TV番組の合間に不意に流れる呪文のようなフレーズ、トントントントンヒノノ二トン…♪が頭の中で何度も再生されて仕方ない今日この頃ですが、全バージョンを動画で視聴してみました。あの一連のCMは業務用小型トラック・日野デュトロのものですが、調べるとヒノノニトン編は2014年5月30日から放送開始されており、かなり息の長いシリーズだったようですね。
現在は大工編が放映中ですが、筆者はリリー・フランキーが何故か茶室で堤真一にヒノノニトンの話題を突然振る“栗きんとん編”が一番好きだったりします。誰にでも一度くらいは覚えがある知ったかぶりの心理を巧妙に突いている事に加え、リリーの笑みと共に流れる“主よ。人の望みの喜びよ”が何とも言えないシュールさを醸し出していて個人的には一番の面白CMになりました。前置きが長くなってしまいましたが、今回はその日野自動車の博物館、東京都八王子市みなみ野5丁目に所在する日野オートプラザで保存されている路線バスを見てきました。
歩道からもフェンス越しに見える日野自動車が開発した大型路線バス・ブルーリボンのハイブリッド車両HIMR(ハイエムアール)です。型式はU-HU2MMAH(1991年式)、ディーゼルエンジンと三相交流機を複合させた車両で、低公害化を急ぐ必要があった大都市の事業者に配備され、関東では都営バスや川崎市交通局での活躍が有名でした(車内にも他地域の事業者向けの車両とともに引渡しを待っている様子を撮影した写真があります)。この車両は栃木県日光市にて“わたすげ号”として活躍していましたが、2012年の廃車後に生みの親である日野自動車に引き取られオートプラザの展示車両に加わりました。
車内では床の一部が透明化され、エンジンの構造を見る事が出来るようになっています。TVモニターではブルーリボンシティ・ハイブリッドの解説が流れていました。願わくば、ここに都内のバス会社で活躍した車両も加えてほしいですね・・・。
オートプラザ館内にはボンネットバスのBH15(1966年式)が鎮座。ボンネットバスとしては最終ロットの車両で、群馬県の上毛電気鉄道で活躍していた車両です。一度は引退するものの、1988年にバス利用促進と観光客の呼び込みも兼ねて奇跡の復活を遂げた非常に幸運は1台です。その後排ガス規制の関係もあって再び運行を終了しますが、今度は日野自動車の工場で保存車両として活用されることとなり時にはイベント等で出張する事もありました。
車内はこの時代の主流だった三方シートです、板張りの床が何ともクラシックな印象ですね。詰め込みは利きますが、現在のバスとは違い乗り心地はかなり悪く加速・減速のショックも大きい為、相当な揺れに耐えなければならなかったようです。
以前にも書いたことですが、路線バスは鉄道車両と違い、廃車後に公園などに置かれるケースはあっても遊具の延長のような扱いが多く、数年周期で入れ替わってしまうことが多い中、こうして博物館で手厚く保存される事になった2台は非常に強運な車両と言えますね。