小田急電鉄では、沿線地域と共に持続的な成長の実現を掲げ2021年11月より「子育て応援ポリシー」の施策により小児ICカード運賃50円均一化や一般車両の3号車を子育て応援車両に指定し、子育て中の世帯に向けて沿線価値向上の取り組みを実施して来ました。その一環として、2023年8月23日にウサギをモチーフにした子育て応援マスコットキャラクターの「もころん」を登場させています。近年の鉄道事業者では地域PRなどでお馴染みになった、ゆるキャラのようなマスコットが登場していますが小田急もその流れに遂に加わったことになりました。2023年11月29日〜2024年度5月31日には5000形5055Fの両先頭車前頭部にラッピングを施しもころん号として運転されますが、想定以上に好評だったため2代目もころん号として2024年6月4日より車体をフルラッピングとして期間を定めない形で営業運転入りしています。
藤子・F・不二雄ミュージアムのオープン時に運転された小田急F-train以来となるラッピング仕様の2代目もころん号。1〜5号車がオレンジ基調の夕暮れの空、6〜10号車が青空と新宿側と小田原側でデザインが異なるのが特徴です。両先頭車の乗務員室には前回に続き制服姿のもころんの縫いぐるみが置かれました。
先述のF-trainは東京都の広告条例に抵触したことから早期の中止とデザイン変更を余儀なくされ、それ以降は全体を変更するようなラッピングは見られなくなりますが、同じく新宿を起点とする京王電鉄や西武鉄道ではフルラッピング編成が営業運転を行なっており、もころん号の登場で小田急も社内の方針が見直されたことを感じます。今回は自社キャラクターですが、いずれはラッピングによるリバイバルカラーやテーマパークとのタイアップによる編成も期待できるかも知れません。
車内も特別仕様とされ、ドアステッカーもこの編成だけのもころん仕様とされました(ドアステッカーは左右共通かと思いきや、もころんの目が開く方向を向いています)。中吊り広告も偶数号車は四角形、奇数号車は雲をイメージした形状で袖仕切り・乗務員室仕切りは外観同様に新宿側が青、小田原側がオレンジで統一されています。
撮影は全て一般車両ですが、3号車の子育て応援車両ではフリースペース部までラッピングされ貫通扉にも、もころんが顔を覗かせるようなデザインとされています。内外ともにラッピングされている小田急では珍しい存在ということで、見ても乗っても楽しい車両として長く親しまれそうですね。