東京都心部への直通を控え、SOTETSU DESIGN BRAND UP PROJECTの発足で9000系は第一編成の9701F(2020年廃車)を除いてYOKOHAMA NAVYBLUE化され活躍が続く一方、相鉄の主力車両であった8000系に対しては施工されず、その動向が注目されましたが2020年に入り8709Fに初めて施工されました。9000系に比べると工事内容が大分簡素化されており、初期車6編成が廃車になる中で残存する後期車に順次及ぶものと予想されましたが、意外にも2023年10月現在も他編成は2007年からの相鉄グループカラーで運用されており、8709Fは8000系列で唯一のYOKOHAMA NAVYBLUE編成として運用されています。
車体カラーと車両番号フォント変更の他、前照灯の移設と運行番号表示器と種別・行先表示器が一体型のフルカラーLED化され大幅に外観の印象が変わりました。なおこの編成はYOKOHAMA NAVYBLUE 化に先駆け2017年3月にVVVFインバーター制御装置・補助電源装置を更新しています。
現状他の編成はグループカラー塗装のまま前照灯移設と前述の種別・行先表示一体化、また自動放送装置新設が実施されたのみで運用が続いており、中途半端な装いですが工事内容の簡素化や他編成への波及の遅さを見るに予算面での折り合いが付かなくなっているのかも知れないですね。
9000系と比較して大分内容が簡素化された印象の車内。グレー系のカラースキームを採用してはいますが、淡いピンクの化粧板のドア部分はそのままの状態にされており、室内でやや浮いている印象が否めません。
セミクロスシート車両の車内。9000系で採用されたボックス席部分の大型仕切りとして革張りシート、また強化ガラス製妻面貫通扉も見送られ、ドア以外の化粧板とシートモケット交換の施工に留まっており予算を削った跡が窺えます。
ドア上の車内案内表示器も9000系は液晶画面に換装され全ドア設置に改められましたが、8000系は従来のLEDスクロール表示のまま存置されました。どうにも中途半端な状態に見えますが、これ程時間が掛かると直通車両との識別の意味でもう現状維持でも良いのでは…?という気がして来ます。