相鉄では2002年より10000系電車を導入し、老朽化の進んでいた2100系・新6000系の置き換えを完了させましたが、今度は経年25~30年を経過している2代目5000系VVVF車と7000系初期車の置き換えを進めるべく10000系に続いてJR東日本車をベースにした11000系を2009年度より導入しています。既に10000系のベースになったE231系の増備は終了し、第2世代のE233系に以降したため、同系に準拠した車両になりました。
前回の10000系では、いずみ野線内の南万騎が原付近にある東海道新幹線との交差部分に車両限界が狭くなっている箇所がある為、2930mm幅の車体でしたが、11000系導入に際しそれらを解消して、E233系同様の2950mm幅での設計になりました。この為、外観は独自の正面デザインとカラー以外はよりベース車に近付いています。
6代目そうにゃん号に起用されている11004F。都心乗り入れ計画が進む中で、本形式もJR直通を視野に入れた箇所が見受けられましたが、残念ながら改造コストの問題から直通運転は12000系のみが充当されることになり、11000系は自社専用になる事が決まってしまいました。
車内全景。E233系そのものな印象ですが、よく見ると吊り手が相鉄在来車両と共通の三角形だったり荷物棚が金属管構成になっていたり、細かい箇所が異なります。また、乗客の目には見えない部分の変化として主電動機を含めた走行機器の耐寒耐雪設備が簡略化されています。
全てのドア上部に設置される17インチワイド液晶画面。これもE233系と同等の設備で、相鉄では初めての採用ですね。
引き続き相鉄線内のみでの運用になってしまった11000系ですが、もしも相鉄新横浜線の開通が当初の予定通りなら直通用車両に指定され、東京都心で設計の母体になったE233系各番台との共演シーンが見れたはずですが、実現しなくなったのは少々残念です。今後はJR対応改造とは別に、車体のYNB化と室内更新が控えているので、今の姿を記録しておくのも良さそうですね。