多摩市への誘致を狙うべく京王電鉄・サンリオエンターテイメントと多摩市によるコラボレーションで実現した地域活性化プロジェクトです。運転開始日には京王多摩センター駅で記念セレモニーも実施され、大きな注目を集めました。

ラッピングトレインに抜擢された30番台の第1編成である9731F。運用範囲が広く、より多くの利用者にPR出来る為、都営新宿線直通対応編成が指定されたようです。京王とサンリオは何かとタイアップを行うことが多く1998年頃から2012年後半頃まで、ドアの注意喚起ステッカーにハローキティとその妹のミミィを起用していた事もありました。また2016年には京王多摩センター駅構内をピューロランド仕様に改装することに合わせて同年3月12日から8月31日まで9749Fにラッピング(この時は車体にリボンや京王の制服を来たキャラのイラストが貼られるに留まっていました)を施した事がありましたが、期限を定めないフルラッピングトレインは今回が初の事例です。

普段は橋本〜本八幡間の運用が中心で滅多に日中に調布以遠には来ない9731Fですが、直通専用に固定されているわけではないので時には京王線特急運用に就く姿も見られます。当初は先頭車にヘッドマークの掲出がありましたが、現在は外されました。なお、実現に当たっては東京都屋外広告物条例が壁になるところですが、キャラクターの占有面積を厳守し下地のピンクは「京王電鉄のカラー」としてクリアしているとのことです。

車内設備は前回記事にした後期車(9736F以降)と比較すると、貫通路幅が狭い他、車内案内表示がLEDスクロール式であること、手摺り形状やドア手掛けの位置も異なります。花とキャラクターのイラストが描かれたドアステッカーは9731Fだけの特別仕様で、運転開始からしばらくは広告物もサンリオ関連で統一されていた時期がありました。

9731F〜9735Fの5編成の車内案内表示器は京王線用8両編成と同様にLEDスクロール式で行先・次停車駅・開扉方向などを表示しており、都営新宿線内の表示にも対応しています。

首都圏での大手私鉄でキャラクター物のラッピング電車は珍しい存在ですが、これより約4ヶ月前には山陽新幹線で車体のラッピングは勿論大幅に車内を改装した列車が登場しました。今や「Kawaii」の代名詞として英語圏でも親しまれ日本を代表するキャラクターとしての地位を築いたハローキティですが、そのブランド力の強さを改めて感じさせられます。

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