山手線は2002〜2005年にかけ205系置き換え用として独自仕様のE231系500番台を導入し運用して来ましたが、2014年11月に次世代車となるE235系が発表され、捻出されるE231系500番台は中央総武緩行線への転用が報じられました。これにより、ホームドア新設対応に伴い6扉車の代替で新造された付随車サハE231-4600をE235系に編入する改造を行う為10両編成化された上で三鷹車両センターに転属しています。転用先となる中央総武緩行線では経年が浅い209系500番台が1998年、E231系0番台が2000年より運用されていましたが、この2形式は玉突きで武蔵野線、八高・川越線に転用され205系と209系3000・3100番台への置き換えに充当されることになりました。
中央線の緩行線を行くA506編成。山手線時代はトウ506編成で、2020年1月20日まで運用され最後まで残った編成です。なお、この編成に組み込まれていたサハE231-4606は残念ながら余剰車となり転用されること無く4602・4604・4605と共に解体されてしまいました。
E231系500番台は緩行線車両ですが、時折出入庫の回送や試運転などで快速線を走行する姿も見られます。写真のA514編成は元トウ514編成で、山手線時代は2014年に東京駅100周年記念ラッピングを施され注目を浴びました。
登場以来殆ど変わらない車内設備。座席の緑系モケットは山手線への導入ということで採用されたもので、他番台では路線に関係なく青系のモケットを使用していた為、初めてカラーバリエーションが増えました。中央総武緩行線転用後も特に交換されることなく使用されています。
E231系では初採用となった液晶画面も15インチのまま表示内容の改修のみを行い継続使用されています。後継となるE233・E235系では画面サイズが拡大され映像も鮮明になった為、さすがに2世代前の車両という印象ですね・・・。
国鉄時代の山手線では1961年に101系電車がカナリア色で新製配置され運用されていましたが、1963年に登場したウグイス色の103系に置き換えられ1969年までに中央総武緩行線に転属し、カナリア色が同線の路線カラーになったことは有名ですが、理由こそ違えど平成末期から令和にかけて再び山手線→中央総武緩行線への大規模な転属が発生したことは実に興味深い点です。