世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で既に報道で伝えられているように、東京オリンピック2020も史上初の延期が決定してしまいました。現在の悪化した状況を考えれば当然の措置ですが、今後の日本経済に与える大打撃を想像すると、とにかく早期に収束することをただ願う他ありません。
コロナウイルスの影響を受け、あらゆる観光施設が閉鎖・休止していますが、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーも例外ではなく、早々に休園の発表がなされました。しかしパークを結ぶディズニーリゾートラインに関しては運休はしない旨が発表され、現在も日中6分間隔で運転されていますが、今年から新型車への置き換えを控えていることや、パークが閉鎖中の今なら人も少なくじっくり車両を観察出来るのでは…と思い、撮影に行って来ました。
リゾートライナーの愛称で呼ばれる10形電車。ブルー(第1編成)・イエロー(第2編成)・パープル(第3編成)・グリーン(第4編成)・ピーチ(第5編成)の6両編成5本が在籍しています。ディズニーリゾートラインは単線の環状線を反時計周りに運行しており、常に進む方向は一定でATOによる自動運転を行うものの編成両側に運転台を設置し、先頭車両は乗客に開放していますが、後部車には乗務員室が設けられ必ずドア操作などを行う車掌(ドライバーキャストと呼称)が乗務する形態を採っています。
全車両が日立製作所製、VVVFインバーター制御を採用し4M2T組成で、モノレール車両の中では数少ない4両以上の長編成を組んでいます(ディズニーリゾートライン以外で6両編成は東京モノレールのみ)。パークを結ぶ特性から遊戯施設の延長にも見えますが、鉄道事業法が適用される公共交通機関であり、市販の時刻表にも路線図が表記されています。
ミッキーマウスを象った吊り手や窓が目立つ車内設備。座席はいわゆるロングシートですが、長い席は中央部がカーブして出っ張り、ソファのようになっている極めて珍しい形状です。昨年頃から窓ガラス部にミッキーの顔やシルエットのステッカーが貼られるようになりました。貫通路上には車両識別番号が明記されています。
車内案内表示は当初はLED式が設置されましたが、後年液晶式に換装されました。ドアチャイムも併設しており多摩都市モノレール1000形と同じ音色のものが開閉時に鳴動します。
ディズニーリゾートラインでは先述の通り、今年から新型車(type-c)の導入を発表しており、現在の編成と入れ替えることを発表していますが、既に1編成が車両基地に搬入されました。新型車第1陣の塗装がイエローである為、真っ先に置き換えられるのは最初の写真の第2編成かも知れません。
しかし今回撮影に行って驚いたのは、パークは閉鎖していてもそれなりに乗車する人がいることでした。車窓から見えるのも重機が並び拡張工事真っ只中という光景ですが、筆者のようなマニアだけでなく純粋な観光目的の人が入り混じっている辺り、ただ存在する、というだけで人を引き寄せるディズニーの求心力の強さを窺わせます。