町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

耐雪仕様の少数派、スノープラウ装備の東急5050系5178F

2024年08月09日 | 東京急行電鉄

東京メトロ副都心線直通を控えて、急ピッチで増備が進められた東横線向け5050系は、2013年度で編成単位での増備は一旦終了となりました。しかし2014年2月15日、関東平野部でも記録的な大雪に見舞われた深夜0時30分頃に元住吉駅構内で5155Fによる下り元町・中華街行きの各駅停車が先行していた横浜高速鉄道Y516Fに追突する事故が発生しました。このため使用不能になったY516Fの代替として、東急5156FがY517Fとして横浜高速鉄道側に転出し東急側は2016年に車内設備を田園都市線5000系の6ドア車置き換え用中間車と同等に改め、スカートをスノープラウ一体型とした5177Fを製造しています。これでも8両1編成が不足している状態でしたが、2019年には2020系の設計を反映させた5178Fが登場し、この2編成のみ車内の配色や走行機器が異なるという異端な存在になっています。

スノープラウが厳つい印象を与える5178F。この編成より列車無線をアナログ・デジタル兼用に変更している他、編成全体で赤帯の幅が若干細くなっています。入籍は2019年ですが、営業運転開始は2020年2月21日のことで2020系よりも新しい5000系グループの編成になりました。

目立つスノープラウ一体型スカート以外にも、2編成のみ全密閉式主電動機(型式名TKM-16)を搭載しているなど様々な相違点がありますが、他社線直通運転含め特に制限は無く他編成同様に広範囲で運転されています。

カラーが2020系と同様になり、5177Fでは設置されていたヘッドレストが廃止され床面デザインも変更されたことで、また印象が変化した車内。ドア内側の化粧板も艶消しの滑り易い仕上げで戸袋への引き込み防止を図っています。

17インチ液晶画面は2020系では日立製作所製が採用されましたが、こちらは他の5050系に合わせて三菱電機セサミクロを搭載しアニメーション表示を行っています。

先代の8000系列も様々な仕様変更を行い、やはり異端的な車両も多かったですが5000系列も同じように少数派のバリエーションが現れており歴史は繰り返されるようです。

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開通から20周年を迎えた横浜高速鉄道みなとみらい線

2024年02月01日 | 東京急行電鉄

横浜みなとみらい21地区の交通機関して計画された鉄道新線みなとみらい線は、2004年2月1日の開通から今年で20周年の節目を迎えました。開通2日前の同年1月30日には東急東横線の横浜〜桜木町間の廃止と地下新線への切り替え工事という大規模な動きが発生し、歴史の変化を感じさせられる出来事でした。2月1日の開通初日からは東急東横線と一体化する形で相互直通運転が開始され、2013年3月16日からは東京メトロ副都心線・西武池袋線・東武東上線も直通運転先に加わり首都圏に於ける広域ネットワークを形成しています。

車両は開通から現在に至るまで東急5000系3次車をベースにしたY500系8両編成6本が運用されていますが、2014年2月15日に発生した元住吉駅構内での衝突事故でY516編成1本が廃車になり、2017年5月31日付けで東急5050系5156FがY517Fとして新たに編入されています。

東京メトロ副都心線との直通運転に際しては全編成がATOによるワンマン運転対応改造を施工され、現在は副都心線全線と西武有楽町線・池袋線小竹向原〜飯能間と東武東上線和光市〜志木間にも入線しています。路線と共に営業運転開始20年目ですが、今のところ本系列に続く新型車両の計画は無い模様です。

登場以来のライラック系を維持する車内。20年の内に座席の内部を変更した他、ドア窓枠の金属支持化、ドア上液晶画面の表示内容更新、また妻面貫通扉をステンレス無塗装仕様から化粧板仕上げの新品に交換するなど細部が変化しています。

サイズは15インチのまま表示内容だけが変更された液晶画面。東急5000系列の初期製造編成もこのタイプでしたが、現在ではY500系でしか見られない仕様になりました。

現在は2030年度までの完成を目指して元町・中華街駅構内から先のトンネル部を延伸し、港の見える丘公園の直下に10両編成4本の列車を収容出来る留置線の建設が進行しています。また、みなとみらい線には横浜環状鉄道の一部として本牧方面への延伸計画がありましたが、こちらは凍結状態にあり実現の見通しは依然として立っていません。しかし横浜市営地下鉄グリーンラインの延伸計画が具体化し動き出せば再びこちらも延伸に向けた動きが再始動することが予想され、次の20年、40年後はどのような姿になっているか気になる路線です。

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登場24年目で相鉄線直通を開始した東急3000系

2023年06月11日 | 東京急行電鉄

1999年に東横線で登場し、2000年の目蒲線系統分離により誕生した目黒線の主力車両として運用されている3000系は長らく6両編成でしたが、車体構造を5080系向け増結用中間車と同一仕様にした車両を新造の上で組み込み8両編成で相鉄線への乗り入れを実施することになりました。中間車が実際に登場したのは2022年のことで実に23年振りの増備再開となり直通開始まで1年を切った同年8月より急ピッチで工事が進められ翌年310日に最後の編成が出場し現在は全編成が相鉄線への直通運転に充当されています。

相鉄本線内に直通して来た30003104F2000年の営団(東京メトロ)南北線・都営三田線直通開始時に本格的に増備され、既に古参の部類に入る車両ですが、東急目黒線の所属車の中では一番数が多く(300013編成、505010編成、30203編成)2020年代に入ってからも直通運転の主力車両としての運用が続くことになりました。

朝の南北線・埼玉高速鉄道線直通急行に充当中の3111F。今でこそ埼玉県内でも姿を見れるようになった東急車ですが、最初に埼玉県内まで定期列車で乗り入れたのはこの3000系でした。また登場時から他社線内折り返し運用も多い形式でしたが、今回の新横浜線開通により、新たに相鉄本線内完結列車が登場し、ホームこそ違いますが東横線が地下化されて19年の時を経て再び地上の横浜駅に定期で姿を見せるようになりました。

横浜市民にはお馴染みの東急車ですが、やはり相鉄線内運用に入ると違いは一般利用者にも伝わっているようで、新横浜線開通初日からしばらくは相鉄線の始発駅の横浜に東急車が海老名行きや湘南台行きとして発着する姿に戸惑う旅客が見受けられました。

相鉄線直通対応化でLED表示器は17インチ液晶画面に換装され、当然ながら新横浜駅より先の相鉄線内は表示デザインを同社の他形式に合わせた内容で案内を実施しています。こうした変化は直通が活発な首都圏の鉄道らしい一面ですね。

昨日アクセスカウンターを確認したところ訪問者数100万、閲覧数230万を突破していました。いつもご覧頂いている皆様に厚く御礼申し上げます。

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相鉄線乗り入れを開始した東急5080系(初期車)

2023年06月07日 | 東京急行電鉄

本年318日の東急・相鉄新横浜線開通により、東急目黒線からは8両編成化された3000系と5080系が相鉄線乗り入れを開始しました。どちらも初登場から20年以上が経過していますが初期車を含め全編成に増結用の新造中間車を組み込んでおり、3020系が未だ相鉄非対応(20235月現在)であることから依然として東急車の主力として活躍しています。

朝の通勤時間帯にのみ見られる急行高島平行きに充当される5183F2006年登場の5次車に当たる編成で、同時期の東横線5050系に合わせてフルカラーLED式行先表示と液晶画面による車内案内表示を目黒線向けの車両では初採用しました。

相鉄本線を走行する2002年登場のトップナンバー5181F。製造から実に20年目にして8両化され、現在は地下鉄〜東急から相鉄線に直通するロングラン列車の他、相鉄線内のみで完結し地上の横浜駅に入線する運用も設定されました。

車内設備(5181Fにて撮影)は前回の後期車と比較するとステンレス仕上げのドアや袖仕切りの形状が異なり、大分印象が違っています。因みに51835184F2編成は更にラインデリア整風板が変更されるなど細かい相違点があります。なお、座席に関しては初期製造車はやや座面が薄い片持ち式バケットシートでしたが、後に後期車と同一品に交換されました。

東急新横浜線内の案内を表示する17インチワイド液晶画面これも51835184Fから初採用され、51815182FLEDのまま存置されていましたが現在では全編成が17インチ画面に統一されました。

今やすっかり初期製造グループは製造から20年以上が経過して古参扱いすらされる年代になって来ましたが、この5080系については中間車を新造して組み込んでいる為、相当長期間の活躍が期待できそうな予感です。

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新横浜線開通初日の相鉄乗り入れ叶わず・・・東急3020系

2023年03月19日 | 東京急行電鉄

東急では8500系の置き換え用に2020系、大井町線急行の増発用として6020系を2018年に登場させていますが、約1年開いた20191122日より目黒線の輸送力増強と新横浜線開通準備を兼ねてATOによるワンマン運転に対応する3020系を導入しました。当初は暫定6両編成で営業運転を開始ましたが、202241日より8両編成化が開始され、同年8月中に完了。在来形式の代替目的ではない為、現在は83本の計24両という少数派に留まっています。

三田線に乗り入れる30203122F。外観は20206020の帯色違いですが、転落防止幌の有無や東京メトロ南北線のフルスクリーン型ホームドアに対応する為、室外解錠ハンドルが床下搭載になるなど、様々な相違点があります。前述の通り、相鉄線直通を見越した工事がなされているものの、現状は新横浜までの運用とされ相鉄線乗り入れは禁止されており開通初日の直通運転開始は実現しませんでした。

2022410日より東急グループ100周年トレインとして運転されている3121F。このラッピングのまま相鉄乗り入れを果たすことが期待されましたが、装飾は20223月末日までとのことなので残念ながら実現は幻になってしまいます・・・。

車内設備は2020系で見られたデジタルサイネージが省略され、大井町線用の6020系と殆ど同一仕様になりました。5000系グループでは室内を路線別に色分けしていましたが、本グループでは配色や設備は基本的に同一仕様とする方針のようです。

工事や試験の都合によるものとはいえ、直通運転を告げるニュースリリースなどでは全面に出されていたので、やはり初日からの運転が出来なかったのは残念なところです。

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