町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

コストダウンでスマート化を図った増備車・横浜市営地下鉄3000N形

2023年03月25日 | 横浜市営地下鉄

開通以来段階的に延伸を繰り返している横浜市営地下鉄は1999829日、横浜市外を超えて藤沢市の湘南台へ至ることになりました。これを受けて更なる運用数増加に伴い3000形の増備が計画されますが、1999年度からの製造分では従来の3000形よりコストダウンを図り、VVVFインバーター制御装置は技術の進展を受けGTOサイリスタからIPMに変更、新たに3000N(Newの頭文字)と称され6両編成7(3238編成)が製造されています。

199963日より運転を開始した32編成。1次車と比較して前頭部がステンレス構造になり角張ったフォルムになっています。登場時から2016117日まで「はまりん号」として音符や交通局公式マスコットキャラクターはまりんのラッピングが施され、車内の広告類は市内の小・中学校の生徒によるイラストや横浜市からのお知らせ、イベント情報が掲出されていました。2011111日から1227日は三井物産フォレストとの提携で「しんりん号」として森と木のラッピングにされた時期もあります。はまりん号指定解除後の現在でも広告類は交通局からのイベント情報や沿線案内などで統一されています。

2本目の増備車である33編成。3000N形は何かとラッピングの機会が多く、この編成も20051216日から201577日まで横浜港開港150周年のラッピング車として運用されました。1次車3000A形同様に2007年までに全編成に対しワンマン化改造が施工され安定して活躍していましたが、第38編成は2019829日に踊場駅で脱線事故を起こし、車両メーカーの診断の結果廃車とすることが決定。現在は6両編成6本の陣容になり、安全教育用に38編成の破損した先頭車が保管されています。

車内はコストダウンの為に先頭車のボックスシートや天井の照明カバーを廃止、ワイドドアを引き継ぎながらもステンレス仕上げに接着式窓のドアとFRPによる大型袖仕切りなどJR東日本209系で採用された設備を採用しています。これらは後の増備車にも反映されました。座席は人数区分がされた非バケットシートでしたが、現在は3000RS形より明るい色彩でバケット化されています。

車内案内表示器はLEDによる表示ですが、3000A形で採用された点灯式の路線図は廃止され、路線案内+戸開予告装置との組み合わせになりました。戸閉装置には初めて戸閉力弱め機構を搭載しており、3000N形が初の採用事例でした。

今後1次車に当たる3000A形が全廃されると横浜市営地下鉄で最古参になりますが、こちらは車体に致命的な劣化は無いようで機器更新が決定しており、三菱電機が落札したことが明らかになっています。走行機器と共に車内は大規模な修繕が実施されるかどうかにも期待したいですね。

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新横浜線開通で本領発揮、相鉄21000系

2023年03月23日 | 相模鉄道

神奈川東部方面線(東急・相鉄新横浜線)を介した東急東横線・東京メトロ副都心線直通対応車として2018211日より運転を開始した20000系は、10両編成7本の70両が揃うと8両編成の増備に移行しました。この8両は東急目黒線と東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線・都営三田線への直通を前提に製造されており、外観と車内設備は20000系と同一ながら一部の機器の違いから別形式とされたもので登場時は相鉄線内の各停運用が中心でしたが、東急・相鉄新横浜線開通に伴い当初の目的であった都心乗り入れを果たしました。

三田線内の高架区間を走行する直通記念ラッピングが施された21102F10両編成の20000系とは車椅子・ベビーカースペース変更と非常用ドアコックの設置箇所(先頭車は乗務員室付近、中間車は両側の妻面に設置していましたが半数を床下に移設)、運転台に列車無線用画面の新設など様々な相違点があります。この編成は318日の新横浜線開通初日は、新横浜5:08分始発の浦和美園行きにも充当されました。

直通開始前の相鉄線内各停運用に就いていた頃の姿。100008両編成と共に横浜〜湘南台間の運用が主体でしたが、現在は全編成が直通運用に充当されるようになり他社線内での入庫や折り返し運用も設定された為、日中に相鉄線内の西谷〜横浜間で見る機会は激減しました。

20000系量産車と共通の車内設備。液晶画面がドア上2画面になり、車端部のユニバーサルデザインシートの上部にも荷物棚が設置された点など完全に同じで、差異は前述の車椅子・ベビーカースペースの位置くらいです。

表示面積を大きくとった21.5インチの液晶画面(写真は東急目黒線内)。各社局毎に異なる表示デザインにも当然対応しており、情報量が大きく向上しています。

都心乗り入れで本領を発揮するようになった2000021000系グループですが、今年は更に21108Fが増備され、更にもう1編成が増備予定です。今後は更なる運用区間の拡大なども期待したいですね。

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廃車が進行する横浜市営地下鉄3000A形

2023年03月21日 | 横浜市営地下鉄

1972年の伊勢佐木長者町〜上大岡間の開通以来、段階的に路線の延伸して来た横浜市営地下鉄ですが、1985314日の第3期区間上永谷〜舞岡・横浜〜新横浜間開通を控え冷房搭載・電機子チョッパ制御の2000形を登場させ2形式による体制の運用になりました。更に8年後の1993318日の3号線新横浜〜あざみ野間延伸に伴う運用数増加で前年の199276日より市営地下鉄では初となるVVVFインバーター制御車3000形が登場、1995年までの約3年に渡り増備が続けられ6両編成8本が製造されました。2007年からはホームドア新設に伴うワンマン運転対応化が進められ同時に形式を3000A形と呼称するように改められています。

ステンレス車体にFRP成形品の正面を組み合わせ、丸みのある先頭形状になった3000A形。写真は量産編成に当たる29編成で、一番最初に製造された24編成は先行試作車的な要素を持ち運転席の圧力計・電力計がデジタルメーターになっていましたが、量産型の25編成〜31編成からアナログ指針式に変更される相違点がありました。

初登場から24年余り経過した2017年には大規模な車体修繕と機器更新が計画され、入場中の予備車確保の為に3000V形も1編成が製造されましたが、劣化箇所の修繕に予測を超えた費用が計上される事になってしまい、新形式の4000形で置き換えられる事になり、20221020日より25編成を最初に廃車が開始されています。

車内設備は白を主体に明るいオレンジ系の座席を配置し、車椅子スペースと向かい合う乗務員室後部のみ4人掛けボックスシートとしています。ドア幅は先の2形式が1.3メートル幅だったのに対し1.5メートルに拡大したワイドドアになり、これは1999年以降に増備される3000N形以降にも引き継がれました。関東地方の車両としては珍しく車内照明にカバーが設置されていたり四隅のRが小さく面積の広いドア窓など、全体的に関西私鉄を思わせる造りが特徴的です。

車内案内表示器はLEDと点灯式の路線図を組み合わせたタイプで、ワンマン運転改造後は神奈川新聞のニュース配信を表示しており通常の次駅表示とニュース表示の千鳥配置になっていたことがありました。2020年に配信は終了し、現在は全ドアの表示器が旅客向け案内を表示しています。今後は取り外した車両部品の販売も決定し、運用本数自体もダイヤ改正で削減されているので全廃も近いと思われますが、まだ経年が浅い印象なので残念ですね。

 

 

 

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新横浜線開通初日の相鉄乗り入れ叶わず・・・東急3020系

2023年03月19日 | 東京急行電鉄

東急では8500系の置き換え用に2020系、大井町線急行の増発用として6020系を2018年に登場させていますが、約1年開いた20191122日より目黒線の輸送力増強と新横浜線開通準備を兼ねてATOによるワンマン運転に対応する3020系を導入しました。当初は暫定6両編成で営業運転を開始ましたが、202241日より8両編成化が開始され、同年8月中に完了。在来形式の代替目的ではない為、現在は83本の計24両という少数派に留まっています。

三田線に乗り入れる30203122F。外観は20206020の帯色違いですが、転落防止幌の有無や東京メトロ南北線のフルスクリーン型ホームドアに対応する為、室外解錠ハンドルが床下搭載になるなど、様々な相違点があります。前述の通り、相鉄線直通を見越した工事がなされているものの、現状は新横浜までの運用とされ相鉄線乗り入れは禁止されており開通初日の直通運転開始は実現しませんでした。

2022410日より東急グループ100周年トレインとして運転されている3121F。このラッピングのまま相鉄乗り入れを果たすことが期待されましたが、装飾は20223月末日までとのことなので残念ながら実現は幻になってしまいます・・・。

車内設備は2020系で見られたデジタルサイネージが省略され、大井町線用の6020系と殆ど同一仕様になりました。5000系グループでは室内を路線別に色分けしていましたが、本グループでは配色や設備は基本的に同一仕様とする方針のようです。

工事や試験の都合によるものとはいえ、直通運転を告げるニュースリリースなどでは全面に出されていたので、やはり初日からの運転が出来なかったのは残念なところです。

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ハマっ子達の日常の足、横浜市営地下鉄3000R形

2023年03月05日 | 横浜市営地下鉄

横浜市営地下鉄13号線(ブルーライン)では、1972年の開業以来長らく初代車両の1000形が主力車両でしたが、消費電力が大きい抵抗制御かつ内部構体を普通鋼製とするセミステンレス構造の車体で老朽化が進行していた為、2004年度から順次置き換えられる事になり、代替の新造車として1999年の戸塚〜湘南台間延伸開通時に増備された2次車の3000N(Newの頭文字)形をベースに細部の改良を実施した3次車となる3000R形を導入しました。Rは置き換えを意味する「Replace」の頭文字で、1000形と同数の6両編成14本が製造されており、現在ブルーラインで運用される3000形グループの中では、この3次車が最多となっています。

日本車輌製造のブロック工法が採用された為、2次車までは車体にあったビードが廃されシンプルな外観になった3次車3000R形。角張った先頭部のデザインは2次車からですが、正面ガラス下部が曲線とされソフトな印象になるよう仕上げられています。

2004年度製造分(3946編成)の落成当時は車掌も乗務するツーマン体制による運転だった為、ワンマン運転用設備は未設置でしたが、2005年度製造分(4752編成)は対応する機器を搭載しており、他編成も改造で設置されました。ATOによる運転は2007120日より開始され、それに伴うホームドアは同年4月中より設置駅から順次稼働開始、1215日からは完全にワンマン運転に移行しています。

車内設備はほぼ2次車を踏襲する部分が多いですが、人数区分がされたバケットシートが採用され、優先席も一般座席と同一のモケットを採用、また車椅子スペースを先頭車から全車両に設置するなどバリアフリー面も強化されています。登場時は路線図一体型のLEDによる車内案内表示器は液晶画面に換装されました。3000S形はR形と同一の設備ですが、一部の手摺りや妻面貫通扉の取っ手に2000形の発生品を再利用するなど、細部に違いが見られます。

新しい印象がある30003次車以降のグループですが、R形も来年で登場20周年を迎えることになりました。今後は2030年度を目標に、あざみ野〜新百合ヶ丘間延伸を控えていますが、開通後もR形・S形共に主力として活躍しているでしょう。

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