今年の2月25日で京浜急行電鉄は創立120周年を迎えました。同日より京急の起源となった大師線(京急川崎~小島新田間)で運用中の1500形4両編成に過去に使用された電車のカラーリングを再現し“京急120年の歩み号”として運行を開始しています。
一日のダイヤが公表され、距離も短い大師線での運行は撮影者にとっては非常に有難い存在です。手前から、現在主流で800形が登場した1978年から採用の赤+窓周り白帯と、1953年より採用の赤+白細帯(この車両は変更なし)、1951年から1963年まで使用の赤+黄色、1924年登場のデ1形の茶色塗装に木製扉ですが、4両が全て異なったカラーというのは非常にインパクトがあります。
木製ドアやリベットなどもラッピングで見事に再現されました。大師線は全区間が川崎市川崎区内にあり、4.5キロの短距離を終日に渡り線内で完結する各駅停車が往復するローカル線の風情が漂う路線ですが、日本初となる標準軌の採用と共に関東では初となる電車による旅客輸送を開始した鉄道史上大変重要な路線の一つです。この路線の開通で、新年の初詣といえば地元の神社・寺院に参拝するのが慣例でしたが、鉄道で著名な神社仏閣へ参拝に向かう習慣に変わることとなり、歴史的にも大きな影響を与えました。路面電車の形態で走り出した京浜急行ですが、現在のような関東地方では数少ない100キロを超える高速運転や羽田空港アクセスに伴う他社との複雑な相互直通運転の実施など、開通した当時は誰も想像出来なかったんでしょうね・・・。