町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

新形式の登場で今後の去就が気になる東武鉄道10030系(50番台)

2024年10月13日 | 東武鉄道

8000系の置き換えが進んだ現在の東武鉄道各線で主力車両として活躍しているステンレスの10000系グループの内、ビードプレス車体に設計変更した10030系は伊勢崎線・東上線の幹線での運用が長らくメインでした。しかし新系列の増備や運用変更などから野田線への転属が2013年に初めて発生、同年4月20日より10030系50番台(以下10050番台として記述)の11652Fが営業運転入りし同線の歴史では初めての軽量ステンレス車となりました。その後は中間に入る先頭車の付随車化や車内リニューアル改造、ワンマン対応化など大規模な更新を受ける編成が現れる一方で改造を受けず先輩格の8000系よりも先に廃車された編成もあり、明暗が別れた形となっています。野田線には10030系リニューアル編成と未更新のままの10050系がそれぞれ転入し、このまま安泰かと思われましたが、2024年4月16日に東武鉄道は新形式80000系の導入を発表し同時に既存の60000系も共に5両編成に減車することを発表し8000系と共に置き換えが決定的になりました。

野田線で急行に充当中の11651F。野田線転入に当たり帯色変更・ロゴマーク貼り付けと自動分併装置の撤去が施工されています。10050番台は1992年からの増備分で冷房装置のカバーが連続型になり車内にも補助送風装置を新設した他、途中駅での連結・切り離しを迅速に行うため先述の自動分併装置付き密着式連結器を装備し伊勢崎線系統に多く配置されました。

10000系グループの中でも経年が新しいグループですが、80000系への置き換え後は本線復帰も…と予想されましたがリニューアルも受けていない事や自動分併装置の再設置が必要になること、また2025年時点で経年も30年余に達するため直接廃車にされてしまいそうです。

東上線系統にも6両と4両を固定編成化した10030・10050系が数多く在籍し、VVVFインバーター制御への改造を受けた編成も存在しますが未更新のままの編成も数多く残っています。東上線では東京メトロ有楽町線・副都心線への直通運転対応車として9000系が在籍していますが、こちらは置き換えが発表されており未更新で界磁チョッパ制御のまま残る10030系グループも近い将来は確実に何らかの形で一部のリニューアル車以外は置き換えが進められることが想像されます。

車内は前回記事にした10030系と同じ配色、座席配置ですが天井に補助送風装置が設置されており若干印象が変化しました。さすがに車内案内表示・自動放送ともに未設置のため陳腐化している印象は否めないですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本線向け仕様を改良した副都心線対応車・東武東上線50070系

2024年09月26日 | 東武鉄道

東武東上線から有楽町線への直通運転には、1987年以来チョッパ制御車の9000系と1994年からVVVFインバーター制御方式に設計変更した9050系が長らく用いられて来ましたが、東京メトロ副都心線小竹向原〜渋谷間の開通と東急東横線・みなとみらい線直通を控えて2007年6月18日より新たにATOによるワンマン運転とホームドアに対応した50070系が導入されました。2005年より東武では東上線地上専用車として50000系、半蔵門線・東急田園都市線直通運転用に車体幅を変更した50050系を増備していましたが、本系列はそれらの改良型で10両編成7本の70両が製造され、9000系と共通で副都心線・有楽町線直通と地下鉄が関連しない東上線池袋発着の運用まで幅広く使用されています。

東横線内を走行する51071F。50050系に準じた外観・車内を持ちますが主な違いは両側の先頭車に集中し、ホームドアに対応するため客室内のオフセット幅を250mmから120mmに縮小の上で全長を130mm延長、ATOと戸閉制御切替装置、更にクハ50070型にATO送受信装置を新設する比較的大きな変更を盛り込んでいます。乗務員室内には車上CCTVが新たに設置され、コンソール配置も全て一新しハンドル形状も変更になりました。

51071F〜51074Fは当初は固定式の一枚窓でしたが、51075Fでは開閉可能窓(トの字型に窓ガラス部を分割し、上段を下ろす形で開口)に改められ他編成も改造で開閉可能にされました。2011年度製造の51076・51077Fは通常の下降式窓で登場しています。ちなみに車体幅も異なり、51071〜51075Fは2800mmでしたが51076・51077Fは本線用50050系と同じ2770mmに改められています。

車内設備。50000系列では当初座席に薄いパープル系(TBマトリックスと呼称する藤色)でしたが、本系列からキュービックブルーと呼ばれる模様入りの青に変更し、他編成も2011年より交換が開始され10000系列のリニューアル車両にも用いられるようになりました。

車内案内表示装置は他編成同様にLEDスクロール表示式でしたが、やはり2011年度製造の2本では17インチ画面の1台配置に改められ数少ないLCD搭載車となっていましたが、他社と足並みを揃えるため初期の5編成も西武6000系でも採用された左右一体型液晶画面に交換されました。ドアチャイムに関してはそのままの状態です。

9000系置き換え用の副都心線・有楽町線に対応する新系列の開発が発表されましたが、変更点が非常に多い50070系列は今後もこのまま安定した活躍が見込まれそうです。

※一昨日投稿の記事に多数のアクセスがありトータル閲覧数が300万PV、訪問者数が130万人の大台に入りました。深く御礼申し上げます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新形式導入で最後の活躍を見せる東武8000系初期車

2024年07月01日 | 東武鉄道

新形式導入と既存車両の転用改造で廃車が進行しながらも東武野田線で現在も運用が続く8000系が登場したのは1977年8月2日のことで、当時は昭和初期の旧型車の車体を18メートル車体・両開き3ドアに更新した3000系が主力を占めていたため高性能カルダン駆動・冷房車が配置される事例となりました。1983年には伊勢崎線・東上線から撤退した7800系更新車の5000系列配置に伴い一度は転出するも、1989年より10000系列増備により再び配置されるようになり、2004年〜2013年までは8000系で統一された時期もありました。2013年の60000系の登場で完全置き換えが進むかと思いきや増備が終了してしまい、残存する8000系の置き換えは2025年より新形式80000系により再開されることになりました。

首都圏の通勤輸送を担う非ワンマン路線ながら稼働中の編成は経年が非常に高く、行先方向幕・ハロゲン式前照灯を備える編成も比較的目立ちます。写真の8163Fは元・東上線所属車で森林公園検修区に新製配置され車体修繕は1996年8月12日に施工されました。野田線への転用は2010年12月28日のことで、運用を前に春日部支所でデッドマン装置・運転状況記録装置を新設しています。

東上線からの転属車が比較的多数を占めますが、8159Fは新製から一貫して伊勢崎線系統で運用されている現在では数少ない編成で、春日部検修区と七光台支所を行ったり来たりしていました。1997年2月12日に修繕を受けており、8000系の中でも古参の部類でしたが車齢47年目となる2020年8月頃にデジタル列車無線装置の取付改造を受けました。

塚田駅で10030系と並んだシーン。8166Fは前照灯LED化と行先表示の3色LED化を施工されているため印象が違います。 10030系は1988年から登場した10000系のマイナーチェンジ車で8000系の後継車的な立ち位置ですが、正面マスクは8000系修繕車を参考にしていることが分かりますね。なお10030系も8000系と共に80000系での置き換え廃車が予定されています。

車内設備は以前記事にした後期車と変わりませんが初期製造車はドア内側が周りの配色に合わせて塗装仕上げになっており、他事業者では見られなくなって久しい珍しい存在になると共に一層の古さを感じさせます。

新形式80000系の外観と車内が発表され、いよいよ先が見えた感のある野田線の8000系ですが、6両と比較的長編成かつ車掌乗務の区間で速達種別に充当されるのも見納めになります。少し待てばやって来る今のうちに沢山記録しておきたいですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野田線に残る東武8000系(後期更新車)

2022年05月07日 | 東武鉄道

200410月のダイヤ改正で、野田線にて長らく運用されていた吊り掛け駆動の5000系グループは他線区から転入の8000系で完全に置き換えられる事になり、伊勢崎線から転属の10030系、新製導入の60000系が運用を開始するまで野田線の旅客列車は8000系で統一されて来ました。両形式が運用を開始した2013年以降は多数の廃車が発生するものの完全な置き換えには至らず依然として6両編成16本の96両という比較的まとまった数の編成が運用を続けており、現在も製造時期や修繕工事メニューの違いによるバリエーションを見る事が出来ます。

1980年製造の8192F11次車に当たる編成で、8次車から採用された仕様(S形ミンデン台車・客室内側が無塗装のセミステンレス製ドア)を採用しつつ、荷物棚下に手すりの増設とドア枠のアルミ化など、更に微細な改良を施したグループです。新製時は春日部支所に配置され、1981829日に森林公園に転属(2001913日修繕工事施工)2011214日に春日部支所でデッドマン装置・運転状況記録装置の新設を受け2011314日より七光台支所所属となり野田線で運用を開始しました。

8次車の8171F。前述のようにこのグループから台車変更とドア内側の無塗装化が実施されました。この編成も東上線からの転入車で1976年の新製時は春日部に配置、19921030日に森林公園転属(2000929日修繕)201011月に春日部支所で上記8192Fと同様の改造を施工の上、同年1210日より七光台に配置されています。

単線区間では8000系同士で交換を行う場面も見られます。かつての野田線では日常的に展開されていた光景ですが、2024年度から新形式の導入と5両編成への減車を行うことが発表されたため、引退が決定的になりました。

車内設備は初期車と比べてドア内側がステンレス無塗装になった為、印象が変化しました。1976年以降製造車の特徴ですが、73007800系列を8000系と同等の車体に更新した50005050系も主電動機点検蓋の存在以外は殆ど共通の仕様であった為、より懐かしい雰囲気が感じられます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リニューアル工事を受けて活躍する東武10030系(野田線・東上線)

2022年05月03日 | 東武鉄道

東武10000系グループは登場から20年以上が経過した2007年からリニューアル工事を実施していますが、伊勢崎線所属車の6両全編成に対し施工が完了すると、対象はマイナーチェンジ車の10030系に移行し201138日より11635F6両が施工され運用を開始しました。何れも車内接客設備の改善を目的としており、9000系の副都心線対応車に準拠した設備に改められていますが、年度毎に更新内容が変化しVVVFインバーター制御化された編成も登場しました。

6両編成では最若番で1988年に落成した11631F。登場以来、伊勢崎線・日光線系統で運用されていましたが20136月にリニューアルを受け、同年82日で七光台支所へ転出し野田線で運用を開始しました。転出時に自動分併装置の撤去、20152月には先頭車前面にホーム検知装置を設置して印象が変化しています。

東上線所属の11637F11442F1990年度車で、番号からも分かるように6両編成と4両編成でしたが20148月に中間に連結しているクハ16637とクハ11442の運転台機器・前照灯を全て撤去し正式に付随車(サハ)化、2017321日にリニューアル工事を完了しました。行先・種別はフルカラー化されていますが、耐久性に個体差があるようでこの編成はシャッタースピードを1000分の1に設定しても切れずに写り込みます(他編成は完全に切れてしまいます)。東上線では界磁チョッパ制御の部品確保の為、11032Fと11639F+11443Fの10両編成2本が60000系同様のVVVFインバーター制御に更新されました。

9000系副都心線対応車に準じている車内。2010年以降からは妻面貫通扉の半減(1両に付き2箇所だった扉の片側を撤去し各車1箇所へ)11640F+11440Fから車内案内表示器の変更(LEDスクロールからコイト電工の横長液晶画面「パッとビジョン」を設置)など、細かいメニューが変更されています。

リニューアル工事で50000系列と同等の水準になり、今後も長い活躍が見込まれそうですが、野田線所属車両は2024年度から順次導入される5両編成の新型車両で置き換えられる事になるようで、再び転出することがほぼ確定となりました。既に佐野線で10000系2両編成が運転を開始した事から想像しますに6両固定編成を伊勢崎線に戻し、捻出される4両と2両をワンマン改造して館林地区各線などに回すのではないかと思われますが今後の動向を注視したいですね

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする