町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

西武鉄道のサステナ車両が発表、小田急8000形・東急9000系を導入

2023年09月27日 | 西武鉄道

西武鉄道と東急電鉄・小田急電鉄「サステナ車両」を授受 各社連携して、SDGsへの貢献を加速してまいります :西武鉄道Webサイト

関東大手私鉄である西武鉄道は、同業他社よりサステナ車両(西武独自の譲受車の呼称)としてVVVFインバーター制御電車を同業他社から購入する旨を発表し衝撃を与えていましたが、今月26日に正式発表となりました。その内容は東急9000系・小田急8000形を両形式合わせて100両を譲受し主に支線区に導入するという、これまた予想を超えた展開になりました。

導入が決定した小田急8000形ですが、こちらは国分寺線での運用になることが明らかにされており最初の編成は2024年から運転開始とされています。恐らくは現在残存している6両編成が譲渡になるものと思われますが、当初のサステナ車両は無塗装であることが示されていた(後に削除)ので、普通鋼製車体の車両が選ばれることになるとは驚くばかりです。

東急9000系については西武秩父線・狭山線・多摩湖線・多摩川線での運用で主に101系、新2000系、4000系の置き換えを見込んでいるようですが、こちらは西武線内ではかつて共に活躍した5050系と、もしも秩父鉄道線乗り入れ運用が継続されるなら元8090系・8500系とも再会することになり、趣味的にはかなり熱い並びが展開されることになります。

置き換えられることになった新2000系。それまで3扉が主体だった西武通勤車の4ドア化を進め主力に成長した形式ですが、近年の首都圏では珍しくリニューアル車両も界磁チョッパ制御のまま存置されたこともあり廃車が始まっていましたが今後は更に急速に引退が進むようです。

池袋線・新宿線の運用からは撤退あいたものの支線区で細々と運用され、近年はリバイバル塗装で懐かしい姿を見せていた新101系も遂に引退へ。同時に西武鉄道の3ドア通勤電車も見納めです。

小田急・東急グループと西武グループで思い出されるのは、やはり箱根山戦争と伊豆戦争ですが、21世紀に入り技術的交流を始め車両の譲渡まで現実になろうとは正に「事実は小説よりも奇なり」です。堤康次郎や安藤楢六、五島慶太らが今の三社を見たら何を思うか。

 

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JR東海在来線の顔として君臨する313系(0・300番台初期車)

2023年09月07日 | JR線

1990年代のJR東海は分割民営化直後より東海道本線・中央本線向けにロングシートで通勤輸送対応型の2115000番台を、新快速運用向けには311系を導入し輸送改善を行って来ましたが、依然として国鉄から継承した103系、113115系と急行型165系が数多く残存し運用されていました。これらの車両の置き換えを目的に新快速・快速運用のみならず、近郊輸送から閑散路線でのローカル運用まで幅広く対応できる近郊型電車として313系が1999年に登場、あらゆる需要に対応すべく細かい番台区分が設定され同社の標準型車両として瞬く間に勢力を拡大し、現在は中部地方の鉄道の顔的な存在になっています。今回は多彩なバリエーションの313系の中で最初期に登場した0300番台を捉えました。

4両編成単独で岐阜〜岡崎間の普通列車に充当される0番台。大垣車両区に15(Y1Y15編成)が配置され、1999712日ダイヤ改正から311系に変わり新快速を中心とした列車に充当されるようになり、所要時間短縮と列車増発が実施されました。これにより東海道本線名古屋地区の113系は運用を終了し、廃車または静岡地区へ転属しています。東海道本線快速運用に特化した5000番台が2006年に登場した後も変わらず快速・新快速はもちろん普通列車にも幅広く運用され他番台や311系との併結運転も行われています。2015314日以降は新たに電化された武豊線の区間快速運用にも入るようになりました。

0番台の2両編成版で主に増結に用いられる2両編成の300番台(後部に併結の6両は5000番台)16本が配置(Y31Y46編成)され、こちらは写真のように他番台と組んで運用され時には3000番台・5300番台を23本連結した先頭車のみの46両編成が見られることもあります。

車内設備は豊橋〜大垣間の新快速が中心になる為、転換クロスシート(車端部とドア付近は固定式)とされた車内。転換可能シートは枕折れ機構が採用されている他、床材には廃タイヤを破砕した吸音材を用いており、カバー付き照明も相まって同時期に登場したJR他社の車両と比較しても高い水準の室内空間となっています。

車内案内表示器はLEDスクロールタイプで311系では妻面と先頭車の乗務員室仕切りに設置していましたが、313系の設置場所は全てのドア上とされ、どの席からも見えやすくなりました。一応2段表示も可能な仕様ですが、ドア締切扱い表示以外は写真(停車中の表示を撮影)のように大文字1段表示を行なっています。

登場から24年余りが経過しますが、他番台と比べても基本的な仕様が同じこともあり全く見劣りする箇所もないのでまだまだ活躍が見込まれます。今後は東海道本線向け315系の増備も予定されているので、同系列との併結運転なども開始されるか見ものですね。

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廃車が進むかつての新快速用フラッグシップ車両、JR東海311系

2023年09月05日 | JR線

JR東海発足から2年余りが経過した198979日、夏のダイヤ改正と金山駅の開業で新快速・快速が増発されることを受け、当時中部地区近郊輸送用の一般型電車として増備されていた2115000番台をベースに311系が導入されました。本系列は快速運用主体になることから転換クロスシート仕様の車内とし、1989311日より設定された新快速運用に集中投入され名古屋都市圏輸送の改善に大きく貢献しました。1990年には最高運転速度を120キロ化し全列車を311系化、それまで運用されていた117系は快速・普通列車運用に回されるようになりました。9年後の1999年には313系が登場し、新快速からは一時期退くも2008315日から再び定期運用が復活し引き続き東海道本線名古屋地区の主力車両として運用が続いて来ましたが、2022315日より分割民営化初期の車両の置き換え用に315系が登場、同年518日には2編成8(G8G12編成)が定期運用を離脱し、翌日19日付けで初の廃車となりました。今後も315系増備に合わせて更なる廃車が進む見込みです。

211系の基本デザインを取り入れつつ曲面ガラスの採用で柔らかい正面スタイルとなった311系。現在は浜松〜米原間の普通列車と武豊線区間快速が中心ですが、平日朝には8両編成の普通列車の他、土日祝日は新快速・特別快速の運用も設定され、全盛期を偲ばせる姿を見ることが出来ますが、廃車が進行した現在は313系の代走も多くなりました。

写真は何れも最終増備車に当たるG14編成ですが、4両編成15本の総勢60両の割に形態差が多く、G15編成と写真のG14編成は車端部と中央ドア付近の窓が固定式とされています。また、G1G5編成にあった列車番号表示器がG6編成以降は省略、車外スピーカーを冷房キセ内に移設するなど外観上の変化がある他、車内の配色(後述)にも差異が見られます。

グレートーンで統一され2人掛け転換シートが並ぶ落ち着いた雰囲気の車内。登場から2007年までは一般型電車にしては珍しくカード式公衆電話も設置されていました。妻面貫通扉はダークグリーン系で天井の色調が周りの化粧板と揃えられていますが、G1G5編成の貫通扉はクリーム色で天井は中央部がダークグレーとされています。

基本的に進行方向を向いて座ることを想定し、車内案内表示器はドア上ではなく妻面部と先頭車の乗務員室仕切り上に設置されました。デジタル時計と一体化した今では珍しい設備ですが、中部地方では他事業者にもロングシート通勤車でありながら妻面(あるいは貫通扉上)に設置するケースが見受けられ、この辺は関東地方との考え方の違いを感じさせる部分です。

登場時は名古屋都市圏輸送のフラッグシップ的存在だった311系ですが、現在はすっかり廃車が進行し、前述したように元々少なかった運用が313系により代走されることも増加しています。今後は東海道本線向け315系の登場が予想され311系の活躍もそれまでかと思われますが、民営化初期の輸送改善に貢献した車両だけに、最後の活躍も抜かりなく記録したいですね。

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高速貨物輸送の主力、JR貨物EF210新塗装と異端の旧塗装ロゴ省略仕様

2023年09月03日 | JR線

かつての貨物輸送の主力機関車であったEF65EF66形に代わるJR貨物のEF210型は改良を重ねながら増備を続け、登場以来の東海道本線・山陽本線の高速貨物列車を筆頭に中国地方の山口県から北関東の栃木県、群馬県まで本州の至る所でその姿を見られるようになり四国地方の愛媛県にも運用範囲を拡大しました。試作機901と量産型の0100番台、山陽本線瀬野〜八本松間の勾配補助対応の300番台を合わせて146両が広範囲に活躍を見せていますが、現在は量産型の0100番台が青色をベースに細い白帯を配した新塗装への変更が進んでいます。

従来のグレー主体に青と白の3色塗り分けから一気にシンプルになった新塗装。写真の125号機は新鶴見機関区の所属で本年329日に広島車両所で重要部検査を完了し、新塗装で出場しました。青と白帯の組み合わせはかつて東海道を往来したブルートレインの先頭に立たせてみたくなるような配色です。

工事列車の先頭に立つ旧塗装の105号機。吹田機関区所属機で、愛称である桃太郎ロゴは存置される一方車体側面の目立つJRFマークが無くなっている珍しい姿で運用に就いています。これは経費節減の為にマーク貼付けを省略した為とのことですが、他の機関車にも省略された個体が存在するらしく一時期だけのものなのか、はたまた今後はマーク省略の方針なのか興味深いところですね。

 

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少数派になりつつ活躍が続くE231系0番台・中央総武緩行線

2023年09月01日 | JR線

209系の実績を踏まえて開発された首都圏新系列電車第2世代のE231系は2000年度より量産車が登場しますが、一番最初の導入となったのは中央総武緩行線で、同線に残っていた103系の置き換えに充当されることになります。2006年には京浜東北線の209系試作車の900番台3本の置き換えの為、幅広車体仕様の209500番台車が転出することを受けてE233系の設計を一部に反映させた増備車3編成が登場、2015年には上野東京ライン開通に伴う運用増加でB20B21編成が常磐線快速に一時的に転用されるなど目立った動きはありつつも大多数の編成は中央総武緩行線での運用が続きました。しかし2017年より山手線にE235系量産車を導入することが決定し、捻出される山手線のE231500番台を中央総武緩行線に転用の上で0900番台車と209500番台は武蔵野線、八高・川越線へ転用されることになり大きな動きを見せました。一方で10両編成6本は付随車(サハE2316扉車サハE230)を電動車ユニットに差し替えて引き続き山手線からの転属車であるE231500番台と共に現在も運用が続いています。

現在は全車両が4ドアで統一され6M4T組成に改められた0番台。電動車ユニットは八高・川越線に転用された編成の車両で、写真のB11編成はサハE231-31とサハE230-11を外し元B5編成のモハE231-9+モハE230-9を組み込んでおり、転用先が無いサハは全て廃車になりました。

上の編成とは一つ違いのB10編成。この編成は元B7編成のモハE231-13+モハE230-13を組み込んでいます。この0番台はB10B12B14B26B276編成が在籍し運用が続いています。既に登場から20年以上経過しているので、車両の入れ替わりが早い首都圏のJR東日本では古参の部類に入りつつある車両です。

たまたま捉えられたE231900番台車と同500番台のすれ違いシーン。E231900番台は当初209950番台として1998年に登場し、試作車としての役割を持っていた為電動車が三鷹寄り・千葉寄りで三菱電機・日立製作所の異なる制御装置を搭載していたり側面窓が209500番台と同一になっている、パンタグラフが量産車とは互換性の無いものを搭載するなど数々の相違点がありました。現在は8両編成化され京葉車両センターに在籍し武蔵野線のMU1編成として活躍しています。

0番台車内設備。座席モケットの色彩など209500番台で確立した仕様を踏襲していますが、化粧板がより白に近くなり明るさが増している他7人掛け座席部の側窓が全て開閉可能になっています。一段表示のLEDによる車内案内表示やクッション性が余りない座席など2世代前の車両であることを物語る部分が目立ちますが、車両性能面などは特に問題無いので今後も長く活躍が続くと思われます。

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