昨日の記事の続きになりますが、館内の保存車両と運転シミュレーターも久々にじっくり観察して来ました。館内はリニューアルされても、保存車両は大きな変化は見られませんでした。
この施設では毎度お馴染み、かつての東急玉川線で活躍したデハ200形204号車。1955年に登場し、わずか6編成の製造で1969年の玉川線廃止と運命を共にして比較的短期の活躍に終わっていますが、玉電といえばこの車両を真っ先に思い浮かべる人もいるほど親しまれた車両でした。まだまだ木造車も残る中で、一際目を引く下膨れの超軽量車体にステップレス化された車内、電停での乗り降りの際にドアの開閉と連動する可動ステップや扇風機すら珍しかった時代に強力なファンデリアを搭載するなど、愛嬌たっぷりな容姿に先進的機構満載で登場した当時はいかに衝撃的だったかが窺えます。現代のLRTに通じる思想もあり、生まれる時代を間違えてしまったようですね。
8090系の運転体験シミュレーターも変化は見られませんが、新たに予約券の発券機が新設されました。車体強度を考慮していない事以外は旅客営業用の車両と同じ造りで、独立化改造を受けていない正面窓や英語表記のない行先表示などが登場当時の端正な姿を今に伝えています。
白系の戸当たりゴムや臙脂色の柔らかい座席、東急百貨店と東横のれん街の広告が入った吊革など、昭和の東急電車の雰囲気を今も残す車内設備。この運転体験用のモックアップがかつての姿を伝えていますが実物の8090系は秩父鉄道に移り、それ以外は日本初にして独自開発の量産軽量ステンレス車という栄誉がありながら、あっさり解体処分されてしまいました。せめてクハ8091だけでも東急で保存して展示公開して欲しかった。。。
ドア開閉や車内放送体験ができるデハ3456のカットボディもそのままの姿で置かれていました。しかしここにも“のるるん”が・・・。本当に至る所で目にするようになりましたね。。。
こちらにも東急百貨店と旧東急文化村の広告入り吊り手がそのままの状態で残されていました。