町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

東急8500系8631F、運用離脱。赤帯スタイルの編成が消滅へ・・・

2022年05月27日 | 東京急行電鉄

20231月での引退が東急電鉄から予告され、さよならヘッドマークが掲出された8500系の8631F8637F2編成の内、8631Fが本年525日で運用を終了しました。これに伴い、登場以来の先頭部に赤帯を配した標準的なスタイルの8500系が消滅し、残るは青帯でBunkamuraの広告電車となっている8637Fを残すのみとなりました。

今回引退を迎えた8631F。この編成は1983年度に増備された15次車に分類されるグループで、翌年4月の田園都市線全通(中央林間〜つきみ野間開通)に伴う運用数増加を控え登場し、10両固定編成で落成しました。

乗り入れ先の東武伊勢崎線内を走行する場面。8631Fは先述のように1983年に登場の後1997年に行先表示LED化、2003年には東武鉄道直通対応化とスカート新設が施工され、三社に跨がり埼玉県北部までのロングラン運用に就く姿も見せるようになりました。近年の置き換えサイクルが早くなった首都圏大手私鉄車両ながら、同一線区で39年に渡る長期間の活躍になりました。

車内設備(過去の記事より再掲載)は登場時は臙脂色だった座席がオレンジとブラウンの組み合わせに交換された他、2000年にバリアフリー対応の為に車椅子スペースを39号車に新設した以外それ程変化はありませんでしたが、末期は注意喚起のステッカーが増えて賑やかになっていました。

8631Fの運用離脱で、長らく東急では御馴染みだった首を振る扇風機も消滅となりました。こちらは東芝製の扇風機で、防護網の少ないものや羽根の中心部が砲丸状になっているものなど、複数の形態が見られましたが2000年頃からこの仕様になって行きました。

かつては400両もの大所帯で、昭和から平成初期に掛けて田園都市線のみならず東急の顔的存在の8500系でしたが、いよいよ迫り来る終焉に時代が如何に進んだかを実感させられます。8637Fは引き続き来年1月まで運転される予定ですが、こちらも最後まで活躍を見守りたいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デュアルシートで快適通勤!(2代目)京王5000系

2022年05月15日 | 京王電鉄(電車・バス)

京王電鉄では、2016316日に通勤時間帯に於ける着席ニーズの高まりを受け座席指定制列車の導入を発表しました。これに伴い、デュアルシートを備えた新形式となる2代目の5000系が2017929日から一般の列車で営業運転を開始し、翌年2018222日から京王ライナーとしての運用を開始しています。長らく京王電鉄はオールロングシートの純然たる通勤型電車のみの保有でしたが、遂にその状態が破られることになりました。

相模原線の上り京王ライナー36号に充当される5732F5000系といえば、1963年に京王線の架線電圧1500V昇圧と共に登場し、関東の通勤電車では初の冷房車にもなった名車の誉れ高い初代が浮かびますが、2代目5000系も京王では初となる流線形デザインの前頭部、TIMS(列車情報管理システム・京王呼称K-TIMS)による伝送管理、SiCハイブリッド素子を用いたVVVFインバーター制御、また特徴的な技術として、編成中央のデハ5050形5100に蓄電池ユニットを搭載し電力回生ブレーキ使用時に発生する電力を充電の上で力行の際にこれを使用し消費電力を削減する他、停電時は充電した電力で1ユニットのVVVFを起動させ自力走行を可能にし、駅間や橋梁上などでの長時間停車を防ぐなど数多くの画期的な新基軸を満載しています。

新宿〜高尾山口間のMt.TAKAO号に充当の為、送り込み回送で京王線を下る5736F。現在はライナー主体の運用に戻りましたが、車番が30番台である事から分かるように都営新宿線への直通運転にも対応している為、急行・区間急行・快速に充当され相模原線橋本から本八幡間までロングランする運用も見られた時期がありました。

車内設備(クロスシートモード)は高尾山の木々、桑都とも称された八王子の絹と、多摩の素材と自然をモチーフにし、照明装置は調色機構を備え朝の通勤時は爽やかな白系、帰宅時間帯は暖色系と変えることが出来、天井両側の曲面部に反射する間接照明式で高級感と落ち着きのある空間を作り出しました。車端部は固定式3人掛けのロングシートですが、肘掛けやヘッドレストを装備し可動式座席と同等の掛け心地に仕上げています。サービス機器としては天井中央部にパナソニック製空気清浄機「nanoe」と座席には電源コンセントを装備しており、クロスシートモードの時のみ使用可能としています。

ドア上の他、天井にも枕木方向に配置される液晶画面は17インチワイドタイプで、900030番台とは異なり三菱電機セサミクロを採用しました。戸閉装置も京王初の電気式を採用しています。客用ドアは化粧板仕上げで四隅が角張った窓のE233系で採用しているタイプですが、900030番台はステンレス製のメーカー標準品になり、8000系は車体修理時にドアを他社でも見られる窓の四隅のRが大きい新品に交換している為、こちらも標準品には違いないものの6000系以来の伝統だった角張った窓のドアが図らずも復活する形になりました

今後はデュアルシートでは初となるリクライニング機構を備えた編成の増備が発表されており、新たなバリエーションが増える予定ですが、近い内に予定されている7000系代替の際は、通常のロングシート仕様車なども登場するのか、今後に期待したい形式です。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京王7000系・初期車の今後について

2022年05月09日 | 京王電鉄(電車・バス)

京王電鉄は202252日に総額288億円の鉄道事業設備投資計画を発表しました。主な内容は笹塚〜仙川間で推進している連続立体交差化、ホームドア整備などによる駅安全対策、防犯カメラの設置などに関してですが、その中で20211031日に国領〜布田間を走行していた下り特急の車内で発生した傷害事件を受けて、車両併結による車内通路非貫通の解消と対話式非常通報装置に対応する車両新造を進める記述がありました。現在のところ先頭車が中間に組み込まれ、車内の通り抜けが不可能な組成は7000系の10両編成(4両+6)と、8両編成(6両+2)、また90008両+70002両が存在していますが、これらを解消する方針を固めたようです。

新宿側4両+京王八王子側6両の分割可能な10両編成で運用されている7806F。後部6両は7701Fです。コルゲート車体の初期車で構成されるこの組成は、10両編成の運用増加に伴い2010年に8両編成5本を10両固定編成3本、6両編成・4両編成各1本に、続く2011年には8両・6両編成を10両固定編成と4両編成に組み替える工事を行い登場しました。

ビードプレス車体の後期車7805F+コルゲート初期車7705Fで構成される10両編成。上写真と比較すると車体構造や正面の幌座の有無など差異が良く分かります。8000系は10両固定編成化改造前の分割対応編成だった200712月頃に新宿側から4両+6両だった編成を6両+4両に連結位置を入れ替えていますが、7000系では特にそうした事は無く新宿側4両+京王八王子側6両で10両を組成しています。

車内設備は全編成リニューアル済みで、2006年までの施工車は座席袖部が手すりで構成されていましたが、2007年からは大型袖仕切りと7人掛け座席にスタンションポール設置、座面のバケットシート化が施されるようになりました。2006年以前のリニューアル車も編成組み替え工事の際にこれらの改良を実施しています。

2002年度の車内リニューアル施行時から新設された8000系同様のLEDスクロール式の車内案内表示器。開閉時にはドアチャイムも鳴動するようになり、これらの改造で接客設備が一気に80009000系並みの水準に引き上げられました。

京王ライナー用5000系導入に伴う余剰廃車が発生してからも160両が活躍している7000系ですが、非貫通編成の解消に対応する車両新造を進めるとのことで初期製造のコルゲート車を中心に本格的な廃車が開始されそうな予感がして来ました。初期のリニューアル車はVVVFインバーター制御化改造からも19年が経過していることを考慮すると置き換えも妥当ではありますが、代替車として5000系のロングシート仕様車などが登場するのか、もしくは新形式になるのか詳細発表が待たれます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野田線に残る東武8000系(後期更新車)

2022年05月07日 | 東武鉄道

200410月のダイヤ改正で、野田線にて長らく運用されていた吊り掛け駆動の5000系グループは他線区から転入の8000系で完全に置き換えられる事になり、伊勢崎線から転属の10030系、新製導入の60000系が運用を開始するまで野田線の旅客列車は8000系で統一されて来ました。両形式が運用を開始した2013年以降は多数の廃車が発生するものの完全な置き換えには至らず依然として6両編成16本の96両という比較的まとまった数の編成が運用を続けており、現在も製造時期や修繕工事メニューの違いによるバリエーションを見る事が出来ます。

1980年製造の8192F11次車に当たる編成で、8次車から採用された仕様(S形ミンデン台車・客室内側が無塗装のセミステンレス製ドア)を採用しつつ、荷物棚下に手すりの増設とドア枠のアルミ化など、更に微細な改良を施したグループです。新製時は春日部支所に配置され、1981829日に森林公園に転属(2001913日修繕工事施工)2011214日に春日部支所でデッドマン装置・運転状況記録装置の新設を受け2011314日より七光台支所所属となり野田線で運用を開始しました。

8次車の8171F。前述のようにこのグループから台車変更とドア内側の無塗装化が実施されました。この編成も東上線からの転入車で1976年の新製時は春日部に配置、19921030日に森林公園転属(2000929日修繕)201011月に春日部支所で上記8192Fと同様の改造を施工の上、同年1210日より七光台に配置されています。

単線区間では8000系同士で交換を行う場面も見られます。かつての野田線では日常的に展開されていた光景ですが、2024年度から新形式の導入と5両編成への減車を行うことが発表されたため、引退が決定的になりました。

車内設備は初期車と比べてドア内側がステンレス無塗装になった為、印象が変化しました。1976年以降製造車の特徴ですが、73007800系列を8000系と同等の車体に更新した50005050系も主電動機点検蓋の存在以外は殆ど共通の仕様であった為、より懐かしい雰囲気が感じられます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リニューアル工事を受けて活躍する東武10030系

2022年05月03日 | 東武鉄道

東武10000系グループは登場から20年以上が経過した2007年からリニューアル工事を実施していますが、伊勢崎線所属車の6両全編成に対し施工が完了すると、対象はマイナーチェンジ車の10030系に移行し201138日より11635F6両が施工され運用を開始しました。何れも車内接客設備の改善を目的としており、9000系の副都心線対応車に準拠した設備に改められていますが、年度毎に更新内容が変化しVVVFインバーター制御化された編成も登場しました。

6両編成では最若番で1988年に落成した11631F。登場以来、伊勢崎線・日光線系統で運用されていましたが20136月にリニューアルを受け、同年82日で七光台支所へ転出し野田線で運用を開始しました。転出時に自動分併装置の撤去、20152月には先頭車前面にホーム検知装置を設置して印象が変化しています。

東上線所属の11637F11442F1990年度車で、番号からも分かるように6両編成と4両編成でしたが20148月に中間に連結しているクハ16637とクハ11442の運転台機器・前照灯を全て撤去し正式に付随車(サハ)化、2017321日にリニューアル工事を完了しました。行先・種別はフルカラー化されていますが、耐久性に個体差があるようでこの編成はシャッタースピードを1000分の1に設定しても切れずに写り込みます(他編成は完全に切れてしまいます)。東上線では界磁チョッパ制御の部品確保の為、11032Fと11639F+11443Fの10両編成2本が60000系同様のVVVFインバーター制御に更新されました。

9000系副都心線対応車に準じている車内。2010年以降からは妻面貫通扉の半減(1両に付き2箇所だった扉の片側を撤去し各車1箇所へ)11640F+11440Fから車内案内表示器の変更(LEDスクロールからコイト電工の横長液晶画面「パッとビジョン」を設置)など、細かいメニューが変更されています。

リニューアル工事で50000系列と同等の水準になり、今後も長い活躍が見込まれそうですが、野田線所属車両は2024年度から順次導入される5両編成の新型車両で置き換えられる事になるようで、再び転出することがほぼ確定となりました。既に佐野線で10000系2両編成が運転を開始した事から想像しますに6両固定編成を伊勢崎線に戻し、捻出される4両と2両をワンマン改造して館林地区各線などに回すのではないかと思われますが今後の動向を注視したいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする