某マイクロエース製品のキャッチコピーみたいなタイトルですが、間もなく18000系により置き換えが開始される半蔵門線の8000系初期編成を撮影して来ました。後期車を以前に記事にした時も触れましたが、1978年の渋谷〜青山一丁目間の開通時は車両を保有せず東急8500系を借りて運転していました。半蔵門線用の車両として8000系が就役するのは永田町まで延伸された1981年のことで、8両2本と6両4本が登場しました。
1980年当時最新技術だったAVFチョッパ制御や日本初となるボルスタレス台車などを採用し、7000系までの系譜を引き継ぎつつ後に続く0系シリーズの要素も感じさせる内容が目立ちました。額縁スタイルの正面や白を基調にした車内は若い世代が多く住む田園都市線の新興住宅地のイメージから、少しでも斬新かつ軽快な印象を演出したいとの意向もあったようです。1994年に10両編成化の為0系シリーズ準拠のサハを2両組み込んだ為、この写真からでも新サハの車体が2両のみ異なっている様子が伺えます。
東武日光線に乗り入れた8102編成。来年で40年目になりますが、大規模更新改造を受けている為、陳腐化している様子は感じませんが、18000系により順次廃車になることが決まってしまいました。
車内設備。前回の後期車と変わりませんが、車内案内表示器がコイト電工のパッとビジョンを採用したので面積の狭い画面になりました。これは、当初の更新時はLED表示器を搭載していたところに、動画広告の画面を設置する為に元のLED表示の配線を活用出来るコイトの製品を採用したことに起因します。ドアチャイムも営団タイプから都営チャイムに換装されました。側扉はアルミ窓枠に手掛けは片側にのみ設置されるタイプで、更新の際に交換されています。扉本体を交換する一方で、戸閉装置は更新されず大きな動作音で勢い良く開閉する旧来の床置式がそのまま存置されました。
1994年に新造され4・5号車に組み込まれたサハの車内。同時期に増備が進行していた南北線向け9000系との共通性が伺え、この2両のみ化粧板の交換はされず車内案内表示・手摺りの設置のみに留まりました。上の更新車と比較すると扉が複層ガラスのFRP窓キセ・両側手掛け設置と同じ大窓でも差異があるのが分かります。戸閉装置も異なり、他車が旧来の床置式ですが新サハでは直動空気式になり、開閉動作も大幅に違っているのも興味深いところ。
既に18000系第一陣が落成し、各種試験に入るところですが、営業入りしたらあっという間に初期編成から置き換えられて行くでしょう。残念ながら有力な譲渡先と見込まれていたインドネシアは鉄道会社(KCI)側の人事異動によるゴタゴタと新型コロナウイルスの影響で予算も付かず流れてしまい、直接廃車になる公算が高いのが残念極まります。大型車を必要としている地方私鉄から引き合いがあれば良いのですが・・・。