設計変更を繰り返しながら増備が続いている2代目京急1000形は2020年度にも4両編成2本の8両が増備されますが、この編成は座席指定列車と貸切列車での運用を想定し、京急では初となるデュアルシートと中間車にトイレ設備(品川寄りサハ1000に車椅子対応型、浦賀寄りサハ1000に小用トイレをそれぞれ設置)を採用しています。この編成は愛称を一般公募しており、運用開始後の2021年12月24日にフランス語で空を意味する「Le Ciel(ル・シエル)」と名付けられました。これは三浦半島や羽田空港の空を想起させることや、かつての週末行楽特急ラ・メール号(フランス語で海の意)への敬意を込めての命名とのことです。2022年5月26日には、鉄道友の会よりブルーリボン賞を受賞し、2000形以来39年振りで2回目の受賞となりました。
設計のベースになった15次車と併結しエアポート急行の運用に就く1895編成。正面形状は常用貫通扉を備えた15次車を基本にする一方で、車体は雨樋が外に出ない滑らかな断面形状とされました。当初の目的通り団体臨時列車にも使用されますが、現在は平日のモーニング・ウィング号と他形式4両と併結した8両での土日祝日のエアポート急行がメインの運用になっています。
休日限定のエアポート急行運用時は常に浦賀寄りに連結位置を固定しており、貫通路を備えた15次車と連結する際も貫通幌は使用されません。日によっては1000形グループの他に600形や1500形4両との併結シーンも見られます。
ロングシートモードの車内。デュアルシート装備車ではありますが、クロスシートモードでの定期運用は平日のモーニング・ウィング号のみに留まっています。両先頭車は2007年のステンレス車から途絶えていた乗務員室後部の座席が復活し合わせて圧迫感を軽減する為に非常に細い側窓が設けられ話題を呼びました。
ドア上には17〜19次車と同一の左右一体型液晶画面と開く側の扉を示すランプを設置。クロスシート時を考慮して天井や妻面貫通扉上に設置しても良さそうですが、ロングシートモードでの運用が中心なのでドア上のみで十分用が足りているようですね。
現在は4両5本で定期運用も2100形の増結と停車駅の多い休日のエアポート急行の運用に留まっていますが、今後更に増備が開始されれば泉岳寺発着の快特や他社線への進出の可能性もあり、今後が非常に楽しみです。