台風19号で鉄道線が甚大な被害を受けてしまった箱根登山鉄道ですが、公式に2020年秋の全面復旧を目指す旨が発表されました。特に被害が大きかった大平台〜強羅間も含めてはやや意外な気もしますが、関東地方を代表する国際的観光地で重要な役割を占める路線なだけに、一日も早く復旧出来ることを願わずにはいられません。
さて、現在は復旧に向けて動き出した箱根登山鉄道ですが、強羅〜早雲山間の鋼索線で1995年より活躍していたケ100・200形客車が本年12月2日の運行で引退し、設備更新に入りました。同系は先代車両の老朽化に伴う更新と、限界に達していた輸送力の増強で導入が決定し、関東では初となる2両固定編成で、ケーブルカーでは全国初の冷房車として登場しました。強羅寄りがケ100、早雲山寄りがケ200となっており、2編成が在籍しました。
紫陽花の座席モケットが印象的な車内設備。同形式は、スイスのガングロフ社で製造され、24年余りの活躍でした。登山電車が運休している最中の引退となったため、式典などは特に行われず静かな最期を迎えました。
ところで、サンナナとケ100・200が去り、2020年度で全廃が伝えられていた登山電車の旧型車の今後ですが、状況が状況なだけに全線復旧後もしばらくは続投するかも知れません。
現在は最後を飾るかのようにカラフルなリバイバルカラーが施されていますが、いずれはまた走る姿をカメラに収めたいところです。