町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

ディズニーリゾートライン10形電車を観察する

2020年03月27日 | 首都圏のモノレール・新交通システム

世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で既に報道で伝えられているように、東京オリンピック2020も史上初の延期が決定してしまいました。現在の悪化した状況を考えれば当然の措置ですが、今後の日本経済に与える大打撃を想像すると、とにかく早期に収束することをただ願う他ありません。

コロナウイルスの影響を受け、あらゆる観光施設が閉鎖・休止していますが、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーも例外ではなく、早々に休園の発表がなされました。しかしパークを結ぶディズニーリゾートラインに関しては運休はしない旨が発表され、現在も日中6分間隔で運転されていますが、今年から新型車への置き換えを控えていることや、パークが閉鎖中の今なら人も少なくじっくり車両を観察出来るのでは…と思い、撮影に行って来ました。

リゾートライナーの愛称で呼ばれる10形電車。ブルー(第1編成)・イエロー(第2編成)・パープル(第3編成)・グリーン(第4編成)・ピーチ(第5編成)の6両編成5本が在籍しています。ディズニーリゾートラインは単線の環状線を反時計周りに運行しており、常に進む方向は一定でATOによる自動運転を行うものの編成両側に運転台を設置し、先頭車両は乗客に開放していますが、後部車には乗務員室が設けられ必ずドア操作などを行う車掌(ドライバーキャストと呼称)が乗務する形態を採っています。

全車両が日立製作所製、VVVFインバーター制御を採用し4M2T組成で、モノレール車両の中では数少ない4両以上の長編成を組んでいます(ディズニーリゾートライン以外で6両編成は東京モノレールのみ)。パークを結ぶ特性から遊戯施設の延長にも見えますが、鉄道事業法が適用される公共交通機関であり、市販の時刻表にも路線図が表記されています。

ミッキーマウスを象った吊り手や窓が目立つ車内設備。座席はいわゆるロングシートですが、長い席は中央部がカーブして出っ張り、ソファのようになっている極めて珍しい形状です。昨年頃から窓ガラス部にミッキーの顔やシルエットのステッカーが貼られるようになりました。貫通路上には車両識別番号が明記されています。

車内案内表示は当初はLED式が設置されましたが、後年液晶式に換装されました。ドアチャイムも併設しており多摩都市モノレール1000形と同じ音色のものが開閉時に鳴動します。

ディズニーリゾートラインでは先述の通り、今年から新型車(type-c)の導入を発表しており、現在の編成と入れ替えることを発表していますが、既に1編成が車両基地に搬入されました。新型車第1陣の塗装がイエローである為、真っ先に置き換えられるのは最初の写真の第2編成かも知れません。

しかし今回撮影に行って驚いたのは、パークは閉鎖していてもそれなりに乗車する人がいることでした。車窓から見えるのも重機が並び拡張工事真っ只中という光景ですが、筆者のようなマニアだけでなく純粋な観光目的の人が入り混じっている辺り、ただ存在する、というだけで人を引き寄せるディズニーの求心力の強さを窺わせます。

 

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多摩線・江ノ島線各停の主力になりそうな小田急3000形6両編成(3次車)

2020年03月25日 | 小田急電鉄

いよいよ3月26日からは新型通勤車5000形(2代目)の運用が開始され、今後は置き換え対象とされている8000形界磁チョッパ制御車と1000形ワイドドア車が更に注目を浴びることになるでしょう。そして、現在も見られる3000形+8000形や1000形による異形式併結10両編成なども徐々に数を減らし、最終的には消滅する方向になるかも知れません。併結10両が消滅しても、江ノ島線や小田原線新松田〜小田原間と日中の多摩線では6両編成の列車が必要になる為、5000系の増備がある程度まで進めば現在他形式と連結して10両を組む3000形が、単独運用中心に移行して行くと思われます。

多摩線各停で単独運用中の3265F3次車による6両編成で、2005年には電動車の台車周りに防音カバーを設置する試験を行ったことでも知られています。10両編成組成時には、写真のクハ32651000形リニューアル車4連を連結するため、物々しい連結器やスカートの切り欠きが目を引きますね。ちなみにこの編成は4000形の導入に先立ち、主電動機を全密閉式に換装している為、同形式に近い磁励音を発します。

江ノ島線各停運用に入る同編成。下り側は非常時以外連結は行わないので、すっきりした外観です。リニューアル工事が進行する1000形も10両固定編成化が施工されている為、必然的に3000形が6両運用に回されるでしょうから、近い将来このような運用が中心で、他形式(1000形4両)と組む姿はイレギュラーなものになりそうです。

車内は2次車を踏襲しており、ドア上に千鳥配置されたLED表示などは変わらず引き継がれましたが、戸締力弱め機構を搭載して、手荷物などを挟まれた際に引き抜きやすくしました。15インチ液晶画面の採用は2004年増備の4次車からになります。

3次車まで搭載されたLED表示器。後にこの黒枠タイプが8000形VVVF更新車、1000形ワイドドア車に改造で設置され、当初からLED表示を搭載していた1000形両・10両固定編成にも換装された編成が現れました。

今後は5000形の増備に合わせて、6両編成で在籍するグループにも注目して行きたいと思います。

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美しく整備された世田谷区・江ノ電600形(旧東急デハ80形)

2020年03月07日 | 東京急行電鉄

東急世田谷線の宮の坂駅に隣接する形で保存されている旧東急デハ80形の江ノ電600601号車ですが、ふるさと納税により修繕費用を募り無事に車体の修復が実施され、往時の美しい姿を取り戻しました。

配置自体は以前のままで、パンタグラフのある乗務員室側からだと引きで撮影できないのが残念です。錆が浮き、一時は痛みが目立っていた車体外観が今は艶のある綺麗な姿になっています。

原型に近いスタイルを残している連結面側、密自連が模型のカプラーのように長いですね。再塗装や補修が行われましたが、出入り口ドアのステッカーは撤去されずそのままで一安心しました。

木目の床が懐かしい車内も綺麗になり、現役時代を彷彿とさせる雰囲気になりました。ステップレス化はされているものの、東急時代の面影はよく残っています。江ノ電で運用されていた時代は知らないのですが、天井には扇風機などは元から設置されていなかったんでしょうか?

個人的に筆者が嬉しいのはこのドアステッカーが残存していることだったりします。現在の江ノ電は、長方形に戸袋方向を向いた手のイラスト+広告ですが、それ以前は円形で手のイラストを上向きにし、左右どちらにも使えるようにした独特なもので、このステッカーは2世代程前のものです。現在は広報物などでも旧玉電や世田谷線として扱われる600形ですが、藤沢市の施設の広告が入ったこのステッカーを見ると確かに湘南の地で活躍していたことが伺い知れますね。

さて、再び輝きを取り戻した江ノ電600形ですが、世田谷線からの引退後は全車が解体されてしまった東急80形の唯一の現存車であるだけでなく、完全な形で保存されている数少ない江ノ電車両の一つでもあります。車体が大改造されているため、東急の保存車両としては違和感がありますが、貴重な存在に変わりはないので、今後も末永くこの地で保存されることを願っています…。

※車両は江ノ電ですが、東急玉川線・世田谷線車両として扱われることが多い為、東急カテゴリーに分類しました。

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複雑怪奇なバリエーションの東急5000系(2代目・後期車)

2020年03月05日 | 東京急行電鉄

渋谷駅の東急(初代)5000系が話題を呼んでいるところですが、今日の記事は田園都市線と東横線で大活躍中の2代目5000系です。以前にも初期製造車を記事にしていますが、今回取り上げるのは2008年から製造の7次車で、ほぼ完成の領域に達したグループです。

田園都市線向けに10両編成で一括製造された5120F。この編成は元々6扉車を3両連結していましたが、ホームドア設置計画に伴い2016年に新造4扉車への組み替えを一番最初に受けました。外観は6次車までの在来グループと比較すると、正面の尖った強化型スカートが目立ちます。

本来は5000系は田園都市線向けの車両ですが、副都心線直通を控えて急ピッチで車両置き換えと増備を進めていた東横線にも一部転属が発生している他、一度も田園都市線で運用された実績が無い編成も存在します。写真の編成は元は5121Fで、6扉車2両(サハ5521・5821)とデハ5921の3両を外し、元サハ5420を連結し下り方先頭車クハ5021はクハ5821に改番されています。外観こそ5050系と大差ないものの、車内は青系の配色のまま存置されており、容易に区別出来ます。ATO搭載改造を受け副都心線や東武東上線・西武池袋線への直通にも充当されており、田園都市線には戻らず東横線で運用されて行くのでしょう。

7次車の車内設備。化粧板仕上げの側扉は6次車から採用されましたが、7次車では袖仕切りを大井町線急行用の6000系と同じ形状に改め、ドア開閉時に点滅する鴨居部には扉開閉表示灯も設置されました。東横線所属車もこの内装は変わりません。

6扉車置き換え用の新造4扉車では車内のデザインを大幅に変更し、ハイバックシートや緑系の配色など、2020系の先行試作車の要素を感じさせる設備が随所に見られます。この為、初期の編成ではサービスレベルが全く異なる車両が1編成の内に混在することになりました。

度重なる設計変更や路線別の仕様違いで、多彩かつ複雑なバリエーションが生まれた5000系グループですが、かつての主力だった8000系グループを凌ぐ勢いになりました。初期の車両は登場から18年が経過している為、今後はVVVF制御装置や室内の更新などが予想されますが、その際はまた新たなバリエーションが生まれる可能性があり、どんな動きを見せるか楽しみな系列です。

 

 

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移設まで残り僅かとなる青ガエル

2020年03月03日 | 東京急行電鉄

先月9日、渋谷駅ハチ公前広場に設置している青ガエル(旧東急デハ5001号車)が秋田県大館市に移設されることとなり、5月下旬に搬出が行われることが発表されました。14年間に渡りハチ公像と並ぶランドマークとして知られた同車ですが、いよいよ見納めになってしまいます。

表向きは地方創生だの地域の交流だのの名目ですが、再開発計画の進捗に伴い、不要になったから。というのが真実のようです。場所柄、落書き被害やガラスの破損も見られたことや写真でも分かる通り錆も目立ち、処分の危機も噂されていましたが、まさか縁もゆかりも無い秋田県に行く事になろうとは・・・。雪国なので保存場所の環境が気になるのはもちろん、整備にも多額の費用が毎年掛かりますが、果たして大館市側はそれらを含めた管理を適切にやっていけるんでしょうか。

妻面側の銘板などは全て撤去され、自重や検査表記は渋谷区の文字に書き換えられています。ちなみに広場側からは見えないのですが、反対側にはクーラーの室外機やダクトなどが置かれており、結構傷んでいるように感じます。

搬出の準備が始まるまで後2ヶ月弱ですが、大館市と渋谷区はハチ公繋がりで交流があるとはいえ、体良く不用品を押し付けたような感じが否めずどうにも複雑ですが、決まってしまった以上末永く保存されることを願いたいものです。

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