町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

東京を地下で東西に縦断、JR東日本E231系800番台

2023年01月03日 | JR東日本

JR東日本の新系列電車で地下鉄線への直通に対応した車両は、1999124日に千代田線〜常磐緩行線の直通車として登場した2091000番台が最初でした。この時点ではE231系は開発途上であった為、既に実績のある209系列の導入となり列車増発を目的とした増備だったこともあり僅かに102本のみという少数派に終わります。しかし中央・総武緩行線〜営団(東京メトロ)東西線の直通運転に長らく充当されていた1031200番台・301系の置き換えが決定すると新系列電車第二世代であるE231系の導入が決定し、満を持して地下鉄対応編成である800番台が登場。200351日より営業運転を開始しました。

東西線内の高架線を走行するE231800番台K4編成。2091000番台に酷似した裾絞りが無い2800ミリ車体ですが、側面窓構造や床下機器が大幅に異なっている他、運転席のマスコンに東西線内でのみ使用するデッドマン装置を搭載するなど、様々な相違点があります。

朝の通勤時間帯に中央線の緩行線を行くK7編成。車体のカラー帯は誤乗防止の為、東西線車両に合わせた青と水色の組み合わせになっています。乗り入れ先の東西線は起点と終点の両方で同一会社線に接続する数少ない地下鉄路線ですが、日中時間帯は自社線区間に入らず東西線の中野〜西船橋間で完結する運用も多く存在するなどJRの通勤電車としては珍しい運用が組まれており、相互直通運転が活発な首都圏ならではの車両運用と言えます。

東西線内折り返し運用に充当され、三鷹〜千葉間の緩行線で運用されている500番台車と地上の中野駅で並んだ場面。正面の構造や車体幅の違いから別形式のように見えます。

車内設備は幅が狭い以外は0番台がベースになっており、座席モケットの色やドア上のLED表示器なども準拠していますが、車椅子スペースは地下鉄車に合わせて29号車に設けられました。サービス向上の為に500山手線(2003年当時)・0番台常磐快速線向けに続いて自動放送装置を搭載しており、東西線内でも全区間で対応しています。

運用区間などに変化が無く動きの少ない800番台ですが、登場から20年目を控えて202212月にK3編成がVVVFインバーター制御装置更新の為に秋田総合車両センターに入場しました。今後他編成も順次入場し変わらず活躍して行くと思いますが、継続使用するならドア上の1LED表示を液晶画面に換装して欲しいですね・・・。

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引退が迫り来る東急8500系(8637F)

2023年01月01日 | 東京急行電鉄

新年明けましておめでとう御座います。昨年は鉄道開通150周年という輝かしい年でしたが、次の200周年とその先へ明るい未来が開けるようお祈り申し上げます。

20231回目は、今月で定期運用を終了することになった東急8500系の最終編成8637Fです。先頭車正面に引退ヘッドマークが掲出され、20221119日で東武鉄道への乗り入れも終了し長らく田園都市線の顔として君臨して来た同系も、いよいよ最終段階に入りました。

1987年より正面に赤帯一本を配した姿から青帯に変更され、2008年までは先頭車にシャボン玉の装飾が施されていた8637F。かつては東急ケーブルテレビジョンの広告電車になっていた時期もありました。シャボン玉模様は200812月で全て撤去され、シンプルな青帯になりましたが、2018年からはドアにカラーの装飾が施されBunkamura号として運用を開始しています。

8500系グループの中では、やや異端的な存在の8637Fですが、新製は1986年と比較的新しく広告電車に起用され、交通バリアフリー法にも対応していることが幸いしたか一番最後まで残ることになりました。現在は先述の通り東武鉄道への直通を終了しましたが、引退が近いためか東武線非対応車を示すKのマークは掲出されていません。

同時期に登場した9000系と同じく、天井は扇風機を廃止してスイープファンを設置し冷房能力を向上させている他、座席には袖仕切りと中仕切りが設置されるようになりました。2005年には同じく統一広告編成TOQ-BOXに指定されていた8634Fと共に車内案内表示器・自動放送装置(放送装置は後年使用停止)を新設しています。

LED表示は1000系・2000系に設置されたものと同様に、表示部に傾斜を付けて見やすくしたタイプです。この表示器のみ稼働しており、運用される全区間での表示に対応していました。

1975年に初登場して以来、実に48年余りの長きに渡り活躍した8500系も遂に引退の年を迎え、また一つ長い歴史が終わることになりました。残り時間は僅かになりましたが、無事故で最後まで運用されることを願います。

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