町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

23年振りの8両編成化、相鉄乗り入れを前に増結が進行する東急3000系

2022年12月25日 | 東京急行電鉄

営団(東京メトロ)南北線・都営三田線への相互直通運転に対応する車両として新造された東急3000系は、第一編成が直通運転開始より1年早く1999416日に登場し暫定的な8両編成で東横線に配置され、2000115日まで渋谷〜桜木町間で主に急行で運用されました。同年86日には旧目蒲線が系統分離され目黒線となり、本使用に備え6両編成への組み替えと量産車の登場を経て、予定通り直通運転に用いられるようになり安定した活躍を見せていました。しかし2022年より、目黒線の輸送力増強と相模鉄道との直通に伴い3000系も対応改造と共に8両編成化されることが決定し、サハ3400・デハ3500を新造の上で増結を実施しています。

増結用の中間車を組み込み8両化された編成の中では一番最初に営業運転に復帰した3109F(3009F)。増結に先駆け、行先表示器のフルカラー化と前照灯LED化改造が行われ、印象が変化しました。8両編成化に際しては既存の6両も改番され、5000系グループに準じた付番になっている他、VVVFインバーター制御装置の改修も実施され磁励音が若干変化しました。新造されたサハ3400とデハ3500は車内外とも5080系用の中間車と同一形態になっており、組み込み先の3000系とは全く仕様が異なりますが、車体表面の仕上げはダルフィニッシュで合わせられている為、この角度から見ると違和感が殆どありません。

1999年に3001Fとして新製され、営業運転で東横線の桜木町入線も果たした3101F。スカートの大きな開口部が量産先行編成の証で、登場時は東横線急行運用に備え通過標識灯も設置されていました。目黒線での営業運転開始前に量産車と仕様を揃える小改造と共に中間車2両を3002Fに供出した為、8両編成を組むのは実に23年振りの事となりました。営業運転復帰前には乗務員教習の為、新横浜線を介して相鉄本線へも入線を果たしています。

車内設備。基本的に大幅な変更はありませんでしたが、車内案内表示を2段式LEDから17インチ液晶画面に換装し、鴨居部には扉開閉表示灯を新設しました。これに伴いドアチャイムがそれまでの営団タイプから5000系グループと同一仕様に変更されています。

新たに組み込まれたサハ3400・デハ3500車内(サハ3401で撮影)5080系に組み込まれた分と設備は全く同一ですが、貫通路扉窓から僅かに見える隣接の車両から3000系の編成内に組み込まれている事が分かるかと思います。

来年からは東急・相鉄新横浜線を経由し相鉄本線への乗り入れも開始する本形式ですが、新造中間車を組み込んだことで僅か8両の中に車齢の差が20年以上も開いている車両が混在する極めて珍しい編成となりました。近年ではかなり稀なケースですが、趣味的に見た目の面白さは抜群なので長く活躍して欲しいですね。

 

 

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8両編成化で相模鉄道進出を控える東急5080系

2022年12月17日 | 東京急行電鉄

目蒲線の系統分離で2000年より営団地下鉄(東京メトロ)南北線・都営地下鉄三田線と相互直通運転を開始した目黒線では、3000系を運用していましたが増発に伴い2002年度より田園都市線の5000系をベースにATO装置を搭載した5080系を増備しました。車両置き換えを伴わない為ペースは緩やかで、2002年に5181F2004年に5182F2006年に51835184F20072008年初頭に掛けて5185F5187F2008年度に5188F5190Fが増備され、6両編成9本が登場しています。小世帯ながら期間を空けて製造された関係で設計変更が行われており両数に対してバリエーションが豊かなグループですが、東急新横浜線開通を控えた8両編成化で増結用中間車の組み込みと大井町線用6000系からの編入車が加わり、更に複雑な形態になりました。

都営三田線内を走行する5189F5000系グループの中では7次車に当たる編成で、2008年に6両編成で落成しました。8両編成化は20225月に実施され同月31日に出場しており、東急新横浜線開通後は相鉄線の海老名・湘南台方面まで直通する予定です。

田園都市線内で8両編成化直後に試運転を実施している5190F。この編成も20225月に中間車組み込みを実施し同月24日に試運転を開始、63日に営業運転に復帰しました。この5189F5190Fの特徴は増結された中間車の2両のうちサハ55895590は新造車、デハ54895490は大井町線の6000系の63016302を転用している為、3種類の車内が混在する大変珍しい編成になりました。

車内設備(2008年製造の6)3000系とは配色は違うものの、ローズ系の内装でイメージは合わせられています。特徴的な新造サハ・転用デハの車内は乗客が多い為撮影出来ませんでしたが、また改めて撮影に行きたいと思います。

ドア上の車内案内表示用液晶画面は、当初15インチサイズを2台設置していましたが2011年度製造車で採用された17インチ画面の三菱電機セサミクロに換装され、現在は全編成がこの仕様で統一されました。

数の割に製造時期の違いや転用車組み込みでとにかく複雑化した5080系ですが、趣味的目線では非常に面白い編成が登場したと言えるでしょう。かつて在籍した8000系グループを凌ぐ勢いのバリエーションが続々と加わり、興味の尽きない形式です。

 

 

 

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相模鉄道への進出叶わず…都営6300形3次車

2022年12月15日 | 首都圏の地下鉄

都営地下鉄の三田線は、長らくJR田町駅に程近い東京都港区の三田を起点に、超巨大団地で知られる板橋区の高島平方面へ向かう路線で直流1500V・架線集電方式に20m車体の4扉車が運用される路線ながら起点・終点のどちらからも他社への直通運転を行わない単独の路線でした。一番最初に開通した区間は都営6号線として巣鴨~志村間(現在の高島平)間で、その先の西高島平までは東武鉄道の高島平線として計画されており埼玉県の大和町(現在の和光市)まで建設の上、東上線と直通運転を実施、都心側も現在の浅草線の西馬込方面へ延伸し東急大井町線・田園都市線方面へ直通する予定でした。このような経緯から三田線は先述の規格で建設されましたが、1965年に突然東急が直通運転の計画を銀座線(後年半蔵門線に変更)に改め中止を申し入れ、さらに東武鉄道も有楽町線との直通に舵を切り、三田線と東武東上線・東急田園都市線との計画は実現しませんでした。しかし1968年に再度延伸が計画され、1985年には最終的に路線を目黒までとし、東急目蒲線(現在の目黒線)との直通が決定的になり現在に至ります。

散々振り回された感がある三田線の計画ですが、路線は変更になったものの当初の東急乗り入れは2000年9月26日より開始され、直通開始直前の8月10日には全区間でATOによるワンマン運転とホームドアの使用が開始されています。これらに対応するべく、初代車両の6000形の置き換え用として2000年6月から大量に増備されたのが写真の6300形3次車で、VVVF制御の半導体素子をGTOサイリスタからIPMに変更し、導入コストを下げるために一部の設備を簡素化しているため初期車両とは様々な相違点が生まれています。

目黒線に乗り入れて複々線区間を行く6300形。製造当初より8両編成化が想定されている設計で、車両番号も56号車が欠番になる方式でしたが、残念ながら本形式については登場以来の6両編成のままの運用に留まり、12次車は廃車、3次車も新横浜までの運用となり相鉄線への乗り入れは行わないことになりました。

車内設備は初期車を踏襲する部分も多いですが、座席配置はすべてロングシートとし車端部に設置されていたボックスシートは廃止されました。また化粧板仕上げのドアはステンレスのメーカー標準品を使用しているものの写真でも判るように都営地下鉄独特の四角形の手掛けは何故か採用されているのが面白い点です。

車内案内表示器はLED2段式のスクロールタイプです。東急や東京メトロではLEDからLCD(液晶画面)への換装が進行していますが、こちらはそのままの状態を保っています。

残念ながら8両化が達成出来ず置き換えとなってしまった6300形ですが、残る3次車もいつまで活躍出来るか注目ですね。

※2018年の記事を加筆・修正

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ステンレス車体で新たな潮流、京急1000形8・9次車

2022年12月13日 | 京浜急行電鉄

京急では初代1000形と700形を置き換える為、快特用2100形の実績を基に2002年より汎用通勤車として新1000形の製造を開始しました。外観は2100形を3扉・ロングシート仕様とした趣でしたが、2007年増備の6次車からは無塗装ステンレス車体に赤と白帯デザインのカラーフィルムを貼り付ける方式に改められ、外観は大幅に変わり従来の京急といえば塗装仕上げの赤い電車のイメージを覆すデザインになりました。

本線普通列車運用に充当される1447編成。9次車に区分される編成で2009年に4両編成832両が増備されています。全車両が電動車(デハ)とされ、中間に付随車を組み込む事で6両編成化に対応する設計となっており、品川寄り中間車には付随車への給電用パンタグラフの準備工事が施されるようになりました。4両編成は写真のように単独の他、8両編成の増結や2編成併結のエアポート急行などを中心に運用されています。

空港線方面のエアポート快特に充当される1097編成。2008年登場の8次車で、基本的仕様は6次車に準拠していますが、外観は冷房装置横のランボード形状が変更されています。走行機器はSIMENSから国内製に回帰し、主電動機は編成に関係なく三菱電機、VVVFインバーター制御装置については8両編成が三菱電機製MAP-138-15V174形、4両編成と11次車より加わった6両編成では東洋電機製RG694B-M形を搭載(何れも1500VVVF化改造車と同一品)し、発する磁励音も異なっています。

車端部のボックスシートが廃止され、1500形以来のオールロングシート仕様となった車内設備。メーカー標準品を使用しつつも座席の形態や巻き上げ式カーテンを設置する側窓部など、独自の個性も伺えます。67次車と比較すると座席の袖仕切り部分に横方向の手摺りが追加され、早くも変化が生じました。

車内案内表示器はLEDスクロール式を全てのドア上に配置しています。この形態は2009年増備の9次車まで続き、現在主流の17インチ液晶画面に改められるのは京成成田スカイアクセス線開通準備用に製造された10次車からでした。

ステンレス製の1000形は車体仕上げや前面形状、車内設備の変更を繰り返しながら製造されており、1500形の置き換え用にも引き続き相当数が増備される予定です。この先どこまでバリエーションを増やすのか、今後も目が離せない形式ですね。

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リニューアル工事を受けて活躍する西武鉄道・新2000系

2022年12月11日 | 西武鉄道

西武鉄道の主力車両として、各線でフレキシブルな運用に就く新2000系は経年20年を経過した200712月よりリニューアル工事が施工され、翌20083月に出場し運用を開始しました。この工事は車体修繕の他、バリアフリー対応化や車内イメージの一新など30000系並みにサービス水準を向上させる事を目的としており、主に後期製造車に対して実施されています。

新宿線で運用されるリニューアル施工済みの2081F。トップバッターの2047Fに次いで2本目の施工でした。写真のクハ2082には中間連結時の転落事故防止放送用スピーカーが設置されており、スカートにスリットが見られますが、この後に施工された8両編成では省略されている為、唯一の装備になっています。

回送で池袋線を上る2091F。この編成は2011年度施工で、同年315日出場予定でしたが11日午後に発生した東日本大震災の影響で、予定が遅れ26日の出場となりました。上の編成と比較すると、スカート部分が原型のままになっており、スピーカー未設置であることが分かります。

小川駅で未更新車と並ぶ国分寺線で運用中のリニューアル第一陣となった2047F。数少ない6両編成のリニューアル車で、単独で国分寺線の他、2両・4両を増結した810両で新宿線・拝島線の運用に入る姿も見られます。

大幅にイメージが変わった車内設備。化粧板や床材は全て交換され、座席は以前のオレンジ系からブルー系に一新し大型袖仕切りを新設、また戸袋窓も閉鎖されています。ドア上にはLEDによる車内案内表示器と戸開予告装置を千鳥に配置し、車内放送は自動化されました。

リニューアルによってサービス水準が大幅に向上した新2000系ですが、西武鉄道では2030年までに保有車両全てのVVVF化を表明しており、それまでに黄色い電車である新2000系・新101系は引退することになってしまいました。この先は置き換えが加速し数を減らして行く事と思いますが、新造車や他社から譲受予定のサステナ車両の件も含め、今後の動向に注視したいですね。

 

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