町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

都営新宿線10-000形、40年の活躍に閉幕

2018年02月12日 | 首都圏の地下鉄

昨日2月11日(日)、最後の10-000形として活躍していた10-280Fが11T運用を最後に定期運用を終了しました。これにより、1978年の新宿線開通時から長きに渡り主力を務めた10-000形の命脈が尽きることとなりました。

最後まで残存した8次車の10-280Fは、10-000形グループの中では最終増備の編成で、1997年に10-270Fと共に8両2編成16両が導入されました。従来車とはスタイルを一新し、同時期に新製されていた東武30000系にも似た印象の正面マスクと、コルゲート仕上げだった車体側面をビードプレス仕上げに変更したことが特徴で、一層近代的な外観になっています。しかし、当時新宿線では車両側のVVVF制御装置がATC装置の障害を引き起こす為、旧来のチョッパ制御方式で製造されました。このため日本の普通鉄道の車両としては、最後の直流モーター車となっています。

段階的に廃車が進む中で、他編成も離脱が近くなると引退を告げるステッカー貼り付けが施行されましたが、10-280Fも例外ではなく、1月29日より正面の銀杏マーク部分に10-000さよならの小さな表示が貼られました。仕事の都合もあり、なかなか撮影出来ずにいましたが、最後に収められたことは何よりです。

車内は前回記事にした7次車(10-250F)を踏襲しています。この8次車から座席が紺色(優先席は茶色)モケットに変更され、後に他編成にも普及しました。現在の目から見ても、陳腐化もせず、廃車が近いとは思えない程明るく綺麗な印象です。

7次車に続き、自動放送と車内案内表示器を搭載していますが、案内表示は三田線の6300形同様2段表示に改められました。2006年からは、京王線内での表示にも対応するように改修されています。一方、10-300形の自動放送は声の主がアナウンサーの加藤純子さんによる担当になりましたが、何故か10-000形は改修などはされず旧放送のまま存置され、都営新宿線の自動放送は2人の異なる音声が並存する珍しい状態が続いていました。旧営団地下鉄(清水牧子さんによる音声かと思いましたが、別の方のようです)を思わせる独特の放送が聴けなくなってしまったのも少々残念ですね。

 

今回の10-280Fの廃車で、都営新宿線の車両は京王線の車両も含めVVVFインバーター制御車で統一される事になりました。10-000形全体で見れば活躍は40年の長期間になりましたが、今回廃車になった10-280Fと、一足先に離脱した10-270Fは21年間という短い期間での引退になってしまいました。同時期に登場して現在も主力を務める車両が多数存在するだけに、早期の引退となってしまった事は大変残念ですが、まずは大きな事故も無く運用を終了したことを喜びたいと思います。

 

コメント (2)
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