HiSEと同時に引退した水色のカラーリングが印象的な御殿場線直通用の20000形RSEは先頭車デハ20001+サハ20151の2両がミュージアム入りしました。デハ20301は残念ながら他車同様に整理の対象になり解体されています。
連接構造の他形式と異なり、ロマンスカーとして初めて20メートル車体の連結車として、また唯一ダブルデッカー形中間車を連結する車両でJR東海から直通して来る371系と共に一際目立つ存在でした。こちらも1980〜1990年代初頭に流行したハイデッカー構造による眺望が売りでしたが、バリアフリー化の並みには贖えず引退になりました。現在は第2編成が富士急行に譲渡され8000系として、元371系の8500系と共にフジサン特急で活躍しています。
見えにくい位置ですがダブルデッカー形中間車のサハ20151。サービスコーナーと2階部に大型シート、1階部分にはセミコンパートメントを設けています。客室内立ち入りは出来ませんが、デッキ部より見ることが出来ます。
小田急のファーストクラスをテーマに掲げた2階部のピッチが広い座席。座席毎に液晶テレビや読書灯・アテンダント呼び出しボタンを設置するなどバブル期らしい豪華な設備が目立ちました。
立ち入りと着席が可能なデハ20001車内。展示に当たりリクライニング・回転機構は撤去され、テーブルも固定化され引き出せなくなっています。
どちらかと言えば博物館というよりはテーマパークの色合いが濃いロマンスカーミュージアムですが、個人的には機械遺産的価値が認められて永久保存を決定したSE車を解体してまで収容する必要はあったのか…?とやはり疑問でした。小田急=ロマンスカーのイメージが浸透しているので重要な位置付けなのは分かりますが、SEの代わりに3両もいる通勤車の保存車を収容するのではダメだったのだろうかと今更ながら思わずにはいられません。また館内にはもう1両が入りそうなスペースがあり、展示する形式が更に増えるのか、またリニア・鉄道館のような(あちらは事情は違いますが)車両入れ替えなども有り得るのか注目したいところです。