東京メトロ副都心線直通を控えて、急ピッチで増備が進められた東横線向け5050系は、2013年度で編成単位での増備は一旦終了となりました。しかし2014年2月15日、関東平野部でも記録的な大雪に見舞われた深夜0時30分頃に元住吉駅構内で5155Fによる下り元町・中華街行きの各駅停車が先行していた横浜高速鉄道Y516Fに追突する事故が発生しました。このため使用不能になったY516Fの代替として、東急5156FがY517Fとして横浜高速鉄道側に転出し東急側は2016年に車内設備を田園都市線5000系の6ドア車置き換え用中間車と同等に改め、スカートをスノープラウ一体型とした5177Fを製造しています。これでも8両1編成が不足している状態でしたが、2019年には2020系の設計を反映させた5178Fが登場し、この2編成のみ車内の配色や走行機器が異なるという異端な存在になっています。
スノープラウが厳つい印象を与える5178F。この編成より列車無線をアナログ・デジタル兼用に変更している他、編成全体で赤帯の幅が若干細くなっています。入籍は2019年ですが、営業運転開始は2020年2月21日のことで2020系よりも新しい5000系グループの編成になりました。
目立つスノープラウ一体型スカート以外にも、2編成のみ全密閉式主電動機(型式名TKM-16)を搭載しているなど様々な相違点がありますが、他社線直通運転含め特に制限は無く他編成同様に広範囲で運転されています。
カラーが2020系と同様になり、5177Fでは設置されていたヘッドレストが廃止され床面デザインも変更されたことで、また印象が変化した車内。ドア内側の化粧板も艶消しの滑り易い仕上げで戸袋への引き込み防止を図っています。
17インチ液晶画面は2020系では日立製作所製が採用されましたが、こちらは他の5050系に合わせて三菱電機セサミクロを搭載しアニメーション表示を行っています。
先代の8000系列も様々な仕様変更を行い、やはり異端的な車両も多かったですが5000系列も同じように少数派のバリエーションが現れており歴史は繰り返されるようです。