神奈川中央交通(神奈中)では、1998年度より一般路線バス車両にノンステップバスの導入を開始し、2001年からはワンステップバスと並行する形で導入が続きました。しかし、バリアフリー化推進の流れで車両更新に合わせ路線車は極力ノンステップ仕様とする方針を打ち出した為、2000年代の神奈中の主力車両であったワンステップ仕様の路線バスは順次置き換えられることになりました。
横浜市営バスから移管された77系統に充当中の舞岡所属車(お46・PJ-MP35JM・2006年式)。高年式車ながら白色LEDによる行先表示や座席の新モケット更新を施された車両で、令和の新車と比較しても見劣りしないレベルになりました。
横浜駅西口ターミナルに姿を見せた中山営業所所属車(な106・PJ-MP35JM・2007年式)。元は大和営業所所属車(や106)でしたが、2017年1月1日に神奈中グループ再編で中山操車所が独立し中山営業所に格上げされたことに伴って同所の所属になりました。登場から長らく3色LEDの行先表示器でしたが、後年になりフルカラー化され、やはり座席モケットが近年の新車と同じ青系に更新されています。
湘南台駅で待機中の綾瀬営業所所属車(せ30)。上の車両と同一型式・同年式ですが、こちらは行先表示は正面・側面とも3色LEDのまま存置され印象が異なる一方で座席の交換のみが施行されています。同車は一時期、神奈川県消費者ホットラインのラッピング車に起用されていました。
車内は他社でも一般的な仕様の都市型レイアウトです。登場時はエメラルドグリーン系の座席モケットでしたが、後の交換で新型車同様の青系になり、それほど経年は感じない見た目になっています。
ノンステップバスの台頭で、今後はかつてのバスらしいスタイルを残す車両が置き換えられますが、これは同時に神奈中仕様とも言える設備(正面の運賃支払い方法表示など)も消滅に向かうことを意味しており、かつての独自仕様が色濃かった時代を知る者としては一抹の寂しさを感じますね。