町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

東急東横線直通に従事する相鉄20000系・量産編成(20102F以降)

2024年09月01日 | 相模鉄道

将来の神奈川東部方面線(相鉄・東急新横浜線)を介した東急線方面への直通運転と在来の7000系グループの置き換えを目的に2016年度に概要が発表され、翌年2017年に登場した相鉄20000系は、量産先行車的な位置付けの1編成がまず登場し相鉄線内での運用を開始しました。この編成は相鉄デザインブランドアッププロジェクトに基づく初の完全新造編成で、日立製作所の標準車体であるA-train規格に準じながらも、正面に運用中は交換の必要が無いLED灯火類やアートディレクターの水野学氏が幼少期に見ていた寝台特急の機関車のグリルをモチーフに現代的アレンジを施したしたデザインを採用し斬新な外観が話題を呼びました。その後にJR線直通対応の12000系が登場すると、同系の仕様を一部に反映させた20102Fより本格的な増備を開始しており、現在は全編成が東急東横線〜東京メトロ副都心線直通運用に用いられています。

量産型第一陣の20102Fによる急行和光市行き。東横線直通列車は10両編成で、一部に相鉄線海老名発着が設定されますが基本的な運用は湘南台発着で乗り入れ北端は和光市までとなっており、副都心線へは相鉄車両の片乗り入れとされ東京メトロの10000・17000系が相鉄線方面に乗り入れを行うことはありません。また、東武鉄道から相鉄線方面への運用は全て東急車両の受け持ちです。

直通運転を控えて東急目黒線〜東京メトロ南北線・都営三田線方面に直通するための8両編成の21000系も登場していますが、こちらは外観は同じでも運転に関する機器や編成両数の都合から、東横線で各停などの8両編成運用で営業運転を行うことは不可能となっている差異があります。

車内設備で印象を変えたのはドアの上に設置されている液晶画面が、20101Fでは路線案内用をドア上、動画広告用を天井部に枕木方向の設置とする特徴的なものでしたが、20102Fから通常通りドア上2画面設置に改められ、筐体も黒から白色に改められています。フリースペースの位置もやはり見直され変更になるなど相違点がなかなか多いです。

東横線内での案内で東急仕様の路線図を表示する案内用画面。今は和光市までの運用に留められていますが、新横浜直通ということで乗り換え無しで新幹線駅に到達できることに好感触だった東武鉄道への乗り入れが実現する日が来るのか、色々期待してしまいますね。

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YNB化が再開された相鉄10000系

2024年05月15日 | 相模鉄道

機器更新や前照灯の改造を受けながら車体の内外は従来通りという半更新の形態で運用に復帰し施工がしばらくの間止まっていた相鉄10000系のYNB塗装化ですが、本年度は3編成が施工されることになりました。これにより前照灯の改造を受けてのグループカラー仕様編成は10703F1本のみ2024年5月時点)となり、長らく見慣れたステンレス地の10000系が急速に数を減らすことになります。

10両編成のトップナンバーである10701F。直角カルダン駆動や台車の外付けディスクブレーキなど相鉄車の技術的特徴が全て解消され、尚且つJR東日本E231系の構造をほぼそのまま採用した初の形式でしたが、その為かVVVFインバーター制御装置の更新改造は同社の長野総合車両センターで実施されました。大手私鉄の車両がJRの工場に出入りするのは極めて珍しく、保安装置とワンマン対応改造施工の為に入場した小田急4000形に次いで2例目です。

8両編成でYNB化された10704F。この編成より車体の改造・塗装以外にVVVF制御装置更新も、かしわ台車両センターで施工するように改められました。

車内は座席モケットや吊り手が20000系列で採用されたものに交換され、登場時から明るいグレーだった化粧板と相まって統一感が出ましたが、座席のクッション材などの交換はされず硬めの座り心地は変わらずです。

ドア上の車内案内表示器についても9000系のような液晶画面化はされず、LED表示のまま存置されました。スクロール表示対応に改修されてるとはいえ、さすがに前時代的な感は否めず何とかして欲しかった部分でもあります。

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令和に蘇った相鉄おかいもの電車

2023年12月29日 | 相模鉄道

20231120日で横浜駅の相鉄ジョイナスが開業から50周年の節目を迎えるに当たり、同年3日から1960年代に横浜駅西口への買い物客の利便性の為運転されていた「お買いもの電車」のラッピングを11000(11002F)1編成に施し1227日まで運用しました。

相鉄が独自開発した高性能車である初代5000系を模したラッピングは複雑なカラーリングや灯火類を上手く再現しており、正面のみの施工ですがなかなか様になっています。当時のお買いもの電車は鳩が買い物籠をくわえた特徴的なイラストのヘッドマークを掲出し、上り横浜行きでは高島屋の従業員が添乗して催し物やお買い得品の案内をしていた特別感のあるものでした。

横浜方先頭車は1960年代当時の装いを忠実に再現していますが、海老名方先頭車は新横浜線全線開通に合わせて設定された「YOKOHAMA どっちも定期」のPR仕様になっています。敢えて「ドッチモ定期」と片仮名表記なのはオカイモノ急行のオマージュか。

短期間のラッピングということで車内は特に装飾などはなく、至って普通の11000系ですが、車内広告は相鉄グループのものが目立っていました。

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1編成のみのYOKOHAMA NAVYBLUE 相鉄8000系8709F

2023年11月13日 | 相模鉄道

東京都心部への直通を控え、SOTETSU DESIGN BRAND UP PROJECTの発足で9000系は第一編成の9701F(2020年廃車)を除いてYOKOHAMA NAVYBLUE化され活躍が続く一方、相鉄の主力車両であった8000系に対しては施工されず、その動向が注目されましたが2020年に入り8709Fに初めて施工されました。9000系に比べると工事内容が大分簡素化されており、初期車6編成が廃車になる中で残存する後期車に順次及ぶものと予想されましたが、意外にも202310月現在も他編成は2007年からの相鉄グループカラーで運用されており、8709F8000系列で唯一のYOKOHAMA NAVYBLUE編成として運用されています。

車体カラーと車両番号フォント変更の他、前照灯の移設と運行番号表示器と種別・行先表示器が一体型のフルカラーLED化され大幅に外観の印象が変わりました。なおこの編成はYOKOHAMA NAVYBLUE 化に先駆け20173月にVVVFインバーター制御装置・補助電源装置を更新しています。

現状他の編成はグループカラー塗装のまま前照灯移設と前述の種別・行先表示一体化、また自動放送装置新設が実施されたのみで運用が続いており、中途半端な装いですが工事内容の簡素化や他編成への波及の遅さを見るに予算面での折り合いが付かなくなっているのかも知れないですね。

9000系と比較して大分内容が簡素化された印象の車内。グレー系のカラースキームを採用してはいますが、淡いピンクの化粧板のドア部分はそのままの状態にされており、室内でやや浮いている印象が否めません。

セミクロスシート車両の車内。9000系で採用されたボックス席部分の大型仕切りとして革張りシート、また強化ガラス製妻面貫通扉も見送られ、ドア以外の化粧板とシートモケット交換の施工に留まっており予算を削った跡が窺えます。

ドア上の車内案内表示器も9000系は液晶画面に換装され全ドア設置に改められましたが、8000系は従来のLEDスクロール表示のまま存置されました。どうにも中途半端な状態に見えますが、これ程時間が掛かると直通車両との識別の意味でもう現状維持でも良いのでは?という気がして来ます。

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小規模改良が続く相鉄8000系(グループカラー編成)

2023年06月19日 | 相模鉄道

新横浜線開通を控え、20000系量産車の増備により長年主力だった8000系は2020年より廃車が開始され初期製造の87018706Fが廃車、解体処分となり後期車である87088713F60両が引き続き運用されることになりました。湘南台駅構内での事故で廃車になった8707F以来の本格的な淘汰が開始された一方でリニューアル工事も施工となり8709F1編成がYOKOHAMA NAVYBLUE塗装への変更と車内への更新を実施されました。しかしこれ以降の工事は中断され、2022年からは先頭車の前照灯移設や自動放送装置の新設、座席シートモケットを11000系と同一品とし人数区分がされたバケットタイプに改める小規模改造に留まっています。

前照灯移設工事を受け、のっぺらぼうになった印象がある8710F。廃車になった初期製造車には室内更新と別に8709Fで現在も見られる車内側のガラス面をフラットにしたドアへ交換されている編成がありましたが、グループカラーで現存する編成は登場以来の原型ドアを維持しています。

8000系の最終増備車の8713F。今後はYOKOHAMA NAVYBLUE化とは別に前照灯移設工事と自動放送装置の新設を行うことが発表されており、前面窓下に前照灯を配置したスタイルは見納めになる予定です。なおこの編成は2023618日のミステリーツアーに起用され、正面のみ登場時の赤帯仕様にリバイバルされ定期運用を再開しました。

登場から長らくオレンジ系で中央部に1人分の区分を表した座席でしたが、交換により印象が変化した車内。改良工事を受けながらも原型ドアに座席袖部はステンレス製手すりによる構成を維持し、大型袖仕切りの新設は見送られるなど過渡期のような印象です。

セミクロスシート車の車内。ボックス席部分も含めてバケット化され、掛け心地は大幅に改善されました。これらの改造により僅か6編成ながら袖仕切りを大型化した編成と手すり構成の編成、YOKOHAMA NAVYBLUE化された8709F3形態が存在しています。

鴨居部にはLEDスクロール式の車内案内表示器を新製時より設置しています。初期製造編成は大型3段式のものが妻面に取り付けられていましたが、最終的には後期車と同様に揃えられました。9000系ではYOKOHAMA NAVYBLUE化の際に液晶画面化されましたが、8000系では見送られています。

リニューアル工事の内容が簡易化され、中途半端な存在になってしまった感がある8000系ですが、改造は継続され今後も長く運用する意思はあるようで何よりです。11000系に類似した配色・設備になっているので、個人的に残る編成はこのままでも良さそうな気がしますね。

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