新羽車両基地で、開業当時の3両編成に短縮され保存される事になった1000形トップナンバーです。大体この手の保存車両というのは余程エポックメーキングな車両で無い限り、固定資産税や維持費などの問題もあるので先頭車1両のみ保管という形になる事が殆どですが、キチンと編成を組んでの恒久的な保存というのは実に喜ばしく、関係者の方々の英断に頭が下がります。以前記事にした1041号車と併せて、4両が現存しますが、横浜市民や交通局の方々には新しい時代の到来を予感させたであろう地下鉄の初代車両は特別な存在のようですね。
我が地元の小田急でも、ロマンスカーなどは編成状態で保存を行っていますが、日本の鉄道史上にも特筆される名車を輪切りにしてしまった何処かの自治体と不動産屋が本業になりつつある某鉄道会社には少し見習って貰いたいものです・・・。
ドアや客窓に貼られた各種注意書きも2006年の引退当時そのままでした、記憶が正しければ3代目(?)になると思われるザリガニだか海老だかを描いた珍しい円形ステッカーと現行デザインの横長ステッカーが併用されています。庫内に入ると、お馴染みの3000形軍団が展示されていましたが、イベントならではの楽しみでもあるLED珍表示が出されています。どちらも定期では設定の無い“快速 センター南”と“快速 伊勢佐木町”ですが、あの小さなスペースに潰さず表示出来る事に驚きました。
隣には今月7日で17年余の運転を終了する“はまりん号”と、来年春から3000V形に置き換えられる事になった3000形が並びます。はまりん号の車内では車内案内表示へのメッセージ表示と、3000V形に関するパネルが展示されていました。
幾分か人が少なかったので反対側から撮影、17年5ヶ月に渡り親しまれて来たこの姿が見れなくなってしまうのは非常に残念です。
横浜市交通局初のVVVFインバータ制御で登場した3000形。当初の計画では、3000形に対し走行機器・車内設備の大規模更新を施行する為に予備車の6両1編成を増備するとの事でしたが、試算の結果新形式車導入の方がコスト減になることから予定されていた更新工事は全て中止され、置き換えられる事になってしまいました。頑丈なステンレス車なので、国内でも海外でも再起できる場所があればいいのですが、第三軌条の電車では難しそうですね・・・。