新横浜線開通を控え、20000系量産車の増備により長年主力だった8000系は2020年より廃車が開始され初期製造の8701〜8706Fが廃車、解体処分となり後期車である8708〜8713Fの60両が引き続き運用されることになりました。湘南台駅構内での事故で廃車になった8707F以来の本格的な淘汰が開始された一方でリニューアル工事も施工となり8709F1編成がYOKOHAMA NAVYBLUE塗装への変更と車内への更新を実施されました。しかしこれ以降の工事は中断され、2022年からは先頭車の前照灯移設や自動放送装置の新設、座席シートモケットを11000系と同一品とし人数区分がされたバケットタイプに改める小規模改造に留まっています。
前照灯移設工事を受け、のっぺらぼうになった印象がある8710F。廃車になった初期製造車には室内更新と別に8709Fで現在も見られる車内側のガラス面をフラットにしたドアへ交換されている編成がありましたが、グループカラーで現存する編成は登場以来の原型ドアを維持しています。
8000系の最終増備車の8713F。今後はYOKOHAMA NAVYBLUE化とは別に前照灯移設工事と自動放送装置の新設を行うことが発表されており、前面窓下に前照灯を配置したスタイルは見納めになる予定です。なおこの編成は2023年6月18日のミステリーツアーに起用され、正面のみ登場時の赤帯仕様にリバイバルされ定期運用を再開しました。
登場から長らくオレンジ系で中央部に1人分の区分を表した座席でしたが、交換により印象が変化した車内。改良工事を受けながらも原型ドアに座席袖部はステンレス製手すりによる構成を維持し、大型袖仕切りの新設は見送られるなど過渡期のような印象です。
セミクロスシート車の車内。ボックス席部分も含めてバケット化され、掛け心地は大幅に改善されました。これらの改造により僅か6編成ながら袖仕切りを大型化した編成と手すり構成の編成、YOKOHAMA NAVYBLUE化された8709Fの3形態が存在しています。
鴨居部にはLEDスクロール式の車内案内表示器を新製時より設置しています。初期製造編成は大型3段式のものが妻面に取り付けられていましたが、最終的には後期車と同様に揃えられました。9000系ではYOKOHAMA NAVYBLUE化の際に液晶画面化されましたが、8000系では見送られています。
リニューアル工事の内容が簡易化され、中途半端な存在になってしまった感がある8000系ですが、改造は継続され今後も長く運用する意思はあるようで何よりです。11000系に類似した配色・設備になっているので、個人的に残る編成はこのままでも良さそうな気がしますね。