三菱ふそう大型路線バスであるエアロスターMP38は2014年6月19日にフロントデザインを大幅に変更し、日本各地の事業者に導入されていましたが都営バスでは2013年を最後に三菱ふそう車の導入が途絶えており、いすゞ車の新製配置が長く続きました。しかし2020年10月14日付で2021年度の新車一般車(G代車)の入札公告が公開され、同年11月27日の開札で三菱ふそうバス・トラックが落札、実に8年ぶりに三菱ふそう大型路線バスの導入が再開される事になりました。
東京ビッグサイトの待機場で折り返しを待つ深川営業所のG704(2PG-MP38FK・2021年式)。2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピック輸送に備え導入されたG代車で、当初は新設の有明営業所に配置され大会関係者輸送などに充当され、後に本来の配置先である深川に転属しました。ライト周辺やバンパーがブラックアウトされ、側面窓周りは中扉部も含めて黒色化しているのは我が地元の小田急バスでも見られる仕上げですが、これにより以前のモデルより均整の取れた外観になりました。
晴海埠頭から東京駅に戻ろうとしているG711。この車両は当初より深川に配置され、管内の一般路線で運用に入っています。撮影は何れも祝祭日に行った為、正面に日章旗を掲げています。
G711をリア部から。このMP38は、前述の東京オリンピック大会輸送に使用される関係で2021年5月〜7月の短期間に140台が導入されました。今後も在来車、特に路線バス事業から撤退し補修が難しくなって来た西日本車体工業のボディーを架装する日産ディーゼル車の代替する必要がある為、更に勢力を拡大すると思われます。
車内設備は優先席部が進行方向の1人掛けに改められ、車椅子・ベビーカーの利用者の為にフリースペースが設けられました。座席が減少したので中扉より後方の座席は1人掛け+2人掛けと2人掛け+2人掛けを半々で設置しています。また、最後部は急停車時などに前側に放り出される危険性があるため、中央部への着席を防ぎ2人+2人で着席を促す仕切りが設けられました。現在はコロナウイルス感染対策で封鎖されていますが、タイヤハウス上の座席も省略されていないのがバスマニアには嬉しいポイントです。