町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

小田急5000形5055F・もころん号

2024年12月07日 | 小田急電鉄

小田急電鉄では、沿線地域と共に持続的な成長の実現を掲げ2021年11月より「子育て応援ポリシー」の施策により小児ICカード運賃50円均一化や一般車両の3号車を子育て応援車両に指定し、子育て中の世帯に向けて沿線価値向上の取り組みを実施して来ました。その一環として、2023年8月23日にウサギをモチーフにした子育て応援マスコットキャラクターの「もころん」を登場させています。近年の鉄道事業者では地域PRなどでお馴染みになった、ゆるキャラのようなマスコットが登場していますが小田急もその流れに遂に加わったことになりました。2023年11月29日〜2024年度5月31日には5000形5055Fの両先頭車前頭部にラッピングを施しもころん号として運転されますが、想定以上に好評だったため2代目もころん号として2024年6月4日より車体をフルラッピングとして期間を定めない形で営業運転入りしています。

藤子・F・不二雄ミュージアムのオープン時に運転された小田急F-train以来となるラッピング仕様の2代目もころん号。1〜5号車がオレンジ基調の夕暮れの空、6〜10号車が青空と新宿側と小田原側でデザインが異なるのが特徴です。両先頭車の乗務員室には前回に続き制服姿のもころんの縫いぐるみが置かれました。

先述のF-trainは東京都の広告条例に抵触したことから早期の中止とデザイン変更を余儀なくされ、それ以降は全体を変更するようなラッピングは見られなくなりますが、同じく新宿を起点とする京王電鉄や西武鉄道ではフルラッピング編成が営業運転を行なっており、もころん号の登場で小田急も社内の方針が見直されたことを感じます。今回は自社キャラクターですが、いずれはラッピングによるリバイバルカラーやテーマパークとのタイアップによる編成も期待できるかも知れません。

車内も特別仕様とされ、ドアステッカーもこの編成だけのもころん仕様とされました(ドアステッカーは左右共通かと思いきや、もころんの目が開く方向を向いています)。中吊り広告も偶数号車は四角形、奇数号車は雲をイメージした形状で袖仕切り・乗務員室仕切りは外観同様に新宿側が青、小田原側がオレンジで統一されています。

撮影は全て一般車両ですが、3号車の子育て応援車両ではフリースペース部までラッピングされ貫通扉にも、もころんが顔を覗かせるようなデザインとされています。内外ともにラッピングされている小田急では珍しい存在ということで、見ても乗っても楽しい車両として長く親しまれそうですね。

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小田急50000形VSE、18年に渡る活躍に終止符

2023年12月10日 | 小田急電鉄

ロマンスカー復権と箱根の魅力向上を掲げて登場し、小田急電鉄のイメージリーダーとして君臨した50000VSEが本日で運用を終了、引退となりました。2022311日で定期運用を終了し、その後はイベント列車や個人の貸切列車に充当されていましたが2023924日に第2編成が先に運用離脱、本日1210日で第1編成も運用を終了し2005319日の登場から数えて約189ヶ月という歴代のロマンスカーの中では最も短命な車両になってしまいました。

小田急トラベル主催のツアーとなる「ありがとうVSE!~Special Thanks Forever~」で最後の力走を見せる50000形VSE50001編成。ラストランは3回の行程で1回目が相模大野〜片瀬江ノ島〜喜多見検車区〜唐木田、2回目が唐木田〜新宿〜喜多見検車区〜大野検車区〜秦野、3回目が秦野〜海老名検車区〜箱根湯本〜成城学園前と、最後に相応しく全線を走破するものでした。

引退前日となる9日には海老名検車区構内で撮影会も開催され引退前に晴れ姿を披露しています。筆者は運良く午前中の会に参加することができ、完全順光下での編成写真を収められました。小田急沿線民でありながら、筆者はVSEに思い入れが少なく余り写真も手元にありませんでしたが引退直前の姿を記録出来たので悔いを残さずに済みホッとしています。

愛称であるVSEの由来にもなっているドーム型天井で開放感を持たせ、僅かに窓側に客席を傾け眺望に配慮した客室内。これまでにない車両を作るという思想から鉄道車両を手掛けたことがないデザイナーに依頼することになり、建築家の岡部憲明氏が起用されたのは有名な話ですが、外観のイメージは「全長が150mのオブジェ」としながら内装も観光列車らしい配慮が行き届いた傑作に仕上がりました。

普段は進行方向窓側を向いている座席ですが、横向きにして乗客同士歓談出来るようにしたラウンジ仕様の展望席スペース。団体臨時列車やイベント時でなければ見られない珍しい様子です。展望席はロマンスカーの最大のセールスポイントですが、VSEの引退により前面展望を楽しめるのは70000GSE2編成のみとなってしまいました。

展望席を備えたロマンスカーの減少もあり、気付けば登場時以上に人気を集めたVSEですがアルミ合金による車体に高度な技術が必要なことや国内の新造特急電車では最後となる連接構造、また車体傾斜制御などの特殊な機構が災いして早期の引退を迎えることになってしまいましたが、本来の観光特急としてのロマンスカーではこれ程完成度が高い車両はしばらく現れないのではないでしょうか。いずれはGSEの後に続く特急車の計画が浮上すると思いますが、その際にはVSEにも劣らない車両の登場を期待したいものです。

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6両編成単独専用になった小田急3000形リニューアル車(ドア交換編成)

2023年11月05日 | 小田急電鉄

小田急1000形の更新工事と未更新車の廃車が完了すると、次の対象は30003次車以降へと移ることになり、3次車の3265Fが最初の編成として202112月に運用離脱し大野工場へ入場しました。主なリニューアルの内容はVVVFインバーター制御装置、補助電源装置、電動空気圧縮機の更新と新宿寄り先頭車の自動分併装置撤去、加えて車内では側面ドア、座席の交換とLED表示器を17インチ液晶画面に換装、全車両に車椅子・ベビーカーのフリースペースの新設を実施しています。3265Fの後を追うように3266Fも入場しますが、こちらはドア交換を省略しており営業運転開始は3266F2023324日で、先に出場し試運転を繰り返していた3265Fは同月31日となり施工と復帰の順序が逆になりました。2023年度施工分は4次車3268F3267Fとなり、前者はドア交換省略の一方で後者はドア交換が実施されるなど、元々バリエーションが多かった3000形にまた新たな形態差が生まれました。

江ノ島線内運用に入る3267F。この編成は車内案内表示器がそれまでのLEDスクロール式から15インチ液晶画面1台設置に改められ、更に2015年には液晶画面を17インチの三菱電機セサミクロに換装する初の仕様でした。1000形を始め他形式との併結も頻繁に見られましたが、今回のリニューアルで自動分併装置が撤去され多摩線・江ノ島線・小田原線相模大野〜小田原間での運用に就いており都心方面へ姿を見せることは無くなりました。

一番最初に更新を受けながら出場後は試運転を繰り返し、2編成目の3266Fより後から営業運転入りした3265F。この編成は防音カバー試験車で後に全密閉式主電動機に換装された為、4000形に酷似した磁励音を発している特徴ある編成でした。写真は新宿寄り先頭車ですが自動分併装置撤去で小田原寄り先頭車同様のスカートに改められています。

リニューアル後の車内。ドアが5000形に類似した窓形状で手掛けが片側にのみ設置されるタイプになっているのが分かります。クッション性に乏しく評判が悪かった座席も交換され座り心地は改善されました。全車両に施工できないレベルで内容が複雑だった1000形の反省を踏まえているのかドア以外はイメージを大きく変えておらず、筆者はドア交換の話題を聞いた時にもしや5000形に近いカラースキームになるのでは?と思っていただけに期待外れな点です。

ドア上のお馴染み17インチ液晶画面。変わりないようですが、開閉時のチャイムが三菱電機汎用チャイムからオリジナルタイプに変更されています。また、元LED表示器搭載車は非常用ドアコックを座席下に設置する関係で鴨居部に蓋が無く、新たな形態差となりました。

1000形へのリニューアル施工完了から直ぐに3次車以降への施工になったことで、今後は機器が異なる12次車は現在のまま2000形などと同じように大規模修繕はせずに運用し廃車、編成も810両と6両、更に箱根登山線用4(うち8両固定編成予備2)に整理する方針が見えて来ましたが、平成の時代は頻繁に見られた異形式10両も見納めになろうとは、時代はすっかり変わったことを実感します。

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いつまで走れるか、小田急8000形

2022年10月16日 | 小田急電鉄

5000形の増備が進み、リニューアル工事の対象から外された1000形が消滅しましたが、導入当時1000形ワイドドア編成と共に順次代替されると思われた8000形は予想に反して界磁チョッパ制御のまま存置された82518255Fと踏切事故で大破した8264F63編成18輌が廃車されたのみで、VVVFインバーター制御化改造を受けた142両に関しては現在も主力車両として運用が続いています。初の営業運転開始は1983322日ですから、来年でいよいよ登場40年目を数える事になります。

2004年に更新工事を受けた8257F(後部48057F)。この編成から10両組成時に中間に入るクハ8250に搭載される96芯電気連結器の下段に36芯電気連結器を増設し、D-ATS-Pも新設され、他編成にも波及しています。また特筆すべき点として登場時の1984年から1987年までイベントカーに指定され、車体をホワイトとしレッド、イエロー、マルーンの3色を配するカラフルな装いで「ポケット号」の愛称が付けられていました。

1986年末に登場した8062F。リニューアルは比較的遅めの2012年で、同年124日に完了しています。車内設備・走行機器共に4000形で採用された仕様が反映されていますが、リニューアル後の4両は単独での運用が出来ない為、廃車開始の際は6両編成よりも先に処分される事もあり得そうですね。

過去にも載せていますが2006年度までに更新を受けた編成の車内設備。写真は2003年末に入場し、2004331VVVF化改造編成第一陣として出場した8254Fのデハ8204で撮影したものですが、修繕から18年が経過した今も劣化は見られません。

ドア上のLED表示器は30003次車初期編成と同一品となり、82518255Fに設置されたものと外観は同じですが、英語表示の書体が異なっています。

徹底したリニューアル工事で30004000形と同等の性能になりバリアフリー対応も問題無い事、普通鋼製車体ながらステンレスやアルミを内部に用いたおかげで、車体の劣化が少ないなどの理由で早期に置き換える必要性が薄く歴代の小田急通勤電車の中でも長寿命になっている8000形ですが、1000形未更新車が全廃された現在では一番動向が気になる形式です。車齢40年を超えるのら確実そうですが、どこまで活躍出来るか見ものですね。筆者個人としては東武の8000系よろしく50周年を迎えることを期待してしまうのですが

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リニューアル工事が始まった小田急3000形(3次車以降)

2022年10月01日 | 小田急電鉄

1000形のリニューアルが完了し、2022年からは3000形に着手する事が発表され6両編成の3265F3266F2編成が入場しました。工事内容は5000形に合わせる形でフリースペースの新設や機器更新が盛り込まれています。2022年度の設備投資計画では6両編成3本に施工する事が明らかにされていますが、既に登場から20年以上経過した12次車ではなく経年が浅い3次車が入場したことから、今後は機器構成が異なる12次車と3次車8両編成は大規模リニューアルを行わず新型車で代替廃車、3次車以降の6両・10両編成が順次施工され長期使用になるものと思われます。

多摩線運用に就く3267F6両編成は新宿側に10004両編成を併結し10両編成を組成する為、物々しい電連が目立ちますが現在入場中の3265Fでは撤去されスカートも交換されている様子が目撃されており、リニューアル後は6両単独で小田原線の成城学園前〜小田原間と江ノ島線・多摩線運用に限定されるようです。(何本かは予備的に併結対応のまま残るかも知れません)

8両編成に中間車を組み込んで10両固定編成化された3085F。この編成は元3664Fで、デハ3432+サハ3382を新造し12号車間に組み込みました。この為中間車2両は最新世代ですが、他の8両は2006年新製の為、リニューアルの対象に選ばれてもそれ程おかしくない時期に来ています。現在入場中の編成が一段落した後は10両固定編成が選ばれるかも知れないですね。

基本的には2次車で確立した車内を踏襲していますが、それ程経年劣化はしていない車内。1000形ほど大規模ではない、とはいえリニューアルという事で座席や化粧板、床材の更新も施工されるのでどのような内装になるのか楽しみです。

リニューアル計画が浮上する前から換装が進んでいた17インチ液晶画面による車内案内表示器。3次車の一部には1次車からのLEDスクロール式を踏襲している編成もありますが、ゆくゆくは統一されそうですね。

 

 

 

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