東京臨海副都心のアクセス路線として親しまれる新交通ゆりかもめ線が開通したのは1995年11月1日のことで、当初この路線は1996年に開催予定だった都市博覧会への輸送を見込んでいたため注目を集めましたが、当時の東京都知事だった青島幸男氏により中止が決定され、年間約40億円程度の赤字が見込まれるなど前途多難な形でスタートを切りました。しかし、開通してみると沿線に観光施設が林立していることや1997年の港区台場へのフジテレビ本社移転もあり乗客が増加、新交通システムでは数少ない黒字路線になりました。
路線開通と同時に営業運転を開始したの初代車両が7000系で、日本のAGT車両では初のステンレス車体を採用しました。初期の1〜3次車は交流電車(ゆりかもめ線は三相交流600V・50Hz電化)ではオーソドックスなサイリスタ位相制御を採用し、車内はボックスシート配置でしたが、乗客が増加の一途を辿る1999年からはVVVFインバータ制御に方式を改めた通称7200形として区別される編成が増備され、現在残存する7000系列は全てこのグループになっています。写真上の7221Fからは3次車以来の車体デザインを引き継ぎながら台車の構造がそれまでの4案内輪車軸ステアリング方式から4案内輪車軸ボギー構造に設計変更されました。
5次車からは虹の模様が変更され、印象が変化しました。5次車で一旦車両増備は中断し、間が空いて次の導入は開通10周年と翌年の豊洲延伸を控えた2005年の6次車2編成でした。
1次車以来のグレー系配色を踏襲しながら3次車で初採用されたロングシートとボックスシートを配置する車内。初期車はオールボックスシートでしたが、増加する利用者に対応する為に変更されました。
車内案内表示は座席の配置上からドア付近ではなく天井に設置して、どの方向からも見れるように配慮しています。
ついこの間登場したような感覚がまだありますが、初代7000系の登場から既に24年の月日が経過し、VVVF編成でさえも今年で20年を迎えてしまいました。先述のように、サイリスタ位相制御+直流電動機の編成は全車廃車済みで、今年からはVVVF編成の置き換えに着手するという事実に、隔世の感を覚えます・・・。